( 215830 ) 2024/09/27 01:56:58 1 00 61歳の渡辺佳子さんがリゾートバイトを始めて1年が経過し、長く続けられるとは思っていなかったと話している。 |
( 215832 ) 2024/09/27 01:56:58 0 00 61才でリゾートバイトを始めた渡邊佳子さん。それから1年、こんなに長く続けられるとは思っていなかったという
繁忙期のリゾート地や観光地に一定期間住み込んで働く「リゾートバイト」。近年では、40~60代のミドル・シニア世代でも採用されるケースが増えてきたという。仕事に対する考え方が多様化する中で、シニアのリゾートバイトにはどんなメリット・デメリットがあるのか、経験者のリアルケースから探ってみよう──。
【写真】客室清掃の仕事は基本的に9~15時の6時間。夕方から時間を自由に使える点も、働きやすさの理由のひとつだそう
渡邊佳子さん(62才)は愛知県在住。20代は自衛官として勤務し、退職後に結婚。4人の子供たちを育て、その間コンビニエンスストアなどでパートとして働く。子供たちが独立し、夫婦ふたり暮らしとなったタイミングで66才の夫を自宅に残し、ひとりでリゾートバイトを始める。
「自分が還暦を迎えたとき、これまで悔いのない生き方をしてきたか振り返ってみたんです。そうしたら、ちょっと物足りないぞ、って(笑い)。子供たちも独立しましたし、これからは自分のために自由に生きたいと思いました。それを実現するために、まず家を出て自立しようと考えたんです」(佳子さん・以下同)
夫は典型的な“昭和の男”。無口で、夫婦の会話があまりなかったことも佳子さんが自立を考えた理由のひとつ。離婚とまではいかずとも、お互いが元気なうちにひとり暮らしの夢を叶えたかったという。
とはいえ、結婚後は短時間のパートくらいしかしたことがなく、60才を過ぎての職探しは厳しかった。お金をかけずにひとり暮らしをする方法はないか……。インターネット検索を繰り返し、辿り着いたのが、リゾートバイトの求人募集だった。
「これだ!と思いました。だって、食事付きで寮費も光熱費も無料。温泉にまで入れると書かれていて……。すぐに応募しました」
パートでの経験を生かそうと、人材派遣会社を通じてホテル内の売店販売員に応募したが、ホテル側は20代女性を希望しており、採用には至らなかった。そこで、人材派遣会社のアドバイスで応募職種を客室清掃に変更したところ、すぐに採用された。
「仕事は決まりましたが、問題は夫の説得。自分の気持ちを説明してもなかなか納得してもらえず、出発当日は半分、離婚覚悟で家を出ました」
職場は自宅から車で2時間半ほどの距離にある三重県内のリゾートホテル。
「家族に何かあったらすぐに帰れる距離にしました」
こうして始めたリゾートバイトの初日。初めて経験する客室清掃の仕事は、想像以上に重労働だった。仕事を終えた後は疲れ果て、食事をとる気力も湧かなかったという。 「これじゃあ続けられないと思いました。でも契約は1か月ですし、期間限定なら何とかがんばれるかな、と……。それに、体って慣れるんですね。続けていくうちに少しずつ自信がついていきました」
寮の環境も気に入ったため、契約の1か月が過ぎた時点で延長を希望した。
「好きなときに好きなものを食べて、疲れたときは誰にも気兼ねなく昼寝ができる。こんな自由な世界があったのかと、感動しました」
休みを利用して自宅に帰るうち、夫も少しずつ理解を示すように。最近では三重まで遊びに来てくれるなど、以前よりも良好な関係が築けるようになったという。
「いまは数か月働いたら1か月ほど自宅に帰り、また数か月働くという毎日を送っています。自由にさせてくれている夫にも、感謝しています」
60代で自分らしい働き方を見つけた佳子さん。休日は観光を楽しむなどして、自由を満喫している。
【リゾートバイト・体験DATA】三重県のホテルの場合 就労期間:2023年7月~現在(当初は1か月契約。その後延長を繰り返し現在も継続中) 勤務時間:9~15時 仕事内容:客室清掃 給与:1か月約14万円(手取り)
※女性セブン2024年9月26日・10月3日号
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