( 195939 ) 2024/07/29 15:17:36 0 00 前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏
東京都知事選で約165万票を獲得して2位に入った前広島県安芸高田市長・石丸伸二氏(41)のメディア露出が続いている。さまざまな評価があるようだが、最大の注目である今後の政界進出について、永田町の面々はどう見ているのだろうか。県幹部による告発文書問題に揺れ、「おねだり」「パワハラ」などといった言葉と共に報じられている兵庫県知事の斎藤元彦氏にも触れながら、展開してみよう。
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石丸氏は選挙後、「サンデージャポン」(TBS)、「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)など、多くの情報番組に出演。そこでの一挙手一投足もネットメディアで報じられ、「時の人」となっている。
自身のYouTubeチャンネルでも生配信に登場。7月16日にはこんな発言をしている。少し長いが紹介してみよう。
《僕が都知事選出るとなったらどうなると思います? ダークホース的な扱い? いや本命でしょ。自分で言うのは恥ずかしいけど。しかし4年たった時、45歳。大本命じゃない》
発言はこう続く。
《普通に客観的に言ってですよ。メディアは扱わざるを得ないんですよ。でしょ? ここから知名度とか上げるのは必要なくて。むしろ逆なんですよ。放っとけば、自分がもてはやされるんですよ。この行列に並んでいると。ターンが来る》
《4年たちました。何て書くのかな、メディアは。雪辱なるかって書くのかな。リベンジとか言葉が踊るわけですよ》
そして、選挙特番での噛み合わないやりとりなどが話題になった日テレ、TBS、テレ朝を例にあげ、
《絶対取材受けませんからと宣言する。困るでしょ。どうします? その時の偉い人。考えてなかったでしょ? ものすごいカウンターが来るでしょ。そのカウンターを予見してないのがおごりなんですよ》
一連の発言について、中央政界はどのように受け止めているのか。
「与野党の政治家や官僚とのやり取りの中では結構、話題にのぼりますね。気になって仕方ないというよりはむしろ、情報が流れてくるので目や耳に入ってくるから認識しているといった印象でした」
と、政治部デスク。
「みなさんに“どう思いますか?”と同じ質問をしています。答えを総括すると、“知名度をキープできている可能性があり、都知事選などにチャレンジして当選することもあり得るが、その後に支持・支援の輪が広がるには課題が多すぎる”といったところでしょうか。“4年後は本命候補発言がダサい”“絶対に飽きられる”などの辛辣な声もありました」(同)
石丸氏自身はどう見られているのか。
「自分にスポットライトが当たることに気持ちよさを感じているのではといった反応が多かったです。メディアや聞き手ごとに対応や答え方がかなり違っているのも計算のうえと見られている様子。ただ、政策についての勉強不足は否めず、“ボロが出るからやめた方がいい”との指摘もありました」(同)
「ビートたけしのTVタックル」出演時には、国政進出時にやりたいことを問われ、社会保障制度改革と答えていた。
「“国政に関わる者にとってはずっと懸案なのですから、何なら小学生でもそう言いますよ(笑)”との声が。まぁテレビで無理に言わされた面もなくはないのでかわいそうなところもあるのでしょうけれど」
主として「石丸人気」を支えているのは既存政党・メディアに不信感を抱く人たちだろう。
「既存政党への不信感についての危機感は共通してあるようでした。随分前から言われてきたのに何となくスルーを決め込んだツケが回ってきているのかもしれません。その中で、メディアを出禁にするみたいな発言(7月16日の配信)は“後で自分に返ってくる可能性が高いのでできれば避けたほうが良い”との意見がほとんどでしたね」(同)
支持政党なしの人や無党派層が最大勢力となって結構な時間が経過した。
「既存政党への深い失望はもちろん、その時々のブームに乗りたい・影響されたい有権者が多くなっているのは間違いない。結果的にちょっとした人気者やインフルエンサーがこれまで以上に当選しやすくなっていて、それが国政選挙なら当選者は“ワンオブゼム”なのでそこまでの影響力を行使できませんが、都道府県の首長選となるとそれに止まらない。着任後に選挙前とはまるで違う本性を見せて“君子豹変す”ることも十分想定され、そのあたりを危惧している人もいましたね」(同)
県幹部による告発文書問題に揺れ、「おねだり」「パワハラ」などといった言葉と共に報じられている兵庫県知事の斎藤元彦氏。県幹部2人が死亡していることが明らかになっているが、斎藤知事についても、前任知事時代の副知事らを破った2021年の選挙時と現在とでは県民の受け止めはかなり変化があったことは否めない。それを踏まえれば「都道府県の首長選」の怖さや本質を示している一例と言えるのかもしれない。
話を石丸氏に戻してまとめると、彼自身への脅威は国政的にはほぼないが、石丸的インフルエンサー人気で首長選に少し波風が立つかもしれない……という受け止めが永田町関係者では多いというところのようだ。そんな既存の政治家たちが「そういう見方があなたたちの“おごり”だったんですよ」と石丸氏に言われる事態が来るかどうか。
デイリー新潮編集部
新潮社
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