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兵庫県知事の斎藤元彦氏が深夜や休日にもSNSを通じて職員に業務上の指示をしていたとされ、それによって職員が休むことができない状況になっていたことが証言された。

知事は特に休館する予定だった県立美術館の情報を知らず、職員に対し厳しく指摘する様子が伝えられた。

この問題について県議会の調査特別委員会でも話題に上がり、知事が深夜や未明に指示を行うことが問題視されている。

(要約)

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証人尋問のため県議会調査特別委員会の会場に入る斎藤元彦・兵庫県知事=神戸市中央区で2024年8月30日午後3時1分、大西岳彦撮影 

 

 兵庫県の斎藤元彦知事は深夜や未明、休日にも庁内用SNS(ネット交流サービス)のチャット機能を通じて職員に業務上の指示をしていた。県議会の調査特別委員会(百条委)で、指示を受ける立場の職員は「気が休まることがない」と証言。関係者への取材でその一部が判明した。 

 

【まとめ】兵庫県知事のパワハラ疑惑 それに対する証言 

 

 「なぜ一言も知事に報告がないのか。知事が報道で初めて知るのはおかしいのではないか」。2023年7月21日、知事は県幹部5人に対して、チャットを通じてこう叱責した。送信時刻は、午前0時46分と記録されている。知事の発信は、県立美術館が長期休館するというニュースに反応したものだった。7月24日から1カ月以上、設備メンテナンスのため休館することになっていた。 

 

 知事は「異例の長期休館するなんて一言も聞いていない」と送信。21年知事選での公約で22年から始めた、県内の芸術文化施設で無料イベントなどを展開する「ひょうごプレミアム芸術デー」と重なっていたため、「芸術文化を盛り上げようというタイミングで勝手に休館する理由が不明」と続く。数分後には「あれほどネット記事などを秘書室でチェックして、報告もれがないかを確認する体制を整備しろといったのに、全くなにもできていない。なにをやっているのか……」と詰問を続けた。 

 

 受信した幹部は3分後に「申し訳ありませんでした。明日、朝一で報告するように調整いたします」と謝罪を強いられた。 

 

 30日の百条委でも、勤務時間外のチャット利用について質問が相次いだ。ある委員はチャットの履歴を参照しながら「午後11時に『サンダース米上院議員の政策について分析を』と指示し、職員は翌朝6時過ぎに『承知しました』と返答している。異常ではないか」と知事に問いかけた。 

 

 知事は「防災以外にも重要政策・事項についてはそのつど、伝える方がよいと考えた。医療事故の報告がないなど、報告漏れについての指摘が多かった」と説明し、「深夜や休日に送ったのは適切ではなかった。(主に指示を送った相手が)勝手知ったる職員なので甘えがあった」と非を認めた。【中尾卓英、山本康介】 

 

 

 
 

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