( 213856 )  2024/09/21 01:57:45  
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2023年の高温障害により、2023年産のコメが品薄となり、価格が上昇しています。

新米の出来具合や価格について、コメ専門店での取材が行われました。

2023年産と比較して、2024年の新米は品質が向上しているという意見もありましたが、高温障害により収穫量が減少した地元産コメも見受けられました。

新米の仕入れも急ピッチで行われ、価格は1.8倍から2倍近く高騰しています。

将来的にはコメの価格が落ち着く可能性が指摘されており、一部では政府の備蓄米の放出を求める声もありますが、コメの生産量を増やして余剰分を輸出し価格を維持すべきだという意見もあります。

(要約)

( 213858 )  2024/09/21 01:57:45  
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テレビ愛知 

 

2023年産のコメは、スーパーなどで品薄の状態が続いています。その原因は、2023年の猛暑による高温障害です。 

 

高温障害のコメは、中央部分が白く濁ってしまって、この白濁があるとコメが割れやすくなるなどして、収穫できた量よりも精米時の商品にできる量が減ってしまいます。その結果コメの価格が上がってしまいます。 

 

新米が入りだした今、コメの出来ばえや、価格はどうなっているのでしょうか。 

 

コシヒカリの市中取引価は約1.8倍(米穀データバンク) 

 

名古屋市東区にあるコメ専門店を訪ねると、新潟県産の新米を精米していました。 

 

石うす屋中村米穀 中村公一店主: 

「色つやがすごくいいですね。2023年は結構くすぶったような感じだったんですが、2024年は結構透き通るような感じがする」 

 

一方でこんな指摘も。 

 

石うす屋中村米穀 中村公一店主: 

「2023年産と変わらないのは地元のコメ。地元産はこれだけやっぱり暑さが続くと、高温障害という暑さに耐えられなかったコメが非常に多く見受けられる」 

 

店では8月ごろから新米の仕入れを始めました。現在、4品種を扱っていますが、例年は仕入れていない品種を並べているといいます。 

 

石うす屋中村米穀 中村公一店主: 

「ほとんど半分以上が品切れ状態、古米は残りわずかになっている状態なので、急遽(新米を)仕入れたっていうのはありますね」 

 

テレビ愛知が2024年6月に取材したときは、2品種が品切れでしたが、9月19日は半分以上の品種で「入荷待ち」となっていました。 

 

石うす屋中村米穀 中村公一店主: 

「この先どんどん新米が入ってくるので、入荷待ちはどんどん解消される。うちの店では10月の下旬くらいまでには元に戻ると思うが、2023年の今頃であれば、1キロ500円以下だったんですね。それがだいたい1.5倍から2倍近いものもあるので、かなり新米は高騰しています」 

 

米穀データバンクによりますと、2023年産の新潟・一般コシヒカリの市中取引価格は、1万5000円で取り引きが始まりました。その後、価格は上がり続け、2万6400円で終わりました。そして9月、待望の新米が出ましたが、価格は2万7700円と2023年産の新米の約1.8倍となっています。三重県産のコシヒカリも同じ傾向です。 

 

石うす屋中村米穀 中村公一店主: 

「私がやっている20年間でここまで上がるのはないですね。仕入れている我々の想像より上がっているのが現状なので、私たちも戸惑っています」 

 

 

生産を増やし余ったコメは輸出し価格を維持すればよいと指摘 

 

今後、コメの価格は落ち着くのか、専門家に話を聞くと… 

 

キヤノングローバル戦略研究所 山下 一仁研究主幹: 

「2025年の8月ぐらいまでは、この高いコメの価格は多分続くんだろうと思うんですよね。2025年産の米の作付が5月ぐらいから始まるわけですよね。多分今の状況だと米の作付量を増やすと思うんですよね。そうすると2025年の9月10月になると、また新米が出るんでそこは米価が落ち着いていくということになるんだろうと思いますね」 

 

政府「備蓄米」の放出を期待する声も上がりましたが… 

 

キヤノングローバル戦略研究所 山下 一仁研究主幹: 

「備蓄米を放出するんなら、早く放出して価格を下げておくべきだったんですよね。ところが、それをやらなかった。新米がもう出始めてる。新米が供給されると、今となってはその備蓄米を放出する必要がないから、備蓄米を放出するタイミングなくなるという」 

 

山下さんは、コメの品薄と価格の上昇について、農政の失敗だと指摘します。 

 

キヤノングローバル戦略研究所 山下 一仁研究主幹: 

「減反をして、しかも農家に補助金を与えて米の生産を減少させて、米価を高くする、そういう政策をずっと続けてきているということですよね。その根本的な矛盾がこうなってきてる」 

 

その上で山下さんは、コメの生産を減らし、国内の流通量を減らすことでコメの価格を高くするのではなく、生産を増やして、国内の流通量を増やし、必要以上に余ったコメを輸出することで、価格を維持すればよいと指摘します。 

 

キヤノングローバル戦略研究所 山下 一仁研究主幹: 

「輸出するということはいざというときの無償の備蓄なわけですよ。米価を下げて安定的に供給してもらえる。そういう政策を何で取らないのかということなんですね」 

 

愛知のニュース 

 

 

 
 

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