( 208331 )  2024/09/04 01:03:24  
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大阪市で聴覚障害のある女の子が事故で死亡し、裁判で労働能力を理由に賠償額が減額された判決を巡る控訴審が結審。

2審では、専門家が聴覚障害と労働能力の関係を否定し、女の子が成長し就労した場合には障害がない者と同じく働けると証言。

父親は公平な判決を求め、判決は来年1月20日に言い渡される予定。

(要約)

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FNNプライムオンライン 

 

事故で死亡した女の子が聴覚障害を理由に賠償額を減らされた判決の見直しを求めた裁判の控訴審が結審した。 

 

【画像で見る】事故で死亡した娘 「聴覚障害」を理由に賠償額を減らされた判決の見直し求め 控訴した父の思い 

 

6年前、大阪市生野区で聴覚に障害があった井出安優香さん(当時11)が歩道に突っ込んできた重機にはねられて死亡した。 

 

両親は、損害賠償を求めて裁判を起こしたが、1審は「聴力障害が、労働能力を制限し得ることは否定できない」として、安優香さんが将来得るはずだった収入、「逸失利益」を平均の85%と判断した。 

 

両親は聴力障害と労働能力との関係が正しい見識に基づいて判断されなかったほか、検討すらされていないなどとして控訴。 

 

大阪高裁(徳岡由美子裁判長)で行われた2審では、新たに聴覚教育学の専門家である宮城教育大学の松崎丈教授が証人として出廷し「聴力が正常であることが、学力やコミュニケーション能力の発達に不可欠な要素ではない」と指摘。 

 

その上で「安優香さんの学力やコミュニケーション能力は年相応に成長していて、成長し、就労した場合、障害のない者と遜色なく労働能力を発揮できていたと評価してよい」と証言した。 

 

両親の代理人は、9月3日の最終意見陳述で「聴力障害を理由に労働能力が制限されるという言説は、思い込みや偏見に過ぎず、裁判所による『障害を理由とする差別』にほかならない」と述べ、公平な判決を求めて裁判は結審した。 

 

安優香さんの父親、井出努さんは、閉廷後の会見で「9月10日が(安優香さんの)誕生日で18歳になります。1人で家の中にいるときは、いつも姿の見えない娘の成長した姿を想像し、苦しい思いをずっと押し殺して過ごしています。これまでの判例、前例のない判決を期待しています」と話した。 

 

判決は、来年1月20日に言い渡される予定だ。 

 

関西テレビ 

 

 

 
 

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