( 211403 ) 2024/09/13 16:46:04 0 00 Photo: Adobe Stock
どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。最短出世中・現役メガバンカーのたこす氏による「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から「こんな本が30年前に欲しかった」「今までにない知恵がつく」「上司には絶対に見せられない」と話題沸騰中である。今回はその中から「出世しない人の共通点」についてお伝えする。(取材・構成=ダイヤモンド社・榛村光哲)
● 「6時出社で18時に帰る人」と、「8時出社で20時に帰る人」
あなたは、朝6時に出社して夕方18時に帰る人と、朝8時に出社して夜20時に帰る人の評価に違いがあると思いますか。もちろん労働時間も仕事の質も同じとして考えてみてください。
物理的にはどちらも同じ労働時間なわけですから優劣はつかないように思うかもしれませんが、多くのJTC(=伝統的日系企業)ではなぜか朝8時に出社して夜20時に帰る人の方が高く評価されがちな傾向にあると考えています。
なぜこのような現象が起こるのか、今回はこの理由について考えてみましょう。
● 人事評価は数字だけでは決まらない
まずはJTCの曖昧な評価体系について理解しなければなりません。
僕が勤めるメガバンクでもそうですが、JTCの人事評価は定量的な数字だけでは決まりません。これは仕事をする上でのプロセスもしっかりと評価するといった定性評価も組み入れられているからです。
「営業の売上には繋がらなかったけれど、そこに行き着くまでの取り組みが素晴らしかった社員」がいた場合にこのような定性評価が利用されます。
優秀な営業マンでも常にノルマを達成できるわけではないため、そのような人の救済的な意味合いもあります。
● 頑張っている「ように見える」だけで評価は上がる
ただし、この定性評価が悪さをするケースがJTCでは散見されます。その一つが勤務態度です。周りから見て仕事に一生懸命取り組んでいるか、という評価基準です。
例えば、あなたの会社の同僚で毎日終電ギリギリまで働いている人がいたとしたらどうでしょうか。おそらく、なんとなく「頑張っているように」見えるのではないかと思います。でももしかすると、その人は本当に仕事ができなくて普通の人ならすぐに終わる仕事に手こずっているだけだったり、実はパソコンで遅くまでネットサーフィンをしているだけかもしれません。
定性評価では、この人のように周りから「頑張っているように見える人」が少なからず高めに評価されてしまう負の側面を持っているのです。
● 遅くまで働いている=「頑張っている?」
では、冒頭の社員の例に戻ってみましょう。朝6時から夕方18時まで働いている人をAさん、朝8時から夜20時まで働いている人をBさんとしましょう。
AさんとBさんは周りからどう見えるでしょうか。なおこの会社ではだいたい8時前後に出社する人が多いとします。
この場合、つまりAさんがいかに早く出社しようと、実際に何時に出社したのかはほとんどの人が分かりません。夕方の18時くらいであればちょうど多くの人が退社するタイミングです。
その結果、Aさんは【大体みんなと同じくらいに帰る人】と評価されます。
一方のBさんはみんなが帰るときにもまだ仕事をしています。そのため、【遅くまで仕事をしている人(=頑張っている人)】とみなされてしまうわけです。
● 評価は「しょうもないこと」で上下するという“事実”
ただこれは、会社の文化によっては異なる可能性があります。遅い時間まで残るよりも朝早く出社することの方が頑張っている感をアピールできる、という会社もあるでしょう。また同じ会社でも、部署や上司によって異なることもあると思います。
要するに大切なのは、自分の会社に合わせて最も最適な出社のスタイルを戦略的に選択する必要があるということです。
このような定性評価を得るためのテクニックを見てしょうもないなと感じる方も多いでしょうが、このしょうもない文化を詰め合わせてできたのがJTCというところです。JTCでコスパよく生き残るためには、このしょうもない文化の裏側の仕組みまで理解した上で順応していくことが不可欠です。
常に、「どうすれば自分の評価が余計に下がらずに済むのか」逆に、「コスパよく評価を得るにはどうすればいいのか」を考えて行動するクセをつけましょう。そうすることで、評価に怯えない快適な社会人ライフが過ごせるようになります。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者による特別な書き下ろし原稿です)
たこす
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