( 197674 ) 2024/08/02 18:31:31 0 00 柔道女子78kg級の準々決勝で高山莉加が世界選手権女王のアナマリア・ワグナーに不可解な反則負け(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
パリ五輪の柔道競技で、またしても日本が不可解な判定に泣かされた。1日にシャンドマルス・アリーナで行われた女子78kg級の準々決勝で、高山莉加(29、三井住友海上)が3分26秒にビデオ判定の末に3つ目の指導を受けて、世界選手権女王のアナマリア・ワグナー(28、ドイツ)に反則負けを喫した。敗者復活戦から勝ち上がったが、3位決定戦で敗れて銅メダルも獲得できなかった。五輪公式サイトで「不明」と表示された指導の理由をめぐり、X(旧ツイッター)上では大会初日からの微妙な判定を含めて、審判への批判が飛び交う事態が生じている。
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パリ五輪の公式サイト上には、異例ともいえる言葉が綴られていた。 <Undetermined> 29歳にして初めて五輪に臨んだ高山が、今年5月の世界選手権を制したワグナーに敗れた女子78kg級の準々決勝。3つ目の指導を受けた末に反則負けを喫したなかで、公式サイトでは、最後の指導の理由が「Undetermined」とあり「不明」と和訳されていた。正確には「未確定」の意味。公式サイトの運営側の不備かもしれないが、これをそのまま受けとれば、理由が「未確定」「不明」の指導で高山は、悲願の金メダルへの道を断たれたことになる。 2回戦から登場した高山は、イリスホン・クルバンバエワ(22、ウズベキスタン)を上四方固めに抑えて開始わずか48秒で一本勝ち。快調なスタートを切ったが、続く準々決勝の開始15秒にワグナーとともに最初の指導を受けた。 序盤から気迫を前面に押し出してくるワグナーに対して、高山はなかなか突破口を見つけられない。これが消極的な試合運びと映ったのか。2分3秒には高山が2つ目の指導を受けて、あとひとつの指導で反則負けとなる苦境に追い込まれた。 迎えた3分26秒に、賛否両論がわかれるジャッジがくだされた。 上背でまさるワグナーに右手で奥襟をつかまれ、頭を下げさせられた高山が必死に抜け出した直後だった。審判が試合を止め、ビデオ判定が始まった。20秒を超えるチェックが行われた末に、高山に3つ目の指導が与えられた。 高山が首を抜いた行為が指導の対象となった。国際柔道連盟(IJF)の試合審判規定には、いわゆる「首抜き」に関して次のように記されている。 <組んでいる腕の下から相手が頭を故意に抜くことによって「標準的」でない組み方となった場合、首を抜いた試合者が直ちに攻撃を施さなければ「指導」が与えられる> 映像を見返してみると、確かに高山は「直ちに」には攻撃を仕掛けようとしていない。それでも納得がいかなかったのだろう。悔しさと驚きが入りまじった表情を浮かべながら審判のコールを聞いた高山は、しばらくは呆然と立ち尽くしてしまう。審判に両手をそろえるように促されて、ようやく礼をして青畳から降りた。 高山によれば、ワグナーに負けた直後に所属する三井住友海上の監督で、アテネ、北京両五輪の70kg級を制した上野雅恵さん(45)から電話がかかってきたという。 「負けた後に監督から『まだ誰もあきらめていないし、一緒に戦っているから』と連絡をもらって、そこで一人じゃないとわかって、みんなを信じて戦おうと思いました」 しかし、自らを奮い立たせて敗者復活戦を勝ち進んだ高山は、銅メダルがかかった3位決定戦の3分5秒に、パトリシア・サンパイオ(25、ポルトガル)に合わせ技一本で敗れてしまう。これまで五輪だけでなく、世界選手権にも無縁だった遅咲きの29歳は、5位に終わった初めての大舞台をこんな言葉で振り返っている。 「最後は銅メダルを目指して頑張りましたけど、やはりオリンピックはそんなに甘いものじゃないと思いました。それでも、支えてくださった方々には本当に感謝しています」
今大会の柔道競技は、不可解なジャッジが続いていた。 初日の男子60kg級で永山竜樹(28、SBC湘南美容クリニック)が敗れた準々決勝では、女性審判のエリザベス・ゴンザレス氏(37)が「待て」をかけた後もフランシスコ・ガリゴス(29、スペイン)が締め続け、失神した永山が「片手締め」による一本負けを宣告される展開が世界中で賛否両論を招いた。 男子73kg級の橋本壮市(32、パーク24)が3つの指導で反則負けした準々決勝や、女子63kg級で積極的に攻め続けた高市未来(30、コマツ)が延長戦で指導を取られた2回戦、さらに男子90kg級で村尾三四郎(23、JESグループ)が放った、技ありに見えた内股が認められずに敗れた決勝など、物議を醸す判定が相次いだ。 さらに高山も、五輪公式サイト上で「不明」とされる指導を受けて敗れた。X(旧ツイッター)上には、審判を非難するコメントが飛び交う事態が生じている。 「この判定、オリンピックだけ? 他の国際大会でもこうなの?」 「納得いかない場面も多いし、もっと日本は抗議するべきだと思う」 「柔道の審判団は、公平に審判する気がさらさらないんだろうね」 「日本は国際柔道連盟を脱退して本来の柔道を守るべき。五輪も今回が最後だ。二度とこんなもん見たく無い」 もちろん「首抜き」のルールを理解しているファンから「これは普通に反則負け」や、あるいは「何でもかんでも誤審と言い過ぎ」といった意見も寄せられている。それでも初日から柔道で不可解なジャッジが相次ぎ、お家芸のはずの日本勢が泣かされる場面が目立つ今大会で、応援しているファンの怒りや苛立ちはピークに達している。
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