( 207095 )  2024/08/31 15:20:23  
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台風10号が近畿地方を東進し、東海や関東地方でも大雨となるおそれがある。

特に東海や関東ではすでに記録的な大雨が降っており、土砂災害や浸水に警戒が必要。

台風は明日には熱帯低気圧に変わる見通しであるが、引き続き大雨が予想される。

交通機関への影響も長引く可能性があり、適切な対応をすることが重要。

河川や急な斜面に近づかず、アンダーパスや低い道路は避けること。

台風から熱帯低気圧に変わっても大雨は続く見込みで、十分な注意が必要。

(要約)

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画像:tenki.jp 

 

今日31日(土)、台風10号は近畿地方を東進する見込み。近畿は昼頃にかけて滝のような雨も。東海では断続的に非常に激しい雨が降り、記録的な大雨となるおそれ。午前中は線状降水帯が発生して災害発生の危険度が急激に高まる可能性も。関東も激しい雨が降るでしょう。東海や関東では、これまでにすでに記録的な大雨となっている所があり、土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫などに厳重な警戒が必要です。 

 

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今日31日(土)午前3時現在、安芸市付近を1時間におよそ15キロの速さで東南東へ進んでいます。このあとも東進して午後3時には田辺市付近へ進み、次第に速度を落とすでしょう。 

 

近畿は所々に発達した雨雲がかかり、昼頃にかけては局地的に非常に激しい雨が降るでしょう。東海では夜にかけて断続的に非常に激しい雨が降って、たった1日で300ミリを超えるような記録的な大雨となるおそれがあります。午前中は線状降水帯が発生して災害発生の危険度が急激に高まる可能性も。関東も雨が強弱をつけて降り続き、急にバケツをひっくり返したように激しい雨が降ることもあるでしょう。 

 

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近畿や東海、関東では、台風の接近前から数日にわたって大雨となっており、特に東海や関東では8月ひと月分の雨量を大きく超えるような記録的な大雨となっている所があります。地盤はたっぷりと水を含んでいる状況で、神奈川県西部や伊豆半島の一部で土砂災害の危険度が高まっています。いつ災害が発生してもおかしくないような状況であり、雨のピークを過ぎてから土砂災害が発生することもあります。崖など急な斜面には近づかないようにしてください。 

 

また、昨日はあちらこちらで浸水や冠水が発生しました。きょうも道路があっという間に冠水するような雨の降り方になりますので、アンダーパスなど冠水しやすい場所は迂回するなど、車の運転は無理をして先を急がないよう、お気をつけください。 

 

川の水位上昇にも警戒が必要です。局地的に非常に激しい雨が降ると、川の水かさが一気に増えて、氾濫につながるおそれもあります。氾濫危険情報など、自治体から発表される情報もこまめにチェックして、むやみに川に近づかないようにしましょう。 

 

 

台風10号は明日9月1日(日)の午前3時には尾鷲市の南へ進んだ後、2日(月)にかけて熱帯低気圧に変わる見通しです。ただ、台風でなくなったとしても、大雨をもたらすことに変わりはありません。台風から変わる熱帯低気圧周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、雨雲の発達しやすい状態が続くでしょう。2日(月)頃にかけても雨が続き、総雨量がさらに多くなる所がありそうです。 

 

高速道路の通行止めや列車の運休など、交通機関への影響も長引きそうです。最新の情報をこまめにチェックしましょう。また、2日(月)から新学期が始まる学校も多いかと思いますが、通学路に危険な場所がないか改めて確認し、お子様には増水した川などに近づかないよう、お声がけください。 

 

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実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。 

 

①河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。 

 

②運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。 

 

③山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。 

 

④地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。 

 

⑤上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。 

 

日本気象協会 本社 中川 裕美子 

 

 

 
 

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