( 214013 ) 2024/09/21 16:48:46 0 00 北陸新幹線のルート
北陸新幹線は3月の金沢―敦賀間延伸後、新大阪までの全線開通が計画されている。小浜、京都両市を経由する予定で、早ければ2026年3月頃にも工事の実施計画が認可される見通しだ。一方で、工期の長さや資材価格の高騰などを踏まえ、敦賀に近い米原(滋賀県)で東海道新幹線に接続するルートへの変更を求める声も出ている。
「米原ルート」のメリットは、建設する距離が約50キロで、「小浜ルート」(139~146キロ程度)より短く、福井、滋賀県境付近を除いてトンネルを設ける必要がないことだ。国土交通省などの試算では、工期は10年程度で、小浜ルート(20~28年程度)より大幅に短く済むとされる。概算事業費も米原ルートがはるかに安い見込みだ。
しかし、米原ルートだと米原駅が終点となり、東海道新幹線に乗り換える必要がある。「東海道新幹線に乗り入れて新大阪や名古屋まで走れる」との意見はあるものの、▽運行システムが異なる▽東海道新幹線のダイヤが過密になっている――ため、北陸新幹線の乗り入れは事実上不可能だ。
運行システムの問題を解消するには、システムを大幅に変更し、すべての車両を新型にするか改修することが必要で、現実的ではない。東海道新幹線の運行本数は、リニア中央新幹線が完成すれば減る可能性があるものの、リニアが大阪まで開通する見通しは立っていない。
また、滋賀県は北陸線(敦賀―米原間)などがJR西日本から経営分離されることに同意しないとみられ、JR西の長谷川一明社長も記者会見で「小浜ルートが望ましい」と述べている。沿線自治体と運行主体・JRの同意は、整備新幹線の着工の条件とされており、米原ルート実現の道は閉ざされている。(高山智仁)
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