( 204650 )  2024/08/24 01:37:05  
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森永卓郎氏は、最近の株価の乱高下はバブルの序章であり、日経平均の大幅下落や上昇について、日銀の金利政策や世界景気の悪化が影響していると指摘している。

彼は数年前から株価が過熱していると警告しており、7月に自らの投資資産をすべて売却していた。

また、個人的な健康問題や治療費の負担が増えたことも、投資資産を売却する決断に影響していたと語っている。

彼は今後の相場展開について、バブル崩壊が本格化し、日経平均が10分の1になる可能性があると警告しており、個人投資家には現在の段階で全面撤退することを勧めている。

(要約)

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「今回の株価乱高下はバブルの序章」と語る森永卓郎氏 

 

 下げ幅4451円──。8月5日、米景気の減速懸念や日銀の金利政策などを背景に1987年のブラックマンデーを超える過去最大の下げ幅を記録した日経平均だが、翌日には過去最大である3217円の上げ幅を見せ、その後も先行きが見通せない乱高下が続いている。 

 

 暴落で慌てて「売り」に走った人も多くいたが、経済アナリストの森永卓郎氏は、乱高下相場が始まる前の7月に、手持ちの投資資産をすべて整理したのだという。森永氏はこう話す。 

 

「私は数年前から、遠からず株は下がると警鐘を鳴らしてきました。今年2月に日経平均が史上最高値を約34年ぶりに更新した時や、3月に4万円を超えた時も、『完全にバブル状態でいつ弾けてもおかしくない』と警告しました。 

 

 そうした考えから、数年前から少しずつ手持ちの株を処分し、7月12日までに『タカラトミー』株など趣味の関係でどうしても欲しい株主優待がある銘柄を除き、外貨建て債券や外貨建て投信を含め、すべての投資資産を処分しました」 

 

 大暴落の原因は、日銀による利上げが大きいと森永氏は分析する。 

 

「世界景気の悪化に伴い英国や米国が利下げで景気を刺激する方向に金融政策を転換するなか、日銀は7月末に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定した。それにより、高すぎる株価の暴落を招いたと考えています」 

 

 数年前からバブルだと警鐘を鳴らしてきた森永氏だが、今回の危機を免れたことには偶然の要素もあったと語る。 

 

「バブル崩壊に備えて株を処分していたことに加えて、今年、終末期の原発不明がんと診断され、治療費の自己負担は毎月100万円を超えています。がんとの闘いでいまの膠着状態が続くと、とてつもない負担がかかってくるため思い切って投資資産を処分することにしたんです。ここまでの大暴落は予測できませんでしたが、結果的に株高と円安のピークで売り抜けることができ、数千万円の大金を確保できた」 

 

 高値で売ることに成功した森永氏は、今後の日経平均についてこう見る。 

 

「今回の株価乱高下はバブル崩壊の序章にすぎません。暴落がこれから本格化し、最終的には日経平均が現在の10分の1になっても不思議ではない。個人投資家は、傷の浅い現段階で投資から全面撤退するのが望ましい」 

 

 はたして今後の相場展開はどうなるか──。 

 

※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号 

 

 

 
 

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