( 207761 )  2024/09/02 15:18:04  
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自民党総裁選や立憲民主党代表選において注目される人物や状況についてのインタビューが行われた。

自民党では小泉進次郎氏が有力視される一方で、立憲民主党では代表選が次の首相選びの重要な選択肢と位置づけられている。

代表選での結果によっては政権交代への布石となる可能性もあり、候補者は経験値や安定感、国民に訴える力を持つことが重要とされている。

(要約)

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撮影/現代ビジネス編集部 

 

9月に自民党総裁選が迫っている。 

 

林芳正内閣官房長官や茂木敏充自由民主党幹事長、「コバホーク」と呼ばれる小林鷹之元経済安全保障大臣などが名乗りを上げ、群雄割拠の様相を呈している。その中でも、小泉進次郎氏の優勢が報じられるなど、注目度も高い。 

 

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まるで小泉進次郎氏が「勝ち確」のようにもてはやされる自民党総裁選に対して、野党第一党である立憲民主党でも、同時期に代表選が行われようとしている。旧民主党政権では厚生労働大臣を務め、「ミスター年金」と呼ばれた立憲民主党の長妻昭政調会長いわく、代表選は次の首相を決めるための「準決勝」だという。 

 

その言葉の真意や、自民党総裁選についての考えなどを聞くべく、インタビューを行った。 

 

――自民党総裁選では、小泉進次郎氏の優勢が報じられています。 

 

あれは脅威ですよね。どうしてもお父さん(小泉純一郎)の小泉劇場を思い出してしまいますから。私もあの時(2005年、第44回衆議院議員選挙)は小選挙区では落選し、比例でギリギリ当選した記憶があるので、「小泉劇場第2幕」を警戒していかないといけないと思います。 

 

ただ、本当に2匹目のドジョウがあるかどうか。もし小泉(進次郎)さんが自民党総裁、ひいては首相になったら、おそらく予算委員会を開かず、すぐに解散すると思います。また、テレビ討論会にもあまり出ないのではないかな。一人で喋っている分にはボロが出ないですからね。 

 

都知事選後、長妻氏は蓮舫氏にホワイトボードをもらったという。。その際に蓮舫氏が残したメッセージ。 

 

――都知事選では蓮舫氏が3位という結果になり、代表選への影響も少なからず出ていると思います。小池百合子氏、石丸伸二氏に及ばなかった要因はなんでしょうか。 

 

一番大きいのは、やはり争点化ができなかったことです。我々もいくつかの争点を問題提起をしましたが、あの都知事選を振り返っていただくと、多くの都民の方々にとって「都知事選はここがポイントだよね」ということがなかった。 

 

蓮舫さんが都知事になっていたら代表選についてのコメントもしていたでしょうし、全く異なる状況になっていたでしょうね。 

 

 

――立憲民主党代表選では、注目される人物があまり出ていません。自民党総裁選では、小林鷹之氏や小泉進次郎氏などがメディアでもかなり取り沙汰されていますが、その差はどこにあるとお考えでしょうか。 

 

まず分母が少ないことです。人数が自民党の3分の1以下で、人材はいますけれどもなかなか層が厚くはありません。推薦人20人のハードルは高いと言われていますが、前回の代表選挙は女性を含めて4人出ていて、その中の大半が初めての出馬でした。今回は、初めて出る方が一人しかいないのは少し残念ですが、吉田はるみさんをはじめとして、優秀な人たちが手を挙げているので、楽しみですね。 

 

――長妻さんご自身としては、いま名前が挙がった吉田はるみ氏を推薦するお考えはありますか。 

 

いま誰を応援しているかは明かせませんが、党内では1期生などは盛り上がっていますし、推薦人もかなり集まっているのではないかと思いますね。そういうふうに、新しい人への待望論はあります。 

 

一方で、今回の代表選挙は次の首相候補を決める「準決勝」だと思っています。「決勝」に当たる衆議院議員選挙がおそらく11月の3日前後ではないかと思っておりまして、ある意味では、今回の代表選は次の首相候補を決める選挙でもあると見ているんですね。 

 

立憲民主党は政権交代を目指しているので、次の代表は本当に首相になると考えています。もちろんフレッシュさは重要ですけれど、日本をガバナンスできるかが問われてもいます。今度は、我々は絶対に失敗はできないですから。 

 

例えば、新しい首相が3ヵ月で「できませんでした」となったら、日本は永久に政権交代ができなくなります。そのため、「安定的に首相が務まる」という要素も必要だと考えています。当選回数が少なく、一度も大臣や閣僚、党の役職の経験をしていない場合、それで総理大臣という一国を束ねる仕事をすることはなかなか難しいのではないかと見ている人が多いのではないかと思いますね。 

 

――それでは、次の代表にもとめられることは経験値や安定感だと。 

 

もちろんフレッシュさも重要ですが、国民の皆様の立場から見れば実質的にやってくれないと困るわけです。誰であろうが、ちゃんといい政治をして社会をよくしてくれる人であればいいのではないかと思います。 

 

 

――政権交代のためには、何が必要だと思われますか。また、勝算はどの程度だとお考えでしょうか。 

 

勝算はかなりあると思っています。政権交代を実現するためには、政策や目指す社会像を分かりやすく、キャッチーな言葉で訴えることが一つ。 

 

また、私は人間は「脳みそ・ハート・腹」の三層構造になっていると思っています。脳みそだけではなくてハートを動かすことが大事。腹落ちさせるのはなかなか難しいですが、せめて国民の皆様のハートを動かすことができれば、熱を持って応援してくださいます。 

 

そして、前の民主党政権のときの教訓を我々は胸に刻んでいます、ということをちゃんとアナウンスして安心感を持ってもらう。 

 

この三つが揃ったときに、勝負ができると思います。過去10年調べると、先進7か国で日本以外では全部政権交代をしているんです。ところが、日本では自民党独擅場の政治になっている。アベノミクスの失敗や統一教会の問題など、自民党政権の問題点が明らかになった今、機は熟していると思います。 

 

――岸田首相が自民党総裁選への不出馬を表明しました。 

 

岸田さんは、不出馬を前から考えていたというようなことを仰いましたけれど、私としては、「どう考えても次は受からないので、早めに撤退してキングメーカーになろう」という趣旨だと思います。だから、そんなに褒められたことではない。 

 

今回の裏金の問題でも、岸田さんにチャンスはたくさんあったと思います。自民党の危機だから裏金議員は公認しない、使い道を言わない人には税金を使わせない、などと言えば大変な人気になっていたでしょう。 

 

総裁選の候補者でも、そのようなことを言った人は誰もいません。そういう意味では、何をかいわんやの自民党総裁選だと思います。自民党の表紙を変えても体質が変わらないと意味がない。 

 

――今後、政治家として何が重要になってくると思われますか。 

 

今、ネットが非常に存在感を持っているときに、我々政治家は特に「自分が考えていることは、本心から考えていることなのか」と点検する必要があります。エゴサーチというんですか、自分の名前を検索していくと評判が分かる。SNSで人気が出るからこの政策を打ち出そうとか、そういった危険があるんです。 

 

それが進んでいくと、「このコミュニティで人気が出るからこういう意見を言おう」と、一方の意見に凝り固まってしまう。分断社会を作らないために、本当に自分の本心から根拠に基づいて考えたことなのか精査することが重要です。 

 

現代ビジネス編集部 

 

 

 
 

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