( 218389 )  2024/10/04 02:18:49  
00

日本市場では、石破首相の追加利上げに後ろ向きな発言により円安が進行し、日本株が上昇した。

石破首相は金融関係者との意思疎通を重要視しており、この発言は市場に大きな影響を与えた。

さらに、米国市場でも円安が進行し、日本市場でも円安で輸出関連株が買われて日経平均株価が上昇した。

一方、香港株は中国の景気刺激策の影響で急上昇していたが、この日大幅安となっている。

為替市場では円相場が一時8月以来の安値に下落し、株式市場では日経平均株価が大幅に反発して1000円を超える上げとなった。

債券市場では、日銀の利上げ観測が後退し、超長期債を中心に下落が見られた。

石破首相の発言により、市場では利上げ観測が後退し、円安傾向が続く可能性がある。

(要約)

( 218391 )  2024/10/04 02:18:49  
00

石破首相 

 

(ブルームバーグ): 3日の日本市場は円が対ドルで下落。追加利上げに後ろ向きな石破茂首相の発言を受けた円売りが続いている。円安を受けて日本株は大幅高。 

 

石破首相、金融関係者との意思疎通が極めて重要-投資大国実現に向け 

 

円相場は一時1ドル=147円台前半と8月以来の安値を付けた。石破首相は日本銀行の植田和男総裁との会談後に「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と記者団に2日語った。米ADP民間雇用者数が予想を上回る増加となり米金利が上昇、米国市場で円安が加速した。日本市場でもこの流れが続き、円安で輸出関連株が買われて日経平均株価は一時1000円超の上げとなった。債券は下落した。 

 

石破氏が自民党総裁に選出された際に円は急騰、追加利上げに比較的前向きだとみられていた石破氏の利上げに後ろ向きな発言の影響は大きい。日本株とは反対に、中国人民銀行(中央銀行)の景気刺激策を受けて急上昇が続いていた香港株はこの日大幅安に転じている。市場関係者の注目は4日の米雇用統計を含む指標に移る。 

 

緩和環境維持「忍耐強く」、2%物価目標達成へ転換点-野口日銀委員 

 

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは石破首相の発言について、低い内閣支持率でスタートし衆院選に向かうことになり、「少しでもネガティブな要素を減らす、きつい言い方をすれば部分的には窮余の一策という面もあろう」と指摘した。日銀の年内といった早期追加利上げの可能性は政治の面から明らかに低下したとして、来夏にかけても経済に加えて政治の注視が欠かせないと予想した。 

 

為替 

 

円相場は一時1ドル=147円台前半と8月以来の水準に下落した。石破首相の早期追加利上げに対する後ろ向きな発言や、堅調な米雇用指標を背景に円売り・ドル買いが進んだ。 

 

午後に入ると下げ幅を縮小、1ドル=146円半ばで推移している。 

 

あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストはドル・円相場について「石破首相の発言だけでなく米ADP民間雇用統計が良かったので踏み上げが加速したが、ここから上にドルのロング(買い)で攻めていく環境にはない」と指摘。「10月日銀会合で利上げできないとしても12月は考えられる。円安となれば利上げに向けた動きも出てくる可能性がある」と述べた。 

 

 

株式 

 

日経平均株価は上げ幅が一時1000円を超えるなど大幅に反発した。石破首相が追加利上げに慎重な姿勢を示し、円安の進行が好感され自動車や機械などの輸出関連株が上昇した。2日の米国市場でエヌビディアなど半導体銘柄が高く、日本市場でも関連銘柄に買いが入った。 

 

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「石破首相の発言を受けてタカ派なイメージが払拭(ふっしょく)された印象がある」と指摘。円安が相場を押し上げている一方で、利上げ観測がやや後退したことから銀行株は軟調だと述べた。東証株価指数(TOPIX)33業種で銀行は指数押し下げ寄与度でトップだった。 

 

債券 

 

債券相場は超長期債を中心に下落。米長期金利の上昇を受けて売りが優勢だった。石破首相の発言を受けて日銀の利上げ観測が後退し、10年債入札が順調だったことで中期債は横ばいだった。 

 

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは10年債入札が順調に消化されたことについて、石破首相が利上げに慎重な見方を示したことを受けて、年内の利上げ観測が後退、「投資家の求める利回りに対する目線も切り下がった」と指摘した。 

 

新発国債利回り(午後3時時点) 

 

--取材協力:横山桃花. 

 

(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Hidenori Yamanaka, Yasutaka Tamura, Masahiro Hidaka 

 

 

 
 

IMAGE