( 210148 ) 2024/09/09 16:19:37 0 00 クシュタールの店舗(2日、カナダ・モントリオールで)=小林泰裕撮影
セブン&アイ・ホールディングスに対する買収提案を巡り、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールは8日、「経営統合により、単独では達成できない大きな成果を生むことができる」との声明を公表し、引き続きセブン&アイの買収に向けた交渉を続ける方針を明らかにした。
【図解】外資が国内の重要企業を買収する時の流れ
声明では「セブン&アイが友好的な協議すら拒否したことは遺憾だ」とした一方で、「友好的な協議を進めるため、適切な秘密保持契約を締結する用意があり、その意思は変わらない」と強調した。
米国の店舗数はセブン&アイが1位、クシュタールが2位で、買収が実現しても米国の独占禁止法に抵触する恐れがある。クシュタールは「規制当局の承認を得るために必要となる場合にはセブン&アイと共に、事業の切り離しも検討する」と言及した。
また、「本件を支援する大手金融機関や投資家と良好な関係を構築している」と強調し、買収価格を引き上げる可能性についても示唆した。
セブン&アイは8月19日にクシュタールから買収提案を受けたと発表したが、今月6日、企業価値を「著しく過小評価している」などとして、提案に応じない姿勢を表明した。クシュタールの現在の提案では、1株あたり14・86ドルでセブン&アイの全株式を取得する内容となっている。単純計算で取得総額は5兆円超に達する。(ニューヨーク支局 小林泰裕)
|
![]() |