( 188316 )  2024/07/07 01:15:48  
00

御朱印を集めるブームがあり、最近ではアニメ風のキャラクターが描かれた御朱印や御朱印風スタンプなどが登場し、楽しむ方法が多様化している。

しかし、一部の人々はコラボ御朱印や限定の高額御朱印に疑問を持ち、お金を食事代に使う方が満足度が高いと感じるようになっている。

また、シンプルな御朱印では思い出が蘇らないと感じる人もいる。

御朱印集めにこだわりが薄れつつある中で、神社やお寺を訪れる際の思い出の残し方は人それぞれである。

(要約)

( 188318 )  2024/07/07 01:15:48  
00

神社やお寺で御朱印をいただく人は少なくない(写真:イメージマート) 

 

 お寺や神社を参拝した証としていただく「御朱印」。2000年代頃から御朱印集めがブームとなり、最近ではアニメ風キャラクターが描かれた御朱印や、観光スポットで配布される“御朱印風スタンプ”なども登場し、その楽しみ方は多様化している。一方で、かつては御朱印集めに躍起になっていたものの、気づいたら飽きてしまったという人も少なくないようだ。 

 

【写真】色とりどりで種類も豊富。Aさんが集めたさまざまな御朱印帳 

 

 都内に住む自営業のAさん(40代女性)は、国内旅行が趣味で、日本各地の寺社仏閣を巡っては御朱印を集めていた。しかし、ここ数年は御朱印を拝受する機会が減ったという。 

 

「もともとお寺や神社を巡るのは大好きだったんですが、御朱印は集めていませんでした。ただちょっとずつブームになってきたこともあって、記念にもなるし集めてみようかなという軽い気持ちで集め始めたんです。 

 

 でも、コラボの御朱印が増え始めた頃くらいから、個人的には集めるモチベーションが一気に下がってしまいました。お寺や神社を参拝するのが目的なのに、御朱印が目当てになってしまうのはちょっと違うかな……という感じです」 

 

 Aさんは、アニメキャラクターなどとのコラボ御朱印については、「否定派」だ。 

 

「そもそもアニメなどにあまり興味がなく、キャラクターが描かれた御朱印をもらっても、ありがたみがわからないどころか、逆に“本来のありがたみが減る”と感じてしまう部分もある。参拝客が増えるのはわかりますが、私には関係ない。御朱印を集めることよりも、参拝することこそが重要なので、“体験”を大切にするようにしています」(Aさん) 

 

 一般的に御朱印代は300~500円程度であることが多いが、限定のコラボ御朱印などの場合、1000~1500円程度することもある。そういった限定の御朱印に疑問を持つようになった人もいる。神奈川県の会社員・Bさん(30代女性)はこう話す。 

 

「限定モノの御朱印はデザインが凝ったものも多いし、たしかに集めるのは楽しい。でも、それが1000円、1500円とかするのは、ちょっと高いかなと思いますね。たとえば自分の“推し”のキャラクターの御朱印だったら、1000円でも高いとは思わないけど、そこまでこだわりがあるわけではない限定御朱印にはあまりお金をかけたくない。 

 

 最近は、御朱印はいただかずに、その分のお金をその土地での食事代に回しています。『ちょっと高いな』と思いながら御朱印をいただくよりも、おいしいものを食べたほうが満足度も高くなるかなという考えです」 

 

 

 もともとの御朱印は、大きく神社やお寺の名前が書かれているシンプルなもの。しかし、その“シンプルさ”ゆえに「思い出があまり蘇ってこない」と感じるケースもあるようだ。都内に住む会社員・Cさん(40代男性)が明かす。 

 

「妻と2人で国内を旅行するのが好きで、いろいろな神社やお寺を参拝しては、“そこに行った証”として御朱印を集めていました。でも、御朱印帳を見返して、どこに行ったかはわかるんですが、基本的にその神社やお寺の名前が書かれているだけで、似たりよったりといえば似たりよったり。どんな建物だったかとか、どんな風景だったかとか、そういった思い出があまり蘇ってこないんですよね」 

 

 御朱印ブームの影響もあり、Cさんはある種の“義務感”に駆られるように、ほぼ毎回御朱印を拝受していたという。 

 

「なんとなく『御朱印をもらわなければ』みたいな気持ちもあって、神社やお寺に行くたびにもらっていました。でも、いざ振り返ってみると、“御朱印をもらうこと”にこだわりはあったけど、“御朱印そのもの”には思い入れがないことに気づいたんです。思い出を残すなら、御朱印もいいんですが、写真を撮ったほうがいいですね。だからいまはもう御朱印集めはやめて、とにかくたくさん写真を撮るようにしています」(Cさん) 

 

 神社やお寺を参拝した証となるのは、御朱印だけではない。思い出の残し方は人それぞれだ。(了) 

 

 

 
 

IMAGE