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フジテレビの番組「さんまの東大方程式」に出演した西岡氏は、東大生たちは特殊な環境ではなく、普通の人も多いと感じた。

テレビ番組では「面白い人」を集めているため、実際はみんな面白くないわけではない。

しかし、番組に出演していない面白い東大生も多く紹介されるべきだと考えている。

 

 

さまざまな逆境を乗り越えて東大に合格した人たちの話は学びがあり、東大は多様な人々が集まる面白い空間だと感じる。

(要約)

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(C)フジテレビ 

 

 先日、フジテレビの番組「さんまの東大方程式」に出演させていただきました。 

 

 「さんまの東大方程式」は、面白い東大生たちが何人も登場する番組です。計算機のように速く正確に膨大な数字の計算ができる学生や、とんでもない記憶力を持った学生、起業している学生、不思議な趣味を持つ学生など、バラエティ豊かで面白い東大生がたくさん登場します。 

 

【写真】西岡氏が出演した「さんまの東大方程式」 

 

 漫画にゲーム三昧の日々を過ごし、勉強もせずに怠惰な日々を過ごし続けた結果、偏差値35だった僕は、高校時代にあの番組を見て「東大生ってみんな、こんなに面白い人ばかりなのかなぁ」と思っていました。 

 

 そこから一念発起して死ぬほど勉強し、2浪してなんとか東大に合格。なぜか番組を「観る側」から「出演する側」に回ってしまったわけですが、実際に大学に入って東大生と交流してみた感想としては、正直東大はそこまで特殊な環境ではないと思いました。 

 

■面白い東大生はたくさんいる 

 

 東大生がみんな、あの番組のように面白いというわけではありません。極端な趣味を持っていない人も多いですし、実際に話をしたり仲良くなったりしても、いい意味で「意外と普通の人だな」と感じる東大生もいます。 

 

 当たり前ですが、テレビ番組では東大の中でも「面白い人」を集めているため、東大生がみんなあんなに面白いわけではないのです。 

 

 それでも、「あの番組に出ていないけれども、面白い東大生」というのは大勢います。特に、受験の過程が波乱万丈で面白い東大生はたくさんいるのです。今回の記事では、「テレビには出ていないけれど、面白い東大生たち」を何人か紹介させていただきたいと思います。 

 

 1 週3バイトしながら東大に合格した人 

 

 文学部4年の布施川天馬さんは、貧乏でお金がない家庭から東大に合格した苦労人です。受験勉強の最中に母親が乳がんを患い、父親の事業も行き詰まって、大変な状況に置かれていました。そんな中でも、週3バイトをしながら東大受験をし、見事合格を果たしました。 

 

 なぜ、そんな苦境に立たされても頑張ることができたのか?  布施川さんにそう聞くと、「悩んだってどうしようもないから」だと話してくれました。 

 

 「結局、つらい状況に追い込まれたり、不運が自分を襲ってきたりしたときに、立ち止まっていてもなんにもならないんですよね。悩んでいて問題が解決するならいくらでも悩みますけど、悩んだって状況は変わらないじゃないですか。それよりも、自分が変えられる範囲内で何ができるのかと向き合うほうが、大切だと思うんですよね」とのこと。「変えられることと変えられないこと」を明確にする考え方は、真似したいものだなと思います。 

 

 

■半年間猛勉強、現役で東大合格果たす 

 

 2 部活でうまくいかなかったから東大に行った人 

 

 教育学部4年の永田耕作さんは、小中高とずっと野球部で部活動に打ち込んでいました。しかし中学時代まではうまくいっていた野球は、高校に上がると自分よりも上手い人がたくさんいたために、高校3年間週6~7で打ち込んだにもかかわらず、一度も試合に出ることができず、ベンチに入ることもできなかったそうです。 

 

 周りの受験生が勉強をしたり、模試を受けている中でも、高校3年生の7月まで野球部で、ずっと後輩の練習をサポートして球出しをしていた永田さん。「あのときは非常につらかった」と語ります。 

 

 「自分で選択して野球部に入ったけれども、僕の高校3年間はなんだったんだろうかと考えると、すごくつらかったです。だからこそ、僕は東大に行こうと思ったんです。高校生活で野球ではうまくいかなかったけれど、その分、いちばんの大学を目指そうって」 

 

 彼はそこからの半年間、今まで野球で勉強できなかった分、そして部活ではうまくいかなかった分、それをバネにして猛勉強。見事東大に現役合格しました。 

 

 「部活と勉強は似ています。できなかったところを分析して、手帳に書き出して、それを改善していく。僕は部活でこの思考法を会得していたので、勉強でもそれを活かすことができました。部活をやっていたから、東大に合格できたのだと思っています」。この思考法も、勉強になりますね。 

 

 3 元偏差値39から東大に受かった女の子 

 

 東大農学部卒の松島かれんさんは、内部進学で附属の大学を目指す生徒が非常に多い高校に通いながら、一念発起して東大を目指しました。 

 

 その勉強法は非常に独特。「手や腕、爪や脚などにも覚えなければならない英単語や歴史の年号・イベントを書いて、普段から見るようにする」というものでした。 

 

 その姿を見た友達からの当時の彼女のあだ名は「耳なし芳一」だったそうです。耳以外の身体全体にお経を書いていた「耳なし芳一」のエピソードそっくりだったところからつけられたあだ名だったとか。 

 

 

 また、自宅のドアに数式や英文を貼って、「その数式や英文を暗唱しなければ、家から出られない」というルールを自分に課し、いつどんなときでも勉強できるようにしていました。正直、東大生の中でも「そこまで」やっていた人というのは本当に稀で、彼女の話を聞くことで「ここまで努力すれば、努力は報われるんだな」と感じました。 

 

■1日3時間勉強で、東大に見事合格 

 

 4 フリーターから33歳で東大合格した人 

 

 東大文学部卒の青戸一之さんは、フリーター生活を経た後、30歳で東大受験を決意して、33歳で東大に合格しました。 

 

 その大学受験のきっかけが非常に特殊で、「塾で働いているときに、東大志望の生徒が不合格になってしまったから」。教えている側として、自分自身の経験の足りなさを痛感した結果、「このまま学習指導をする仕事を続けるなら、自分も東大受験をしよう」と決意し、そこから東大受験に挑んだそうです。 

 

 青戸さんは塾講師の仕事をしながら、1日3時間勉強して、東大合格を掴みました。彼は教える仕事についていたからこそ、うまくいったのだと分析しています。 

 

 「新しいことを勉強しても、その勉強している内容を誰かに教えるつもりで咀嚼して理解することができ、その結果として成績が上がったと思います」 

 

 「教える」というのはとてもいい勉強になるのだそうです。 

 

 いかがでしょうか?  いろんな逆境を乗り越えて東大に合格している人たちの話は、聞いていてとても学びがあります。 

 

 東大のいいところは、「どんな人でも、大学入試でいい成績さえ取れれば東大に行けること」だと思います。 

 

 小中学校でサボってしまった人でも、高校時代に挫折した人でも、家が貧乏な人でも、何歳になってからでも挑戦できる。どんな状況からでも東大を目指すことができる。 

 

 だからこそ東大は多様な人たちが集まっていて、面白い空間になっているのではないでしょうか。 

 

西岡 壱誠 :現役東大生・ドラゴン桜2編集担当 

 

 

 
 

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