( 186625 ) 2024/07/02 15:47:22 0 00 もともと安倍元首相からの禅譲を狙っていた
通常国会が会期を延長することなく閉幕し、世間は都知事選で騒がしい。が、7月7日の投開票が終われば、9月の自民党総裁選をめぐる駆け引きが激しくなっていくことだろう。低支持率にあえぐ岸田文雄首相が総裁選への不出馬を決断するのか、あるいは総裁選の前に起死回生の一手を打ってくるのか。
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実は現在取り沙汰されているサプライズが2つあるのだという。一体それは――。
「自民党の派閥の裏金問題が東京地検特捜部による捜査のターゲットとなった後、派閥の解消を打ち出したり、その件で国会の政倫審に自ら率先して出席することを明らかにしたり、首相自身、国民受けを狙ってサプライズの一手を繰り出してきました。が、国民受けすることなく内閣支持率は低調のままで、与党内への根回しを欠いた分だけその信頼を失うという悪循環に陥ってしまいました」
と、政治部デスク。
「それでも首相は政権運営を諦めておらず、国会会期末の段階にも新たな手を打つのではないかということで、私たちは警戒を強めてきました」(同)
大げさにも起死回生の一手と言われるその作戦は大きくは2つあるのだという。
「いずれも9月の総裁選を事実上、無風にするためのものです。総裁選は任期満了を迎えるため、来年10月までに行われる衆院選の顔を決めるものであり、低支持率にあえぐ岸田首相(総裁)のもとでは選挙を戦いたくないという与党議員がほとんどです。首相自身は総裁選を勝ち抜いて解散総選挙に打って出たいと考えてきましたが、与党内からの逆風についても強く意識しており、このまま総裁選に突っ込んでも自身の勝ち目はないかもしれないとの思いもあるようです」(同)
そのための1つ目の手が内閣改造・党幹部人事だ。それ自体はすでに取りざたされており、もはやサプライズでも何でもないのだが、中身次第ではインパクトを出せるということだろうか。
「主流派とか反主流派とかに関係なく総主流派体制と言いますか、人気や実力のある人たちを内閣や党幹部に取り込んで、総裁選を乗り切って解散総選挙になだれ込むというやり方です。“首相にしたい候補”で万年トップの石破茂元幹事長などを要職で起用することは実際に検討されているようです」(同)
ただ、岸田首相が人事に着手できる可能性は限りなく低いそうだ。
「人事を行うことで支持率がかなり回復する見込みがあれば実現する可能性もあるでしょうが、なかなか難しいだろうとの見方が優勢です。加えて先ほどお話ししたように与党内でも首相の仕事の進め方に対する疑問や不満が渦巻いており、人事に協力して政権の延命に手を貸そうという旧派閥のボスはなかなか見当たらないのが現状です」(同)
とはいえ、「岸田首相に代わる絶対的な本命候補」がいないのも事実。そこに首相は望みをかけているということのようだ。
では、もう1つの起死回生の一手とは何なのか?
「憲法改正ですね。首相は6月25日の党役員会で憲法改正について触れ、“先送りできない課題の最たるものだ。力を尽くしたい”と話しています。もともと、9月の総裁選前の改憲の発議を訴えてきただけに、憲法改正に前向きな勢力を集めて一気に動くという可能性もないわけではありません。限りなくゼロに近いですが、想像を超えるサプライズを演出してきた首相なら何をやってくるかわからないということで一応は警戒をしています」(同)
圧倒的な力を誇った安倍政権においても憲法改正には着手できなかった。死に体の岸田首相がこれを進められると考える人は少なかろう。それでも突き進めばサプライズというよりは“暴発”と受け止められるのは必至である。
デイリー新潮編集部
新潮社
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