( 214166 )  2024/09/22 00:50:43  
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自民党総裁選の候補者討論会では小泉進次郎元環境相と石破茂元幹事長が批判の対象となっており、特に小泉氏の公約について解雇規制や年収の壁の問題が指摘されている。

小泉氏は討論会でしばしば質問され、逆に地歩を失っているという印象があり、石破氏の経済政策にも不安が広がっている。

ネット上でも小泉氏や石破氏に対する批判が多く、これが党員票にも影響している可能性がある。

党員票は討論会やネット上の動きを見て影響されるため、候補者の動向に注目が集まっている。

(要約)

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自民党総裁選の立候補者討論会に臨む各候補者(左から)高市早苗経済安保担当相、小林鷹之前経済安保担当相、林芳正官房長官、小泉進次郎元環境相、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長、茂木敏充幹事長=14日午後、東京都千代田区(関勝行撮影) 

 

【日本の解き方】 

 

自民党総裁選は連日討論会や演説会、テレビ出演などが続いている。これまでの論戦で株を上げている候補、下げている候補は誰か。 

 

【写真】父親まねた?髪形チェンジしていた頃の進次郎氏 

 

いろいろな情報を総合すると、国会議員票を集めているのは、小泉進次郎元環境相、小林鷹之前経済安保相、高市早苗経済安保相、石破茂元幹事長だ。党員票を集めているのは、石破氏、高市氏、小泉氏、上川陽子外相とみられる。 

 

第1回目の投票は、党員票と国会議員票が同じ367票なので、序盤選の情勢では、小泉、石破、高市の各氏が僅差で1~3位を争っているようだ。他の6人の候補者は今の段階では大きく水をあけられており、上位2人の決選投票に残る可能性は薄いと言わざるを得ない。 

 

国会議員票は、これまでの候補者とのつながりや有力政治家からの働きかけで決まってくるが、党員票は討論会その他を見て動く要素がある。石破氏や小泉氏の動きが鈍っているのに対し、高市氏の急伸ぶりが目を引く。 

 

3人の出馬会見は各者各様だったが、それぞれ無難であった。小泉氏はかなり用意周到に準備したようで、質疑応答では好感度が上がっていた。ただし、高市氏の会見内容は、各候補者より一段抜けていた。 

 

各候補者が出そろった討論会では、だんだんと小泉氏の質疑がかみ合わない場面が目立つようになった。特に、小泉氏が公約として掲げた「選択的夫婦別姓」「解雇規制の見直し」「年収の壁撤廃」に批判が集まっている。選択的夫婦別姓では、多くの日本人が今の制度の元で旧姓使用ができればいいとしているが、これまでの制度改正でそれらがほとんどできていることを小泉氏は無視している。 

 

解雇規制は、日本はそれほど厳しくなく、仮に緩和するなら米国や英国並みにするということになるが、それらの国では中央銀行に雇用の確保義務というセーフティーネットがあることを無視している。 

 

年収の壁も撤廃そのものはいいが、その手法で月収8・8万円以下のパート労働者を厚生年金に加入させれば今より負担増になってしまう。 

 

いずれにしても、質問が小泉氏と石破氏に集中しており、小泉氏が答える場面が多くなったので、そうした印象が強く出ている。当初、候補者が多いので小泉氏の答弁の時間が少ないと予想されたが、討論会を多くやるうちに、だんだんと各候補者の地金が出やすくなっており、小泉氏が株を下げている形だ。一方で石破氏の経済政策にも不安が出ている。 

 

 

ネットでは小泉氏や石破氏に批判が多く、これはいずれ党員票にも影響するだろう。実際、日本テレビによる党員を調査対象とする独自調査では、小泉氏の党員票は高市氏に逆転されている。 

 

ところで、こうした調査は党員名簿によるものだろうか。そうでない場合、5万~10万人を毎回調査対象としないと有意なサンプル数を集めることはできず、そうした大規模調査を毎週行うのはかなりの資金負担になるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) 

 

 

 
 

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