( 200487 )  2024/08/11 00:58:05  
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福岡市では、ドライアイス不足により持ち帰り用のアイスを購入できない状況が起こっている。

大手のB―Rサーティワンアイスクリームは7月下旬からドライアイスの提供を制限し、30分持ち運び分のみに制限している。

メーカーからの出荷制限や原料不足などが理由で、ドライアイス不足が続いている。

業界では十年ほどドライアイス不足が続いており、需要の拡大や価格上昇も問題となっている。

二酸化炭素削減による産業構造の変化が影響しているとされ、将来的にも影響が続く可能性がある。

(要約)

( 200489 )  2024/08/11 00:58:05  
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持ち帰り用のアイスを冷やすドライアイス=福岡市早良区で2024年8月9日午後3時50分、久野洋撮影 

 

 連日の暑さでアイスが欲しくなる気候が続くが、ドライアイス不足で、持ち帰りのアイスが買えない事態が起こっている。7月下旬から大手のB―Rサーティワンアイスクリームがドライアイスの提供を制限し、SNS(ネット交流サービス)などに困惑の声があふれている。 

 

【写真で見る】「ドライアイスは『30分まで』のみ」 サーティワンアイスクリームのHP 

 

 「持ち帰り用のアイスが買えず、仕方なくその場で食べた」 

 

 福岡市の商業施設内にあるサーティワンを訪れた親子から、そんな声が聞かれた。サーティワンは7月24日以降、ドライアイスの提供を30分持ち運び分のみに制限し、店頭からなくなる場合もあると説明している。X(ツイッター)上には「ドライアイスが切れて持ち帰りを買えない」「30分でどうやって家まで持ち帰ればいいのか」といった投稿が続いた。 

 

 サーティワンによると、ドライアイスを仕入れるメーカーから、原料不足や工場の不具合を理由に、50%の出荷制限を通達されたという。メーカーの不具合解消や、他社からの調達を急いでおり、サーティワンは「お客様にご迷惑をおかけして申し訳ない。8月中旬までにドライアイスの制限解除をしたい」と見通しを語る。 

 

 どうして制限することになったのか。 

 

 ドライアイスの原料は石油精製などをする化学工場の副産物である二酸化炭素だ。電気自動車の普及などでガソリン需要が減り、石油精製工場の閉鎖や縮小が相次ぎ、ドライアイスの生産も不安定になっているという。 

 

 ドライアイスの販売会社でつくる業界団体は「ここ10年ほどドライアイスが不足している状況が続いている。どこかの会社で生産の不具合が起きても、他のメーカーは増産できない状況」(担当者)と話す。 

 

 このような状況もあり、ドライアイスの価格上昇が続く。さらに、ネット通販の利用が増えたことで需要が拡大。過去にも食品宅配会社などでドライアイス不足が問題化するなど「毎年のようにどこかで問題が起きている」と指摘する。 

 

 二酸化炭素削減に向けた社会の変化で、意外なところに影響が出ている。8月中旬に制限が解除されても、ドライアイスが原料不足となりやすい産業構造が変わることは難しい。今後も暮らしへの影響が続く可能性がある。【久野洋】 

 

 

 
 

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