( 183613 )  2024/06/23 15:10:09  
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東京女子医科大学が医学部卒業生の子供らを対象にした推薦入試で、受験生の親族から合計約3400万円の寄付金を受け取っていたことが発覚した。

入学に関する寄付金の収受は文部科学省によって禁じられており、同大に報告が求められている。

推薦審査では寄付額が貢献度として点数化されており、関係者の中には至誠会理事も担当していた。

昨年度至誠会の代表理事が解任され、今年度から推薦入試に至誠会の関与がなくなった。

(要約)

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(写真:読売新聞) 

 

 東京女子医科大(東京都新宿区)が、医学部卒業生の子女らを対象にした推薦入試で、受験生の親族から寄付金を受け取っていたことがわかった。出願資格を審査した同大の同窓会組織「至誠会」も寄付を受けており、受験生側から両法人への入試時期の寄付額は、2018~22年の5年間で少なくとも約3400万円に上った。文部科学省は入学に関する寄付金の収受を禁じており、同大に報告を求めている。 

 

【写真】「推薦審査依頼書」には寄付の実績を申告させる欄があった 

 

 問題の入試は、3親等以内に至誠会の会員(卒業生)か準会員(在校生)がおり、同会の推薦を受けた生徒が対象で18年に始まった。同会は毎年9月初め頃に推薦依頼の受け付けを開始。同月下旬に筆記と面接の試験を行い、東京女子医大に推薦する受験生を10人程度選んでいた。推薦を得た生徒は11月に同大で試験を受け、合否が決まる仕組みだった。 

 

 同大などによると、18~22年の5年間で、生徒計57人が至誠会に審査を申請。7割弱の39人が大学に推薦され、最終的に37人が合格した。合格率は95%だった。 

 

 関係者によると、生徒が至誠会に提出する「推薦審査依頼書」には、同大や同会への寄付の実績を申告させる記入欄があった。 

 

 読売新聞が内部資料を分析したところ、同大は18~22年、推薦審査の受け付け開始約1か月前の8月から合格発表の12月初旬に、少なくとも生徒8人の親族から計1630万円の寄付を受領。同会も同時期に同18人の親族から計1800万円の寄付を得ていた。4人の親族は双方に寄付していた。 

 

 19、20、22年の推薦審査では、寄付額を「貢献度」として点数化し、面接や筆記などの結果と合わせた得点表が作成されていた。 

 

 推薦審査は、同大理事を兼務する至誠会理事らが担当。18年は同会代表理事で大学副理事長だった同大の岩本絹子理事長(77)も面接を担当していた。 

 

 岩本氏は昨年4月、至誠会の代表理事を解任され、同大は今年度から、子女枠の推薦入試に至誠会が関与しない仕組みに変更した。 

 

 

 文部科学省は02年10月の事務次官通知で、私大の入学に関して寄付金を収受することなどを禁止している。今回の問題は今年4月頃に把握し、同大に調査結果を報告するよう求めたという。 

 

 同大は取材に対し、「特定の個人に対し、寄付を求めた事実はなく、文部科学省の通知に違反しているとの認識もない」などと文書で回答した。 

 

 

 
 

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