( 181853 )  2024/06/18 02:00:48  
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ポケモンカード市場がバブル状態から下落傾向にあり、高額で取引されるカードの値下がりが進んでいる。

市場の崩壊の理由として、供給と需要のバランスが取れたこと、投資家の離れが原因だと指摘されている。

しかし、専門家はバブルの終了を懸念しておらず、ポケモンカードの人気が依然高いことや市場が拡大していることを強調している。

将来的には再び高騰する可能性もあるが、本当のファンが楽しめる市場に落ち着くことを期待されている。

(要約)

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(写真・AC) 

 

 近年、1枚が数万円から数千万円の高値で取引される「投資資産」のひとつとしてまで考えられるなど、バブル状態にあったポケモンカード。その価格がいま、下落傾向にあるという。 

 

【写真あり】ヒカキンが購入した5000万円のポケモンカード 

 

 高値で取引される「レアカード」を入手すべく、転売ヤーがポケモンカードの買い占めをおこなう事態が増え、店頭からは品切れが続出。「中学生以下にのみ販売」や「おひとり様〇パックまで」と制限がかけられるほどに。また、人気YouTuberがポケモンカードを動画で取り上げたことも、若い視聴者層からの人気を集めるきっかけとなった。 

 

 しかし、2022年にYouTuber・HIKAKINが1枚5000万円で購入したカードは、現在、買取価格は2500万円と、大幅に値下がりしている。ファンも「ポケモンカードの時代は終わりを告げた」「さすがに価格が下がりすぎでは?」と、落胆の声を出し始めている。 

 

 ポケモンカード市場は、なぜ崩壊しつつあるのか、トレーディングカード専門家の後藤寛氏に話を聞いた。 

 

「2016年に20周年を迎えたころから、ポケモンカードに『子供向けのゲーム』から『遊べる美術品』という認識が生まれ、投資用の資産として保有する方が増えました。また、同年に発売されたスターターパックやセットの価格が、500円という手軽な価格だったことで、インフルエンサーが動画で紹介する機会が増えました。 

 

 それが最近になって、下落傾向にある理由は、以下のように考えられます。 

 

 まず『ボックス』の供給が需要に追いついたことです。ポケモンカードは5~10枚のカードが入った『パック』と、そのパックが10~30セット入った『ボックス』の単位で売られていますが、バブル以降、ポケモンカードのボックスはつねに品切れ状態でした。そのため、ボックスは『手に入った時点で儲かる』状態となり、転売目的の買い占めが横行していました。 

 

 しかし、2023年の夏ごろから、メーカーがボックスの大量生産をおこない、購入しやすくなったことで、ボックスのプレミア化が落ち着き、市場が急速に正常化しました。 

 

 そして、ボックスが誰でも買えるようになったことで、フリマアプリや買い取市場に、大量のカードがあふれるようになりました。その結果、シングルカードの価格も全体的に下落しています。 

 

 さらに、『投資家離れ』も原因です。上記の要因によってカードの高騰が期待できなくなり、投資目的の人が離れたことで、高額カードが売れなくなりました。購入者が減ったことで、値下げしても売れなくなり、現在の下落につながったと考えられます」 

 

 ただし後藤氏は、ポケモンカードのバブル崩壊を不安視していないという。 

 

「ボックスの供給より需要が増えることは今後、ほぼなくなり、投資熱はさらに冷めると思われます。ただ、これはバブルが終わっただけで、ポケモンカードの人気は依然として高いままです。それどころか、バブルによってポケモンカードの知名度とともにプレイヤーも増し、さらにYouTuberが動画で取り扱ってくれたことで、その動画を見たお子さんと、その親御さんが購入されることが増えました。つまり、市場の裾野はバブル前より拡大しているのです。バブル崩壊というより、正常に戻ったと言ったほうがいでしょう。 

 

 これから数年は、価格も落ち着くと思いますが、30周年など大きな節目が起これば、再び高騰すると予想します。また、大会での賞品やイベント限定品などは、変わらずプレミアがつく可能性が高く、そちらを狙う投資家は今後も残ると思います」 

 

 本当のファンだけが楽しめる市場に落ち着いてほしいものだ。 

 

 

 
 

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