( 200387 )  2024/08/10 16:57:39  
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アルジェリアの女子ボクサー、イマネ・ヘリフがイベントで金メダルを獲得し、嬉しさを表現しました。

性別をめぐる問題にも直面しましたが、自分の夢を実現したことに喜びを感じています。

彼女はリング上でポーズを決め、大歓声が上がりました。

(要約)

( 200389 )  2024/08/10 16:57:40  
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ボクシング女子66キロ級決勝、イマネ・ヘリフ対楊柳 判定勝ちで金メダルを決めたヘリフはポーズを決める(撮影・垰建太) 

 

<パリオリンピック(五輪):ボクシング>◇9日(日本時間10日)◇女子66キロ級◇決勝◇ローランギャロス 

 

【写真】世界女王を圧倒する、強烈なパンチを放つイマネ・ヘリフ 

 

 【パリ=木下淳】性別を巡る騒動渦中のボクシング女子選手、イマネ・ヘリフ(25=アルジェリア)が金メダルを獲得した。決勝で昨年の世界選手権女王、中国の32歳、楊柳(ヤン・リウ)を圧倒。5-0の判定勝ちで頂点に立った。 

 

 優勝が決まると、リング上で敬礼ポーズをして勝ち名乗りを受け、コーチに肩車されて場内をウイニングランした。 

 

 前回21年の東京五輪にも出場したが、準々決勝で敗退していたヘリフは、優勝後の記者会見で「8年間、私の夢でした。今、私はオリンピックチャンピオンであり、金メダリストです。全てのアルジェリアの方たちに、全てのアラブの国々に感謝したい」と喜びを語った。 

 

 性別を巡る場外の過熱ぶりには、女性として生まれたことを強調し「私への攻撃があったからこそ、この成功は特別なものになった」と自負を込めた。判定後のリング上では、相手の楊から笑顔でたたえられる場面もあった。 

 

 ともに178センチの長身。体格は同じだが、試合はヘリフが序盤からポイントを重ねる。1回、2回ともに5人の審判全員が10-9でヘリフを優勢と判定。3回も、少々の被弾こそ合ったものの全員が10-9の圧勝劇を演じた。 

 

 準決勝でタイ選手を破った後は「金メダルを目指したい。私の才能を披露したい。実際、私には才能がある」などと、世界各国からペンだけで150人前後の記者が殺到した取材エリアで語っていた。 

 

 会場は、テニス全仏オープンが行われるスタッド・ローランギャロスの特設リング。アルジェリア国旗を掲げた観客で満員となり、ヘリフの判定勝ちがアナウンスされると、大歓声に包まれた。応援も、大半がヘリフに向けられたものだった。 

 

 発端は23年に開かれた世界選手権。主催する国際ボクシング協会(IBA)による「詳細不明の性」に関する検査で、ヘリフは「失格」とされた。女子57キロ級の林郁■(リン・ユーティン=台湾)も同様の理由で失格となった。 

 

 今大会の2回戦では、相手のアンジェラ・カリニ(イタリア)と対戦。圧倒的な力の差を感じたのか、開始46秒で棄権された。BBCスポーツによると「鼻に強い痛みを感じた。自分の命も守らなければならなかった」。世界的なスポーツの祭典で話したことで、注目され、大きな騒動に発展した。 

 

 準決勝の後、性別に関する指摘や誹謗(ひぼう)中傷について問われると「気にしていない。論争の中で何かを言われることを私は求めていない。相手と同じレベルで競技し、同じ人間性を見せることを目指している」と語っていた。 

 

 問題を巡っては、IBAのクレムレフ会長(ロシア)が前日5日にオンラインで会見し、ヘリフと林のテストステロン値が男性並みに高いとして「男性」と断言。昨年の世界選手権での性別適格検査で不合格とした理由を強調した。 

 

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「女性として生まれ育ち、パスポートも女性と記されている」と反論していた。 

 

 ヘリフは五輪制覇後、IBAに言及。「彼らは私を憎んでいるようだけど、この金メダルで1つのメッセージは出せた」と痛快に言い放った。 

 

 林も決勝に進んでおり、翌10日(日本時間11日)に金メダルを懸けてリングへ上がる。 

 

 ※■は女ヘンに亭 

 

 

 
 

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