( 196502 )  2024/07/31 00:22:14  
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若い女性を中心に広まっている梅毒の問題について、特に20代女性に増加していることが報告されている。

梅毒は初期症状が気付きにくく、20代は新しい恋愛や性的活動が活発な時期であり感染リスクが高まる。

梅毒は妊娠中の妊婦や胎児に大きな影響を及ぼす可能性があり、早期の発見と治療が重要とされている。

梅毒は早期治療すれば完治可能だが、見逃すリスクも高い。

定期的な検査や症状があれば迷わず医療機関を受診することが大切だ。

(要約)

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FNNプライムオンライン 

 

静かに、しかし確実に広がる影。それは、かつて「過去の病」と思われていた梅毒の再来である。国立感染症研究所によると年代別では特に20代女性で全国的に急増していて、長崎でも20~30代の若い女性たちの間で割合が高くなっている。なぜ、若い女性たちがこの古くて新しい病に脅かされているのか。そして、この感染拡大が社会にもたらす影響とは。 

 

【画像を見る】手や足にピンク色の発疹!それはもしかすると「梅毒」かも 

 

長崎県では、2024年7月4日現在、すでに60件の梅毒患者が報告されている。2023年の過去最多147件に迫るペースだ。中でも注目すべきは梅毒感染が20代女性に増えている点だ。そこには複合的な要因が絡み合っていて、その中心にあるのは「見えない」という梅毒の特性だ。 

 

初期の梅毒症状は、気づかないうちに消えてしまうことがあり、特に、性器や口腔内に現れる無痛性のしこりは、痛みがないため見過ごされやすいという。さらに20代という年齢層特有の要因も無視できない。この時期は、新しい恋愛関係や性的パートナーとの出会いが多く、性的活動が活発になる。そして、デートアプリの普及により、匿名性の高い環境でのパートナー選びが容易になった。これらの社会的変化が、感染リスクを高めている可能性がある。 

 

梅毒の症状は、その進行段階によって大きく異なる。初期段階では、感染部位に無痛性のしこりが現れるが、これは数週間で自然に消えることがある。 

 

次の段階では、全身にピンク色の発疹が現れる。特に手のひらや足の裏に出やすいのが特徴だ。しかし、ここで油断してはいけない。症状が一時的に消える潜伏期に入ると、外見上は健康そのものに見える。だが、体内では梅毒菌が静かに活動を続けているのだ。 

 

各保健所は定期的な検査を呼び掛けていて、新しいパートナーができた時や、妊娠を考えている時は必ず検査を受けてほしいとしている。 

 

梅毒が最も恐ろしい影響を及ぼすのは、妊婦とその胎児である。妊婦が梅毒に感染すると、流産、早産、死産のリスクが高まる。さらに、胎児に感染すると、先天性梅毒として様々な障害をもたらす可能性がある。国立感染症研究所によると、先天性梅毒の赤ちゃんは、難聴、失明、知的障害など、様々な問題を抱える可能性があるという。しかし、妊娠初期に適切な治療を行えば、これらのリスクを大幅に減らすことができるため早期発見・早期治療が、母子の健康を守る鍵となる。妊娠を考えている女性、そして妊婦は、定期的な検査を受けることが極めて重要だ。 

 

梅毒は、早期に発見し適切な治療を行えば完治が可能な病気である。しかし、その「見えない」特性ゆえに、多くの人々、特に若い女性たちを脅かしている。正しい知識を持ち、定期的な検査を受けること。そして、疑わしい症状があれば躊躇(ちゅうちょ)せずに医療機関を受診すること。これらの行動が、自分自身と大切な人々を守る最大の防御となるのだ。 

 

梅毒という古くて新しい脅威に、私たちはどう立ち向かっていくべきか。その答えは、一人一人の意識と行動にかかっている。 

 

(テレビ長崎) 

 

テレビ長崎 

 

 

 
 

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