( 211011 )  2024/09/12 15:27:11  
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自民党総裁選で小泉進次郎が有利とされ、進次郎政権構想や閣僚名簿が注目されている。

特に、高市早苗を官房長官に据えることや女性閣僚の起用が取りざたされている一方で、ベテランの起用や民間登用枠からの閣僚候補も浮上している。

進次郎政権には憲法改正や財務省との関係性など、さまざまな思惑が絡んでおり、政権の動向が注目されている。

(要約)

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前編記事【この10月「小泉進次郎内閣」が「誕生ほぼ確」に…!その「想定閣僚名簿」を大公開する】では、自民党総裁選で現時点において小泉進次郎が優位に立っていること、そして進次郎やその後見人とされる前総理・菅義偉が描く「政権構想」について解説した。 

 

【一覧を見る】進次郎政権の「想定閣僚名簿」の全容はこちら 

 

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いま永田町では、来る「進次郎政権」の陣容がどうなるかについて、さまざまな憶測が飛び交っている。中でも「最大のサプライズ」として党内で噂されているのが、一部から熱狂的な支持を集める、高市早苗を官房長官に据えることである。 

 

「高市さんは、総裁選の展開しだいでは決選投票に進む可能性もあると言われています。影響力を増してきた高市さんを遇するには、史上2人目の女性官房長官のポストが最適です。 

 

しかも今回、進次郎陣営には『保守層対策として、憲法改正をしっかり主張する』との方針がある。憲法改正論者の急先鋒である高市さんに、スポークスマンになってもらいたいのです」(自民党閣僚経験者) 

 

安倍・菅政権と違い、リベラルなイメージの進次郎政権は、自民党の「岩盤支持層」から疑念の目を向けられるだろう。ウイングを広げる上でカギとなるのが、女性閣僚の起用だ。 

 

同じ神奈川選出で進次郎・菅の両者と親しく、やはり保守カラーの強い三原じゅん子は、かねて取り組んできた沖縄・北方問題担当大臣として入閣する観測がある。 

 

さらに地元の女性議員では、横須賀出身で、父親が進次郎の祖父・純也、父・純一郎の二代にわたり秘書を務めた牧島かれんの入閣も確実視される。 

 

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この総裁選では、すでに要職を経験ずみのベテランも名乗りを上げた。上川陽子は4度目となる法務大臣への起用が既定路線だ。また、党幹事長の茂木敏充については「早くも菅さんと取り引きした」という話で持ちきりになっている。 

 

「茂木さんは早い段階で総裁選での勝ち目がなくなった。そこですぐ菅さんと会い、『決選投票では旧茂木派の手下をまとめて進次郎に入れる』と確約、希望していた財務大臣のイスを取りに行きました。進次郎政権は短命の可能性も高いですから、リリーフでお鉢が回ってくるという打算もある」(自民党旧茂木派関係者) 

 

閣僚以上に菅が神経を尖らせているのが、総理官邸を切り盛りする「官邸官僚」の陣容だ。すでに総裁選の進次郎選対には、かつて「菅官邸」を固めた官僚たちが入って陣頭指揮をとる。菅が最も信頼した元国交官僚の和泉洋人、そして財務官僚の大沢元一である。 

 

「岸田政権が迷走した一因は、官邸の中枢である官房副長官を警察庁出身の栗生俊一に任せたら、まったく機能しなかったこと。霞が関全体に睨みがきく人物でないと官邸の要は務まりませんから、菅政権の総理補佐官だった和泉さんしかいない。 

 

進次郎陣営の政策づくりは、まず菅さんが和泉さんに指示し、さらに和泉さんが、菅官邸で総理秘書官として実務を担った大沢さんや外務省の高羽陽さん、経産省の門松貴さんへ指示。さらに進次郎の側近議員も加わって練っている感じです」(前出と別の、進次郎陣営に出入りする自民党議員) 

 

 

特に岸田政権に途中で手を噛まれ、増税路線を潰された財務省にとっては、進次郎政権はまたとない挽回のチャンス。就任前から進次郎にリソースを「全振り」する背景には当然、下心もある。 

 

「最終兵器として、小泉純一郎政権で官邸の中枢だった財務事務次官OBの丹呉泰健さんを介して、進次郎総理をコントロールすることも想定しています」(財務省幹部) 

 

政権成立後、すかさず解散総選挙に踏み切るにあたっては、自民党執行部も盤石でないといけない。「事実上の『総理・総裁分離』体制を敷いて、党内は自ら仕切るつもり」(前出と別の自民党閣僚経験者)という菅にとって、最も「安全牌」なのが加藤勝信だ。 

 

「普通に考えれば大ベテランの森山裕さんを幹事長に据えるところですが、森山さんは進次郎にいい印象を抱いていないので衝突必至。『自民党いち温厚』と言われる加藤さんを幹事長に据え、森山さんは総務会長に留任。党三役の経験がない林芳正さんには政調会長をお願いするのではないか」(自民党ベテラン議員) 

 

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父・純一郎の政権では、竹中平蔵が民間から閣僚に起用され話題となった。進次郎政権で「民間登用枠」の候補として挙がるのが、ビジネススクールなどを運営するグロービス創業者・堀義人である。 

 

「堀さんは竹中さんと近い経営者で、進次郎さんも小林(史明)さんを介して知り合い親しくなった。グロービスの講演会にも進次郎さんがたびたび登壇しています。 

 

すでに進次郎選対には、小林さんや堀さん周辺のITベンチャー経営者が頻繁に出入りしている。彼らは『経団連が牛耳る古い経済界を、進次郎総理に一掃してほしい』と考えて、今からロビー活動に余念がないのです」(進次郎陣営関係者) 

 

まもなく誕生する史上最年少の総理大臣。その周りには、早くも無数の思惑が渦巻く。 

 

(文中敬称略) 

 

【こちらも読む】『「次の首相候補」を辛口採点…「圧倒的1位」は高市早苗、では石破・河野・進次郎は? 麻生太郎が握る「高市旋風再び」の可能性』 

 

「週刊現代」2024年9月14・21日合併号より 

 

週刊現代(講談社・月曜・金曜発売) 

 

 

 
 

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