( 216538 )  2024/09/29 01:52:55  
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人間においても、托卵という言葉が注目されている。

これは、夫以外の男性との間にできた子供を夫に実の子供と思わせ、一緒に育てる女性を指す。

40代の会社員・吉田さんは再婚した妻が作った娘について、不妊症であることを理由に疑念を抱いている。

娘が「妻似」であったため、一応は安心していたが、本当の父親が気になり、DNA鑑定や遺伝子検査を考えている。

托卵には様々な背景があり、男性たちも複雑な思いを抱えている。

(要約)

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幸せそうな家族に複雑な事情が潜んでいることも(イメージ) 

 

 托卵という言葉がある。動物の習性の一つとして、自分の卵の世話などを他の動物に代行させることを指し、カッコウがすることで有名だ。これを人間に置き換え、「托卵女子」や「托卵妻」という造語が昨今SNSを賑わせる。こちらは夫以外の男性の間にできた子供を、夫に実の子供と思わせ、一緒に育てる女性のことである。 

 

 そうした「托卵」は10月17日からフジテレビで始まるドラマ『わたしの宝物』でもテーマとされるなど、注目度がますます高まっているが、リアルケースではどうなのか。「托卵の子を育てているかもしれない」という男性たちに、その経緯と胸中を聞いた。(前後編の後編。前編から読む) 

 

 都内でマスコミ関係の仕事をしている会社員・吉田さん(40代男性、仮名)はバツイチ。5年ほど前に再婚した妻と育てている娘について、「ほぼ確実に僕の子ではない」と“托卵”疑惑を抱いていることを明かす。 

 

「再婚当時、僕はギリギリ30代、一回り下の妻は20代半ばでした。結婚後、妻から早々に子供ができたと言われたのですが、そんなわけはないんです」(吉田さん。以下「」内同) 

 

 吉田さんが「そんなわけはない」と言い切れるのには、根拠がある。 

 

「最初の結婚のとき、子供が欲しかったのにどうしてもできませんでした。いろいろ調べると、完全に僕のほうに原因がある不妊だったんです。複数の病院で調べてもらったので、それは確定事項です」 

 

 その後、離婚した吉田さんは、「ヤケクソの時期があった」という。 

 

「妊娠しないのをいいことに、遊び放題というか。再婚もするつもりはなかったんです。今の妻との出会いは逆ナンで、押し切られる形で結婚しました。離婚から再婚までに間が空いていたこと、彼女が子供はいらないと言っていたこともあって、僕も不妊のことをすっかり忘れていました。今思えば、先に伝えておくべき話だったのかもしれません。いずれにせよ、そもそも僕に能力がないのに、彼女といきなり子供ができるというのは変な話です」(吉田さん。以下「」内同) 

 

 

 ただ、吉田さんは妻から子供ができたという報告を聞いた時、「よかった!」としか言葉が出なかったという。 

 

「『誰の?』と聞き返さなかったのは、よかったのか悪かったのか……。今思えば、僕が子供を生ませてあげられないので、他の男性の子供でもいいかなという、なんだか達観したような心境でしたね。その後も『養子を取ったと思えば大丈夫だ』と自分を納得させていました」 

 

 生まれた娘の血液型は、夫婦の血液型から見ても矛盾はなかった。さらに娘が「妻似」だったことで、吉田さんの心は救われたという。ただ吉田さんは、「やはり本当は誰の子なのかが気になる」と複雑な胸中を漏らす。 

 

「妻に対する疑念の気持ちが消えるわけではないのも事実なんです。相手が僕じゃないと明らかにしたほうが、連れ子としてきちんと接することができるのかもしれないと思うようになりました。1人になると、DNA鑑定や遺伝子検査の費用について調べてしまう自分がいます……」 

 

 托卵をする女性には女性の“言い分”があるのかもしれないが、その事情を知ってしまった男性たちもさまざまな想いを抱えているのだ。 

 

(前編から読む) 

 

 

 
 

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