( 215556 )  2024/09/26 14:39:30  
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1966年に静岡で一家4人殺害事件が起き、死刑が確定していた88歳の袴田巌さんに対する再審で、静岡地裁が無罪判決を言い渡した。

再審では、衣類に付着した血痕が争点となり、袴田さんは逮捕後に入れた衣類が化学反応で赤みが残る可能性があると主張。

検察はこれを否定し、証拠捏造が行われたと訴えた。

確定判決から長い裁判の末、無罪が確定した。

(要約)

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袴田巌さん=代表撮影 

 

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定した袴田巌さん(88)に対するやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は26日、無罪判決(求刑・死刑)を言い渡した。 

 

【写真・図解まとめ】イチから分かる「袴田事件」 

 

 死刑囚に対する再審の無罪判決は、静岡県島田市で女児が誘拐、殺害された「島田事件」以来35年ぶりで、戦後5例目。 

 

 2023年10月から24年5月まで計15回開かれた再審では、「5点の衣類」に付着していた血痕が争点となった。 

 

 袴田さんは事件当時、みそ製造会社で働いており、5点の衣類は事件から約1年2カ月後、会社のみそタンク内から発見された。 

 

 5点の衣類には赤みが残っていたとされ、確定判決では犯行着衣とされていた。 

 

 弁護側は、袴田さんは事件の約2カ月後に逮捕されており、その前に5点の衣類をタンクに入れたならば、長期間のみそ漬けによって化学反応が起こり、赤みは消えるはずだと主張。捜査機関が袴田さんの逮捕後に入れて証拠を捏造(ねつぞう)したと訴えた。 

 

 検察側は、タンク内の酸素濃度は低く、血痕が黒く変色していく速度が遅いため、赤みが残っていても不自然ではないと反論。証拠捏造について「非現実的で実行不可能な空論だ」と述べていた。 

 

 袴田さんは確定審の公判でも無罪を主張したが、静岡地裁が68年9月、死刑判決を言い渡し、80年12月に最高裁で確定した。 

 

 第2次再審請求審で、静岡地裁は14年3月に再審開始決定を出し、袴田さんは釈放された。 

 

 東京高裁が18年6月に再審開始を取り消す決定を出したが、最高裁が20年12月、審理を高裁に差し戻し、東京高裁が23年3月、捜査機関による証拠捏造の可能性に言及するとともに、再審開始を認めて確定した。【巽賢司、丘絢太】 

 

 

 
 

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