( 187874 )  2024/07/06 00:40:22  
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東京都知事選挙では、蓮舫氏が石丸伸二氏に追い上げられており、最終盤では蓮舫氏の窮地が広がっている。

最終日に向けて各陣営が追い込みをかけており、選挙戦は白熱している。

蓮舫氏は子育て支援を訴え、演説では力強い姿勢を見せているが、石丸氏の支持拡大も目立っている。

立憲関係者やマスコミ関係者が蓮舫氏と石丸氏のデッドヒートを予想し、小池氏も焦りを見せる状況が続いている。

(要約)

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最終版まで白熱 

 

7月7日に投開票される東京都知事選の最終盤で蓮舫氏が窮地に立たされている。前安芸高田市長の石丸伸二氏が異様なほどの追い上げを見せ、逆転するかもしれないという観測が強まっているからだ。各陣営は最終日に向けて追い込みをかけている。 

 

〈画像で見るカオスすぎる都知事選〉“ほぼ全裸”のポスターを貼る元アイドルと、ビリビリ破かれたポスター、「ヘイ、ヘイ」と街宣車で回るつばさの党など 

 

「『プロジェクションマッピング綺麗でしょ』って知事は言います。2年間関連予算で48億円。本当にこれが必要なんだろうか。 

 

東京都で3人以上の子どもを育てている住民税非課税世帯、この人たちに月2万円の家賃補助をしたら1年間で必要な予算額は48億円です。どちらに使いますか。 

 

私は躊躇なく、迷うことなく、プロジェクションマッピングはもうやめて、困っている人たちの子育て支援の背中を押すことに使う決断をする」 

 

3日夕方、調布駅前広場で蓮舫氏が力強く訴えかけると、観衆からは拍手が巻き起こった。 

 

自身の子育てのエピソードを引き合いに出しながら少子化対策について訴える姿に、足を止める都民も多く見受けられる。 

 

また、盛り上がりを見せる演説会場には「R」というローマ字1文字が大きく書かれたTシャツを着ている人たちも目立っていた。 

 

立憲関係者は語る。 

 

「『R』というローマ字1文字を掲げるのは、蓮舫氏がこれまでの選挙戦でも展開してきた戦略の1つ。『蓮舫』と候補者の名前が書かれたTシャツを着てしまうと公職選挙法に引っかかってしまうので、その対策としてローマ字1文字を前面に出してきた。 

 

昔は『04』(レンフォー)という数字を使っていたときもあったが、今は『R』に統一している。ポケモンの『ロケット団みたいだ』なんて声をかけてもらえることもあって好評だ」 

 

選挙戦が終盤に入る中、蓮舫陣営の関係者は「演説では想像以上に聴衆が集まり、ビラも多くの人がもらってくれていて手応えを感じている」と自信を見せるが、一方でその背後では不穏な噂も飛び交っている。 

 

「石丸氏が支持を急伸させる中で、蓮舫氏は逆転され3位に沈むのではないか」 

 

永田町の政界関係者の間では、都知事選の中盤から終盤にかけて、そのような観測が日に日に強くなっている。 

 

ある大手マスコミ関係者は語る。 

 

「情勢調査や期日前投票の出口調査での石丸氏の伸びは目を見張るものがある。区によっては石丸氏が蓮舫氏どころか小池百合子氏を逆転しているところも見受けられるほど。 

 

東京全体で見たら小池氏のほうがまだまだ強いが、石丸氏が蓮舫氏を追い抜く可能性は高くなったのではないか」 

 

 

安芸高田市長として市議会やマスコミへの歯に衣着せぬ発言で、ネット上で人気となった石丸氏は、選挙戦では1日10ヶ所以上で街頭演説を繰り広げる時もあり、都内での知名度は日を追うごとに増している。 

 

ドトール創業者の鳥羽博道氏が後援会長として物心両面で応援に入る中、さらに陣営には数千人規模のボランティアが集まっており、国政政党からの支援を受けていないとは思えないほどの人海戦術でビラ配りなどの選挙活動を繰り広げているという。 

 

こうした状況に立憲議員は危機感を募らせる。 

 

「いつも応援してくれる支援者に蓮舫氏の支援をお願いしたところ、『今回は石丸氏の支援をするから無理』と複数から断られてしまった。話を聞くと、共産党が蓮舫氏を大々的に掲げて作ったビラが影響していたようだ。『ここまで共産色を出されると応援できない』と言われてしまった」 

 

共産党は選挙前に「蓮舫さんを都政へ押しあげ」と書いたビラを作成。「日本共産党も蓮舫さんを全力で応援します」と党名をアピールして支持を呼び掛けていた。 

 

それによって立憲支持層の中でも保守的な人たちの票が逃げてしまったとも言われている。 

 

別の立憲関係者は「今回、蓮舫氏は立憲民主党を離党して、幅広く支援を求めるという戦略を取ったが、一方で共産党が応援で前面に出るなどチグハグな対応になってしまった。 

 

共産色を強く出すのであれば、立憲の推薦候補として擁立して、立憲色を強めたほうがまだよかったのではないか」と嘆いた。 

 

永田町関係者は都知事選についてこう分析する。 

 

「もし石丸氏が出馬していなかったら、蓮舫氏には勝機があっただろう。小池氏VS蓮舫氏となれば、どうしても小池氏は自民党の応援を受ける中で、裏金問題などの逆風を受けざるを得なかったからだ。 

 

ただ、石丸氏が出馬したことによって、小池氏も蓮舫氏も自民党や民主党で活動してきた『旧来型の政治家』とみなされるようになってしまった。裏金問題に限らない今の政治への不信感を、蓮舫氏も逆風として受ける形になってしまったのだ」 

 

もともと蓮舫氏は都知事選の出馬会見で、小池氏について「自民党の延命に手を貸している」と指摘。 

 

政府与党と小池氏を一体として捉え、都知事選を国政の与野党対決に持ち込むことで、大逆風の岸田政権とともに小池都政を葬り去ろうとしたわけだが、その算段は石丸氏の出現によって大きく崩れ去ってしまったわけである。 

 

 

そうした中、蓮舫氏の支持を広げようと陣営の頼みの綱になっているのが野田佳彦元首相だ。立憲の中でも保守的な政治家として知られ、2011年の民主党代表選でおこなった「どじょう演説」など、名演説を繰り広げることで名高い。 

 

安倍晋三元首相が凶弾に倒れたことを受けて行われた追悼演説が話題になったことも記憶に新しいだろう。 

 

また、蓮舫氏は野田氏のグループ「花斉会」に所属していたため、野田氏とは政治家として盟友関係にある。 

 

こうしたことから、蓮舫陣営は最終日のマイク納めを新宿で行い、野田氏も並ぶ形で演説を締めくくる予定だ。 

 

立憲関係者は「少しでも保守層に支持を広げ、票を伸ばしていきたい。『2位じゃダメなんですか』で知られる蓮舫氏が3位に沈んだら目も当てられない。最終盤に向けて気を引き締めていく」と力を込めた。 

 

蓮舫氏と石丸氏がデッドヒートを繰り広げる中、小池氏も街頭演説を増やすなどここにきて焦りを見せており、決して安泰とは言い切れない情勢となっている。 

 

大手マスコミ関係者は「もしかすると出口調査で有意な差が出ず、20時当確が出せないかもしれない」と指摘する。 

 

かつてないほどに激しい選挙戦が繰り広げられる中、誰が都知事の座に就くのか。その行方は都民が投じる1票1票に託されている。 

 

取材・文/宮原健太 

集英社オンライン編集部ニュース班 

 

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