( 208201 )  2024/09/03 16:30:07  
00

2014年10月に保安基準が改正され、シーケンシャルウインカーが認可された。

シーケンシャルウインカーは連鎖式点灯方向指示器として知られ、1965年のフォードマスタングから採用されている。

ただし、最近ではシーケンシャルウインカーの採用が減少し、代わりとしてダブルファンクションウインカーが浮上している。

このダブルファンクション方式はデイライトとウインカーを統合したもので、最新のトヨタ車などで採用されている。

将来的にはデイタイムライトの標準化に伴い、ダブルファンクション方式が増える可能性がある。

シーケンシャルウインカーのメーカー開発者によると、今後ますます増えるとは考えにくいとの見解が示されている。

車検に後付けする場合は、特定の条件を満たす必要があり、一部の車種は縦型タイプのウインカーは車検に通らないことに要注意が必要である。

(要約)

( 208203 )  2024/09/03 16:30:07  
00

ベストカーWeb 

 

 2014年10月の保安基準の改正で「連鎖式点灯方向指示器」が許可され、合法的に流れる、シーケンシャルウインカーが認められるようになった。しかし、一気に急増したというわけでもなく、むしろ最近では減少傾向にあるという。代わって台頭してきたのが、ダブルファンクションウインカー。それはどんなものなのか、紹介していこう。 

 

【画像ギャラリー】高級車にはピッタリな[流れるウインカー]ってどうよ!(10枚) 

 

文:ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ、ホンダ、BMW 

 

 2014年10月の保安基準の改正で認可されたシーケンシャルウインカー。国連欧州経済委員会(UN/ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)が制定した「方向指示器に係る協定規則(第6号)」に基づき、国土交通省は2014年10月に「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」のなかで、方向指示器などに関する法改正を実施、公布・施行した。 

 

 WP29の制定を受けて世界基準に合わせるべく、国土交通省が保安基準を改正してシーケンシャルウインカーが装着できるようにしたというわけだ。 

 

 シーケンシャルとは、英語で「連続的な」という意味。点滅するのではなく、ひとつひとつがつながるように点灯することからから、正式名称は「連鎖式点灯方向指示器」。 

 

 通常のウインカーと同様に、点滅は毎分60回以上、120回以下となっているのでLEDの数が多いほど、早く流す必要がある。横に長く、内側から外側に流れる様子は、優雅で高級車に相応しいウインカーと感じた人が多いはず。 

 

 世界初のシーケンシャルウインカーは1965年のフォードマスタングのリアランプにバルブ式として初採用されている。 

 

 日本車では1968年発売の日産ブルーバードSSSクーペ(510型)が、同じくリアランプに採用しているが、どちらもウインカーと兼用で装備されていた。「ハミングシグナル」と呼ばれ、オプション設定された。 

 

 2000年代に入ってから、シーケンシャルウインカーを採用したのはアウディA8(2014年)。トヨタブランドでは2016年12月に発売されたC-HRで初搭載。その後、アルファード(30系)、クラウン、ライズ、レクサスLX、RX、NXなどのSUVと、セダンのLSとESに採用された。 

 

 日産はアリア、ノートオーラ、エクストレイル、ホンダはオデッセイ、N-BOXカスタム(軽自動車初)、N-WGNカスタム、ヴェゼル(e:HEVモデルのみ)、ダイハツはロッキー、タントが採用。 

 

 しかし、最近になってシーケンシャルウインカーは減少傾向にある。レクサスは、LX、NX、RX、ESがモデルチェンジを期に廃止して現在はLSのみ、ハリアーも最新モデルは廃止。もう時代遅れと見切ったのだろうか? 

 

 

 そのシーケンシャルウインカーにとって代わりそうなのが、ダブルファンクションウインカー。ダブルファンクションとは、デイライトとウインカーの機能を統合したもので、通常はデイライトとしてヘッドライトが透明または白く点灯し、ウインカーレバーを操作すると、操作した側のデイライトは消灯してヘッドライトが黄色に点滅する仕組みだ。 

 

 ハリアーやヤリス、ヤリスクロス、アクアをはじめとした最近のトヨタ車(プリウスやクラウンシリーズは不採用)は、1灯の光源でハイビームとロービームが切替できる1眼LEDヘッドランプBi-Beam(バイビーム)とダブルファンクション方式のLEDクリアランスランプ(デイライトとターンランプ共用)が採用されている。 

 

 そのいっぽうで、ランドクルーザー300やアルファード&ヴェルファイアはなぜか流れるウインカーを採用している。 

 

 ただし、1眼LEDヘッドランプの採用が進む一方で、アダプティブハイビームシステムが使えないといったデメリットもある。 

 

 ちなみに2020年にデビューしたホンダのN-ONEは、ヘッドライト周辺を取り囲むように組み込まれたデイタイムランニングライト(昼間走行灯)を採用。スバルレヴォーグではコの字型のデイライトが、ウインカーとしての機能となっている。 

 

 輸入車ではVW、アウディがマトリックスLEDヘッドライトとともにシーケンシャルウインカー(ダイナミックインジケーター)を採用。そのほかジャガー&ランドローバーやプジョー、シトロエンの一部車種に採用されている。 

 

 どことなく優雅にみえるシーケンシャルウインカーに対して、ダブルファンクション方式はデザインがスッキリしていて新しさを感じさせる。BMWミニのように丸ライトにはピッタリだ。 

 

 今後、デイタイムライト(昼間走行灯)の標準化に伴い、ダブルファンクション方式は増えていくことが予想される。 

 

 例えば最新のフリードは、デイタイムとポジション、下側にハイ/ロービームを備えるマルチファンクション方式となっている。 

 

 メーカー開発者にシーケンシャルウインカーは今後どうなるのか、聞いてみた。 

 

 「デイライト&スモールがウインカーと切り替わるのが現在のトレンドです。それを踏まえるとシーケンシャルウインカーは今後増えていくことはないかもしれませんね。シーケンシャルウインカーは横に長くする必要があり、制御するユニットのコストがかかります。いまでは採用が始まった当時ほど新しさは感じませんし、メリットは少ないと思います」。 

 

 

 なかには、自分の愛車に、シーケンシャルウインカーを付けてみたいという人がいるかもしれない。そこで後付けして車検に通るためには何が必要なのか?調べてみたら以下の項目が必要な条件は以下の通り。 

 

●内側から外側に向かって、水平方向に点灯する 

●点灯したLEDは、すべてのLEDが点灯するまで点灯し続ける 

●すべてのLEDが点灯後にすべて消灯 

●毎分60回から120回の一定周期で点滅 

●前方・後方・側方のウインカーの点滅周期が同じ 

●LEDの流れ方は左右対称 

 

 どのクルマにも後付けできるのかと思ってしまうが、ハイエースやキャラバンなど後方のウインカーが縦型タイプは車検に通らないので要注意。 

 

 また車検対応と書かれているドアミラーウインカーには、シーケンシャルモードと通常点滅モードと2つのモードがあり、切り替えスイッチによって、車検時のみ通常点滅モードとして使う商品があるので要注意。法規にしっかり対応するのか見極めて取り付けたい。 

 

 

 
 

IMAGE