( 213493 ) 2024/09/20 02:01:43 0 00 行列の「代表待ち」はありか、なしか?(イメージ)
代表者一人が並び、後からその家族や友人などが列で合流する「代表待ち」。人気の飲食店でよく見られる光景だが、客同士のトラブルに発展する恐れから、その行為を禁止している店もある。一方で、明確なルールを提示していない店もまだまだ多く、客の間では代表待ちがマナー違反か否か、意見が割れることも少なくない。
メーカー勤務の30代男性・Aさんは、「代表待ちをされると、ゲンナリします」と本音を明かす。
「整理券配布や、受け付けの紙に名前と人数を書くタイプの店なら、人数を事前に把握できるため気にならないんです。受付なしで並ぶしかない個人店で代表待ちをされると、たとえば“あと1人で自分の番”とか思っていたところへ、何人も想定外の人数が増えることになるから、萎えるというか。完全に心理的なものですよね…‥」
Aさんは、代表待ちをされたことで、目当ての「限定商品」を逃したことがあるというエピソードも振り返る。
「人気の定食屋さんで、店が狭いので入店できる人数が限られているうえに、お得なメニューは限定10食。この日は妻と一緒で、妻が前から9番目、私が10番目だったのでギリギリで食べられると楽しみにしながら並んでいたのですが、開店時に、代表待ちをしていた1人のところに2人が合流したため、夫婦そろって、思わず『えー!』という声が出てしまいました。個人的には、合流はもはや割り込みと同じ。マナー違反という認識です」(Aさん)
ストレスの元になっている人もいる。IT企業勤務の20代男性・Bさんは、「基本的に一人で行くので、一番イラつきます」と怒りを隠さない。
「こちらは一人で真面目に並んでいるのに、代表待ちをされると、後からきた人たちに抜かされることになる。気分が悪いです。若めの男女のグループやママ友っぽいグループにやられたことがありますね。せめて、列に入る際に会釈かちょっとした一声があれば、だいぶ印象が変わるんですけど、当たり前に入ってくる図々しい態度が嫌なんです。とはいえ、店にルールがない場合は、黙っているしかありませんけど……」
代表待ちをしたことがある側はどう思っているのか。広告代理店勤務の20代男性・Bさんは、「お店のルールに従うのは当たり前」と前置きしつつ、「割り込みという感覚はない」と話す。
「そもそも何が悪いんでしょうか? むしろ複数人の場合、待つのは代表者一人にすることで、列が短くて済みますし、待っている間のムダ話もないわけですから、近隣の迷惑になりません。先に並んだことは確かなのだから、ただ合流したに過ぎません。お花見の“場所取り”と似たようなものです」
商社勤務の40代女性・Dさんは、「子供連れの場合、全員が並ぶとかえって迷惑になる」と自身の事情を話す。
「夫に代表として並んでもらい、車の中で私と子供たちが待機するというスタイルです。子連れだと待つ間に、子供がうるさかったり動き回ったりするので、周囲に迷惑をかけてしまうことがありました。そもそも子供を連れて行かなければいいのかもしれませんが、家族で食べたいときもあります。私たちにとって代表待ちは、マナーとして迷惑をかけないための策なんです」
飲食店の中には「代表待ち」を禁止する店もあるが、例外が設けられていることもあるという。
「代表待ち禁止の張り紙があったら、もちろん避けるようにしています。ただ、代表待ち禁止というルールがあっても、子供・お年寄り連れ、体の不自由の方は例外で“相談してください”という店もあるので、その場合は店員さんに対応してもらうこともあります。ただしそれでも、配慮が必要ないとは思いません。後ろの方から視線を感じることがあるので、『すみません。後から子供たちが入ります』と一声かけるようにしています」(Dさん)
客によってさまざまな事情がある。皆が心地よくすごすために、あらためてマナーについて考えたい。(了)
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