( 192786 )  2024/07/20 02:35:15  
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夏の流行期に入った新型コロナウイルスが、新たな変異株「KP・3」が主流になりつつあり、特に高齢者に重症化する可能性があると指摘されている。

厚生労働省の発表では、入院者数が急増し、九州地方での感染拡大が目立っている。

感染者数が急増すれば、医療現場が逼迫する可能性もあるため、国の医療費補助などの対策が必要とされている。

(要約)

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東京・銀座では日傘を片手に歩く人の姿が目立った=18日午後、東京都中央区(三尾郁恵撮影) 

 

夏と冬に大きな流行を繰り返してきた新型コロナウイルスが夏の流行期に入った。人の往来が増える夏本番を前に、昨年から今冬の第10波に続く第11波が始まり、新たな変異株「KP・3」が世界的に感染の主流へと置き換わっている。 

 

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■感染力強いKP・3が世界的流行 

 

KP・3は、冬に流行したオミクロン株の変異株「JN・1」から派生したウイルス。東京大の研究チームは、KP・3はJN・1に比べて感染力はやや強いとするデータを発表している。 

 

感染症に詳しい東京医科大の濱田篤郎客員教授は「KP・3はコロナへの感染やワクチンで獲得した免疫を回避しやすい特徴があるが、重症化など大きな変化はみられない」と指摘する。 

 

現在、KP・3が世界的に流行し、特に欧米など北半球でも同時期に新型コロナの夏の流行が起きている。世界保健機関(WHO)は特性に大きな変化は見られないとの見解を示しつつ、動向を注視している。 

 

一方、厚労省が発表した定点医療機関の新規入院患者数は急増している。14日までの1週間の入院者数は3081人で、前週も2357人と約3カ月ぶりに2千人を超えた。 

 

濱田氏は「高齢者の入院者が増えており、高齢者はKP・3でもある程度重症化することがわかる。特に高齢者は十分な対策をとり、感染が疑われる場合にはすぐ医療機関に行く必要がある」と呼び掛ける。 

 

■九州で拡大、梅雨明け関係か 

 

都道府県別では、九州地方で感染の広がりが目立つ。濱田氏は「梅雨が早く明けたことも関係している可能性がある」とし、お盆にかけて梅雨が明けた地域でも感染が広がる可能性を指摘する。 

 

昨年5月に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、今年3月末で治療薬の公費負担などの支援策が終了したことで、患者の経済的負担や受診控えなどの影響が懸念されている。 

 

濱田氏は「受診控えの影響は確かにある。今年は医療費がかかる点で昨年夏と異なり、感染者数は増える可能性もある」とし、「今後、感染者数が急増し、医療現場が逼迫する事態になった場合、国による医療費の補助などの対応が必要になるのではないか」と話している。(王美慧) 

 

 

 
 

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