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大阪・関西万博のシンボルである木造巨大屋根「リング」が完成間近で、関係者はウキウキしているが、建築家や専門家からは「パクリ疑惑」が持ち上がっている。

万博リングのデザインや木組みの特徴について、他の建築物との類似性や伝統工法をめぐる疑問が提起されている。

吉村知事が愛称を公募する中、リングに対する疑念や批判が広がっており、問題となっている。

(要約)

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一つの円環としてつながったシンボルの木造巨大屋根「リング」/(C)共同通信社 

 

 来年4月開幕の大阪・関西万博のシンボルである「大屋根」(リング)に、大阪の吉村洋文府知事もウキウキだ。リングは外周2キロを誇る世界最大の木造建築物。完成は来年2月の予定だ。 

 

【写真】「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」 

 

 床や手すりの取り付け工事が終わり、リング外周がつながった21日、吉村知事は定例会見で「リングの愛称を公募すべきだと思う」「僕も応募しようかな」とハシャいでいた。しかし、リングにまつわる“パクリ疑惑”を知っているのだろうか。 

 

「万博リングはパクリでは?」との疑問を投げかけ続けているのが、建築家の山口隆氏だ。ちなみに、万博の「シニアアドバイザー」を務める建築家・安藤忠雄氏の弟子にあたる。 

 

 山口氏は20日に都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉に出席。万博誘致の段階では計画になかった万博リングが設置された理由について、会場の夢洲が軟弱地盤であることに言及しつつ、「軽い建物しかつくれない。いわゆる掘っ立て小屋がずらっと並ぶわけですから、(万博を印象付けるために)このリングが出てきたのではないかなと思っています」と自説を述べた。 

 

英建築家ノーマン・フォスター氏がデザインした米アップル本社(C)Daniel L. Lu 

 

 さらに、山口氏は「パクリの話とちょっとつなげますけれども」と前置きして、イギリスの建築家ノーマン・フォスターがデザインした米アップル本社の空撮を提示。リングで囲まれた中に池がある設計に着目して、「万博リングの中にも池があるんですよね。円の中に円があるという構図が非常によく似ている」と指摘した。 

 

 写真を見比べると、確かにソックリ。偶然、似てしまったのか。 

 

 リングを特徴づける木組みが「日本の伝統工法」なのかも疑問だ。吉村は「貫工法といって、くぎを使わないのに耐震性がすごく強い芸術的なつくり方」とアピールしてきたが、建築家の世界的権威である山本理顕氏はシンポジウムで「あんなの貫工法ではない」と喝破。こう主張した。 

 

「貫工法は建築基準法上の計算に乗らないので、実験を繰り返すしかない」「大変な労力がかかる建築(工法)を、あのリング全体で『できる』って誰が思ったんでしょう」 

 

 万博リングは“パクリ疑惑”がくすぶり、ウリの工法は「伝統」を模した似て非なるもの――。吉村知事、愛称は「パクリング」でエエんちゃう? 

 

 

 
 

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