( 193896 )  2024/07/23 15:44:29  
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安芸高田市の元市長の石丸伸二氏が、自身を支持する市民を取り込んでおり、市政関係者に不利な情報を広めるなど問題がある。

疑惑の損害賠償訴訟や議員への嫌がらせなどが起こり、支持者は裁判の意味を理解しない。

地元での評判も賛否両論で、石丸氏を支持するメディアにも疑問の声が上がっている。

(要約)

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photo by gettyimages 

 

「彼は市長という権力を使って、なかったことをあったことにする」 

 

そう口にしたのは、かつて広島県安芸高田市の石丸伸二元市長(41歳)と対立していた市政関係者だ。 

 

【一覧】「次の総選挙」で落選する裏ガネ議員の全実名はこちら…! 

 

東京都知事選挙の得票数で2位に躍進し、時代の寵児となった石丸氏。 

 

メディアに登場しては過激とも受け取れる発言を繰り返し、何かと世間を騒がせている石丸氏だが、学生時代を知る人々の多くは、彼を「地味な子どもだった」と評していたのは、前回の記事『「おとなしく地味で目立たない」…石丸伸二氏の地元住民が語る学生時代の「意外な過去」』の通り。 

 

一方で、関連記事『「都知事選で2位」の石丸伸二氏が出馬した「本当の理由」…安芸高田市長時代に残していた「4つのフェイク」』のように、市長としての実績について疑問視する指摘もある。 

 

安芸高田市の市政関係者に話を聞いた。 

 

「自分では責任を取らない、他責思考の人だと思います。そして、自分の嘘をもとにそれを拡散していく人間でもある。非常にタチが悪いです」 

 

この市政関係者が指摘する「自分の嘘」とは、安芸高田市の山根温子市議(68歳)が起こした損害賠償訴訟についてである。当時安芸高田市長だった石丸氏が「山根市議から恫喝を受けた」と主張したことが発端となり、山根氏が安芸高田市と石丸氏を相手取り、名誉毀損による裁判を行っていた。 

 

「一審では山根氏の主張が認められ、市が33万円の賠償を命じられました。7月3日の控訴審判決でも一審判決が支持される形となりました。判決を不服として、市側の補助参加人だった石丸氏はすでに最高裁に上告しています」(市政担当記者) 

 

山根氏による恫喝発言は「なかった」と認定した広島高裁。しかし、「それを捻じ曲げようとするのが石丸氏だ」と前出の市政関係者は話す。 

 

「裁判で敗訴しようが、彼は自分のYouTubeなどを使い“石丸信者”を取り込みます。彼を支援している人たちは、裁判で敗訴しても敗訴だとは思わないどころか、裁判の意味を解ろうともしません。だって、石丸氏本人がそうですからね。支援者は、本人の言うことしか信じようとしていないから厄介なのです」 

 

 

事実、恫喝騒動に巻き込まれる形となった山根氏のもとには、石丸支援者からの誹謗中傷メールや嫌がらせの電話が相次いだという。 

 

「石丸氏に『居眠り議員』と糾弾されメディアにも大きく取り上げられた武岡隆文さんに関しては、自宅に誹謗中傷の電話がたくさんかかってきただけでなく、荷物の送り付けなどもあったと聞いています。相当参っていたようで、体調もどんどん悪くなり、行事などを欠席することもあったといいます。 

 

しかし、あるとき石丸氏が、武岡さんが地域懇談会を欠席したことに対して言及しました。それを相当プレッシャーに感じたのか、武岡さんは体調不良にもかかわらず仕事を続けようとした。結局、昨年末から急激に悪化し、今年1月に亡くなってしまったのです。 

 

石丸氏寄りの議員が目を瞑って居眠りしているように見えても、彼は何も言いません。ですが、彼の市政に反対意見を持つ人には『居眠りだ』と指摘する。議場で言うのでみんなにも聞こえるし、一般質問の際はメディアも入るので、マスコミを利用して嘘を本当にするというやり方だと感じていました。 

 

市長という権力を使い、なかったことをあったことにする。嘘を真実かのように主張し、みんなが信じるものに作り上げていく。それによって傷ついた議員は少なくありません」(前出の市政関係者) 

 

Photo by gettyimages 

 

別の市政関係者は、いまの石丸フィーバーに警鐘を鳴らす。 

 

「彼が市長に当選したとき、多くの地元民は歓迎していたし、期待していました。しかし、蓋を開けてみたらどうでしょうか。自分が敵とみなした人間は徹底的に叩くという手口が露わになった。今回の都知事選では、160万の人が彼を支持しましたが、安芸高田で何が起きていたのかしっかりと知ってほしいです。今回は当選しませんでしたが、もし都知事になっていたら……首都・東京も同じ目に遭っていたんじゃないかとゾッとします。 

 

彼と意見が対立したことで傷つけられた人はたくさんいます。そうした石丸氏を、古い政治体質を変えようとするヒーローであるのように持ち上げたメディアも問題だと私は思います」 

 

市政関係者の間以外でも、石丸氏を批判する人も少なくなかった。古くから安芸高田市に住む男性(70代)は、市長時代の手腕についてこう疑問を呈する。 

 

「彼はコストカッターなだけで、持続可能な政策をやっているわけではなかった。地元民の中には『パフォーマンスだけで市は何も変わっていない』『期待外れだった』と言う人が大勢いる。居眠り議員への指摘など、パフォーマンスが目立っていたよね。 

 

話題になることばかりやる……目立つことしか考えていないとか若さと口だけだとか、いろいろな意見があった。ハッタリだけで通用するほど、東京は甘くないだろ? 逃げ出してこっちに戻ってくるだろうという意見も多いよ」 

 

東京都民160万人の支持を受けた石丸氏は7月16日、自身のyoutubeで「実家の住所が明記された上で自身および家族が殺害、放火といった内容の殺害予告が届いた」と発表している。 

 

いっぽうで、石丸氏が市長だった当時、対立していた議員たちの元にもいわゆる「石丸信者」による嫌がらせ行為が存在しており、同市における対立や分断の根深さを感じざるをえない。 

 

……・・ 

 

【さらに詳しく】『「都知事選で2位」の石丸伸二氏が出馬した「本当の理由」…安芸高田市長時代に残していた「4つのフェイク」』 

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) 

 

 

 
 

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