( 187429 )  2024/07/04 16:38:17  
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最近、普通の住宅街でも高級SUV型の車種が目立つ現象が起きていますが、その背景には多くの人が自動車ローンを組んでいることが挙げられます。

高級SUVは新車で300万円台以上から始まり、オプションやグレードアップで価格が上昇します。

自動車を購入する際には、車両本体の購入費用以外にも保険や駐車場代、メンテナンス代などが追加でかかります。

そのため、一般家庭でも高級SUVを購入しやすくするために残価設定型クレジットなど、ローンを組む方法が利用されています。

しかし、残価設定型クレジットにはデメリットもあり、慎重に購入を考える必要があります。

(要約)

( 187431 )  2024/07/04 16:38:17  
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最近、家の近所で「ハリアー」や「CX-5」をよく見かけるのですが、高級車レベルの価格ですよね? わりと庶民的な住宅街なのですが、余裕のある人が多いのでしょうか…? 

 

筆者の住まいの近くを歩いていると、トヨタ「ハリアー」やマツダ「CX-5」など、いわゆる高級SUV型の車種をよく目にします。特に高級住宅街などではなく、普通の住宅街なのに、です。 

 

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タイムズなどの時間貸駐車場を運営しているパーク24株式会社のアンケートの調査結果では、「好きなクルマの種類は何か」という質問に対して20代から60代までの1位がいずれも「SUV」となっており、人気の高さが伺えます。 

 

しかし、いくら人気でも自動車は気軽に買える物ではありません。それでも街中に高級SUVが多く走っていると感じられる背景について、解説します。 

 

SUVの中でも人気の高いハリアーやCX-5ですが、どちらも公式サイトを見ると新車で300万円台以上のモデルがほとんどです。そこから高級モデルへのグレードアップやオプションをつけることで、価格は数百万円アップします。 

 

また、自動車を買う際には、車両本体の購入費用だけでなく、自動車保険や駐車場代、ガソリン代やメンテナンス代などの費用もかかってきます。 

 

国税庁が毎年調査する民間給与実態統計調査の令和4年の結果では、日本の給与所得者の平均給与は458万円でした。300万円台の車両費用+その他費用を出すことは、多くの人にとってかなり大きいものに見えますが、SUVの車種が多く走っているように思えるのはなぜでしょうか。 

 

高級SUVを一括で購入する金銭的余裕がある人は少ないのではないでしょうか。自動車を買う際には、ほとんどの購入者が自動車ローンを組みます。自動車ローンの中でも、SUVを買いたいけれどとにかく月々の支払いを抑えたいという人は「残価設定型クレジット(残クレ)」という選択肢を選んで購入することが可能です。 

 

■通常のローンに比べて月々の出費を半分程度に抑えることができる 

残価設定型クレジットとは、あらかじめ数年後の価格(残価)を設定し、本体価格からその残価を差し引いた金額に対してローンを組み、分割で支払う制度のことです。そのため、ローンの金額を低く設定することができます。 

 

例えば、ハリアーの車両本体価格が312万円、頭金50万円、支払い回数36回、ローン金利4.9%の場合、通常のローンだと月々の支払いは7万8640円です。 

 

これを残価設定型クレジットの残価率59%で組むと、月々の支払いは3万1700円となり、約半分の出費で同じ車種のハリアーを購入することができます。このような柔軟なローン設定が可能であることから、一般家庭でも高級SUVの購入に手が届くようになり、街中でこのような車種を多く目にすることにもつながっているのではないでしょうか。 

 

■残価設定型クレジットにはデメリットも 

月々の支払いを抑えられる点では非常に魅力的な残価設定型クレジットですが、デメリットもあります。残価設定型クレジットは、設定した数年がたち契約が満了すると、購入した車を残価で返却するか、残価で購入するか、新たな車へ乗り換えるかを選択します。 

 

しかし、走行距離の制限や車の状態に問題がないことを前提に設定しているため、設定時の走行距離を超えて走っている場合や、傷や故障がある場合には、契約時の想定どおりとはならず別途自己負担が発生します。 

 

購入している形にはなるのですが、最終的な判断(残価含めた支払い)をするまでは正式な自分の所有物ではないため、購入後も常に気を付けながら運転しなければなりません。 

 

 

街中で走っている高級SUVに乗っている人が、どのような購入形態でその車を購入したかは分かりません。ただ、自動車は高額な買い物です。人気だから、好きだからという理由で高級SUVなどを選び、月々の支払いを抑えられる残価設定型ローンを組むことは、後々に自分の首を絞めることにつながる可能性もあります。 

 

自身の家計状況と本当にその車種が必要なのかなど、慎重に考えたうえで購入を判断することをおすすめします。それが購入後の快適なカーライフにもつながるでしょう。 

 

出典 

パーク24株式会社 「クルマへの興味」に関するアンケート結果 

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告- 

トヨタ自動車株式会社 トヨタ ハリアー 

マツダ株式会社 MAZDA CX-5 

 

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

ファイナンシャルプランナー 

 

ファイナンシャルフィールド編集部 

 

 

 
 

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