( 177605 ) 2024/06/05 01:30:25 0 00 ローソンの名札表記の変更イメージ(同社提供)
コンビニ大手のローソンは4日、悪質なクレーム(カスタマーハラスメント)対策の一環として、店舗従業員が着用する名札の表記や規定を見直すと発表した。これまで名札は実名(名字)の記載を基本としていたが、今後はアルファベットによる任意の文字や、イニシャルでの表記も可能となる。従業員のプライバシーを保護することで、人格や尊厳を侵害する顧客からのカスハラを防止する。
【表で見る】企業のカスタマーハラスメント対策の主な事例
同社によると、名札については、役職と任意のアルファベットかイニシャルでの表記を可能とする。例えば、「たなか」としていた従業員の場合、「クルー TK」という表記でも認められる。
近年はカスハラ対策の一環として、名札の表記を見直す動きが企業や自治体でも広がっている。大手コンビニでは、ファミリーマートも5月下旬から従業員の名札の表記について、実名以外の名前を表記することを可能にした。セブン-イレブンは令和4年7月から顔写真が入っていない名札に変更。現在、名札の名前表記については原則、名字のみをひらがなで表記しているが、「今後の状況を見ながら、表記規定の見直しも検討していく」(セブン-イレブン・ジャパン)としている。
また、ローソンは今回、従業員の身だしなみの規定も改定。多様な人材が働いている観点から、頭髪については「宗教上の理由で頭髪を覆う布類を着用することを認める」とした。これにより、頭髪を隠す「ヒジャブ」を着用したイスラム教徒の女性でもコンビニでの接客が可能になる。
近年はディスカウント店「ドン・キホーテ」のように、従業員の髪の色や服装を自由にし、個人の多様な価値観や個性に対応する企業も増えている。人手不足の問題が表面化する中、従業員の自由度を高めることで仕事へのモチベーションや満足度の向上を図り、人材の定着や確保につなげる狙いがあるという。
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