( 193276 )  2024/07/21 17:06:01  
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アレクサンドル三世橋に仮設観客席が設営され、パリ五輪が近づく中、日本国内では観戦ツアーが大詰めを迎えている。

円安とセット販売の導入により、旅費が高騰し、売り切れが相次いでいる。

旅行代理店関係者はセット販売の難しさを指摘。

IOCはチケット販売の仕組みを変更し、個人客と代理店の取り扱いを変えた。

円相場の影響や高額な料金などにもかかわらず、五輪への関心が高い様子。

(要約)

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セーヌ川に架かるアレクサンドル三世橋では仮設観客席の設営が進められている=17日午後、パリ(松井英幸撮影) 

 

パリ五輪開幕を26日に控え、日本国内で観戦ツアーの販売が大詰めを迎えている。歴史的な円安に加え、旅行代理店の商品が競技観戦だけでなく会場での飲食サービスなどと「セット販売」になり、12年前のロンドン五輪に比べて旅費が2倍に高騰。それでも売り切れが続出し、五輪への期待の高さをうかがわせる。 

 

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旅行代理店関係者はパリ五輪観戦ツアーのルール変更について「決してマーケティング的に成功したとは言い難い」と苦言を呈した。高額なセット販売を強いられた結果、団体旅行客は参加人員を減らしたり滞在期間を短くしたりするなど節約に走り、個人客はチケットを自ら確保しホテルや航空券を手配する代理店離れが起きたためだ。 

 

国際オリンピック委員会(IOC)は今回、大会運営の簡素化を狙いチケット販売の仕組みを変更。個人客は専用サイトでチケットを買えるようになった一方、代理店経由のツアーは米企業「オンロケーション」社に2028年ロサンゼルス五輪まで夏冬3大会、全世界の販売権を付与した。 

 

代理店はオンロケーション社からチケットを仕入れてツアーを組まねばならなくなった上、会場での飲食など「ホスピタリティ」料金が付加されて価格が高止まりした。 

 

ただでさえ、円相場は今月3日に一時1ドル=161円94銭と37年半ぶりの円安ドル高水準を更新し、円換算の価格を引き上げている。東武トップツアーズによると五輪観戦ツアーの平均単価(現地4泊と3競技観戦)は1ドル=78円台前半(8月1日時点)だった2012年のロンドン五輪が70万円なのに比べ、パリ五輪は140万円に上る。 

 

それでも同社の商品は陸上競技を中心に人気を博して完売し、7月10日に販売を終了。担当者は「高額であっても五輪を見たいという人の根強い人気を感じた」と話す。 

 

JTBは開会式のほか体操や柔道など5競技の観戦チケットと宿泊をセットにした6泊7日のツアーを販売。五つ星ホテルプランは航空券を含まず1人約410万円、四つ星は約240万円といずれも高額だが、完売した。四つ星の抽選倍率は8・5倍に達した。担当者は「すぐに設定数を上回った。五輪への関心は非常に高い」と語った。(田村慶子、織田淳嗣) 

 

 

 
 

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