( 211841 )  2024/09/15 01:11:34  
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最近は、トラック運転手もYouTuberとして動画を配信する者が増えている。

しかし、運転中や荷役中にライブ配信を行うなど、法律や倫理に反する行為も見られる。

運送会社の所有物であるトラックや顧客の情報を映すことは信頼を損ねる行為であり、会社や関係者に迷惑をかけることに繋がる。

ライブ配信を行う場合は、自己責任の元で行い、周囲に迷惑をかけないよう配慮すべきである。

(要約)

( 211843 )  2024/09/15 01:11:34  
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最近はYouTuberとして自分の仕事内容を動画配信するトラック運転手もいる。 

 

 いまや数多くの人が活用しているのが、YouTubeやSNSという便利なツール。動画を投稿するだけではなく、YouTuberとして活躍している人たちも数多く存在する。再生数が多いと収益が得られるようになったことから、その人口が増えたのは明白だが、それだけで稼げている人たちはほんのひと握りにすぎない。気楽で簡単なように見えるからこそ新規参入者が増えるのだろうが、数多くの人たちから支持を得るほどの配信者たちは、もちろん人知れず努力をしている。その部分に気付けずよい部分だけを見て入り込むような人たちは、何をやっても大成しないだろう。 

 

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 そんななかで、最近はトラックドライバーの投稿が増えたように感じてならない。運転中や荷役中の映像を、YouTubeやSNSに投稿しているのだ。なかにはステッカーを作って仲間を募ってみたり、仕事中にチャンネル登録者などに出会った姿を投稿していたりする。なかには運転中にライブ配信までしている人物が存在するのだが、それは如何なものだろうか。 

 

 トラックドライバーにとって、運転は大切な仕事の一部である。つまり、集中しなければならない仕事中にライブ配信をしているということになるわけだ。それがどのような結果を招くことになるのか、当の本人は考えたことがないのだろうか。なかには無許可で得意先の社内や現場を撮影するという無法者まで存在しているようだが、これはもはやひと昔に大問題となったバイトテロとなんら変わらない。 

 

 事実、そのような経緯で会社をクビになったという事案が発生しているようだが、それはまさしく自業自得。むしろ、そうなることが当たり前であるとさえいえるだろう。では、そのような行為の何がいけないのか。当たり前の話で恐縮ではあるが、ならず者が増えているのも事実であるため、自説を展開したい。 

 

 まず問題なのが、トラックは誰の所有物なのかという部分。運送会社に所属している社員であれば、会社が所有するトラックを借り受け、仕事をするという流れになる。つまり、そのトラックは会社の所有物だ。そのトラックの内装や社名が刻まれた外装を映してしまうこと自体、大問題である。他人の所有物を自分のもののように扱ってしまうこと自体、危機感が欠落しているといえよう。ましてや荷物や得意先まで映してしまうなんて、言語道断もいいところである。 

 

 運送会社は、荷主や顧客との信頼関係で仕事を得ている。運賃を支払って自社の商品を運んでもらっている運送会社の社員が仕事中にライブ配信(という副業など)をしていた場合、その荷主や顧客はどう思うだろうか。そんな当たり前の判断ができないような社員を雇用している運送会社自体に、疑念を抱いてしまうのは当然である。 

 

 部下の不始末は、上司が負う。それが社会のルールである以上、どのような教育をしているのかと運送会社に詰め寄ることなど容易に想像できるだろう。その結果、その荷主や顧客から仕事を切られてしまうことも考えられる。そうなってしまうと、運送会社としては、配信者ひとりのせいで大打撃を受ける。それゆえに、そのような不良分子は解雇されて当然なのである。 

 

 YouTubeやSNSなどは、自分の所有物のみでやらなければならない。他人が所有するトラックや乗用車、建物などを題材として投稿するなど、もはや許されない行為である。もちろん持ち主の許可を得ていたのなら問題ないが、一般的な運送会社であれば、仕事中のライブ配信など許可しないだろう。 

 

 どうしても仕事中にライブ配信をしたいのであれば、自分ですべての責任を負える環境にするしかない。自分でトラックを購入し、自分で仕事を取って(かつ各方面の承諾を得て撮影したりして)運ぶ。そこまでして初めて、ライブ配信をすべきではないだろうか。自分の自己顕示欲のためだけに、会社や関係者に多大なる迷惑や存在を与える。そのような行為は、決して許されることではないのだ。 

 

 最悪の場合、仕事を切られた運送会社が倒産してしまうことも考えられる。そこまでの責任が取れない以上、人様の所有物を勝手に題材にしてはならないのである。 

 

 どのような世界にも、ルールやマナーというものが存在する。その部分をよく理解し、誰にも迷惑をかけない状況を築いてから、次なる行動に移してほしいと願う。 

 

トラック魂編集部 

 

 

 
 

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