( 219369 )  2024/10/06 18:16:40  
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巨人が4年ぶりのV奪回を果たした際、主将の岡本和真は非常に重要な存在だった。

岡本は打率.280、27本塁打、83打点で活躍し、3つのポジションを守る柔軟性を見せた。

岡本はメジャー挑戦の可能性もあり、評価は高い。

一方、阪神の大山悠輔がFA権を行使すれば、争奪戦が起こるとされている。

ともに今オフ、移籍や残留の動きが注目される。

(要約)

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巨人・岡本和真 

 

 4年ぶりのV奪回を果たした巨人。その原動力として不可欠な存在だったのが、主将の岡本和真だ。 

 

【写真】FA権を行使すれば巨人・阪神で争奪戦の可能性があるのはこの選手 

 

 今季は全143試合出場で打率.280、27本塁打、83打点。王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)、松井秀喜氏(現ヤンキースGM特別アドバイザー)に次ぐ球団史上3人目の7年連続30本塁打達成はならず、打撃タイトルは無冠に終わったが、数字だけでその貢献度は測れない。 

 

「今年の岡本は一塁を守る方針でしたが、坂本勇人が打撃不振で出場しないときは三塁に回り、三塁に坂本が入って一塁に大城卓三という攻撃的布陣の際は左翼に回った。不動の4番打者が3つのポジションを守るのは異例です。岡本がいたから色々な起用法ができたことは間違いない」(スポーツ紙デスク) 

 

 岡本は9月28日の広島戦でリーグ優勝した後のビールかけで、珍しく声を上ずらせていた。 

 

「僕はね、この瞬間をね、ずっと待ちわびてきました。でも1個言っていいですか。阿部監督、今から泣いていると、日本一になったら失神しちゃうんじゃない? でも、失神させにいきましょう」 

 

 昨年は自己最多の41本塁打を放ち、自身3度目の本塁打王を獲得したが、チームは2年連続Bクラスに低迷。主将として複雑な思いだっただろう。だが優勝すれば、首脳陣、選手、スタッフなどチームに関わるすべての関係者が喜べる。日本一を目指し、思いを新たにする中で気になるのが、岡本のメジャー挑戦だ。 

 

 ビールかけの後、岡本、坂本、浅野翔吾が日本テレビ系スポーツ番組「Going! Sports&News」に出演した際に、坂本の発言が話題になった。浅野が今月21日の広島戦(マツダ)で逆転負けにつながる失策を犯した自身の失策で落ち込んだ際、坂本は「これくらいでへこたれていたらジャイアンツのレギュラーは務まらない」と声を掛けたことを明かし、「(岡本)和真がメジャー行っちゃうかもしれないし」と続けた。隣で聞いていた岡本は無表情を貫いていた。 

 

 

■「岡本のメジャーへの思いは周知の事実」 

 

 巨人を取材するスポーツ紙記者はこう振り返る。 

 

「あの発言は坂本のジョークだと思います。ただ、岡本がメジャー挑戦の思いを抱いていることは周知の事実です。ファンは巨人で不動の4番を張ってこれからも活躍してほしいという思いがあるでしょうけど、どういう決断を下すか。巨人でやり切ったと思うなら、今オフに球団の許可を得た上でポスティング・システムを利用する可能性があります」 

 

 メジャーの評価はどうだろうか。選手の代理人はこう語る。 

 

「今年は30本塁打に届かなかったが、日本球界を代表する強打者である評価は揺るがない。大きなプラスアルファになるのが内外野3つのポジションを守れることです。一、三塁はゴールデングラブ賞を受賞できるレベルで、外野も巧いとは言えないが無難にこなせる。メジャーでは一、三塁で起用される選手は打撃重視です。不調になればスタメンから外されるが、外野を守れれば我慢強く起用してもらえる。28歳という年齢を考えると、メジャー挑戦は今が脂の乗りきった良いタイミングといえる。国際試合で初対戦の投手にもうまく対応していたし、打率.260、20本塁打、70打点をクリアできるのでは」 

 

■阪神・大山がFA権行使なら争奪戦に 

 

 もし、岡本がメジャー挑戦することになれば、巨人はスラッガーの補強が不可避になる。大城は「強打の捕手」としては魅力だが、一塁のレギュラーとしては攻守ともに物足りない。一塁を守る長距離砲として、ピタリと当てはまるのが今季FA権を取得した阪神・大山悠輔だ。 

 

 実績を見れば、岡本の方が大山より上だが、プロ通算137本塁打をマークしている大山も魅力的な選手であることは間違いない。コロナ禍により120試合制で開催された20年には自己最多の28本塁打をマーク。岡本とシーズン終盤まで熾烈なタイトル争いを繰り広げた。昨年は全143試合出場で打率.288、19本塁打、78打点をマーク。リーグ最多の99四球を選び、最高出塁率(.403)のタイトルを獲得している。 

 

 

 今季は打撃不振で6月にファーム降格を味わうなど、打率.259、14本塁打、68打点。球団史上初のリーグ連覇を逃したが、得点圏打率.354と勝負強さは健在だった。他球団のスコアラーはこう分析する。 

 

「岡本、村上宗隆(ヤクルト)のような派手さはないですが、チャンスの場面できっちり走者を返す。打撃タイトルと縁がないですが、広い甲子園球場を本拠地にしていることが影響しているでしょう。セ・リーグの在京球団でプレーしたら30本塁打を軽くクリアできると思います。大山が守れる一塁、三塁のレギュラーを固定できていないチームは多いですし、FA権を行使するとなれば複数球団の争奪戦になることは間違いないでしょう」 

 

■「永遠のライバル」間のFA移籍は実現するか 

 

 大山は昨オフの契約更改で球団側から複数年契約を提示されたが、単年契約を結んだことが報じられている。阪神を取材するテレビ関係者は、「チームに不満があるとかではなく1年1年が勝負という思いが強いと思います。性格的にも冒険を好むタイプではないので、環境を変えず阪神に残留する可能性が高いと思いますが……。阪神としても、来季のV奪回に不可欠な選手なので全力で慰留することになるでしょう」と話す。 

 

 大山がFA権を行使すると、「永遠のライバル」と形容される巨人、阪神の球団間で争奪戦も予想される。この2球団の間でFA移籍が実現したことは過去に一度もない。 

 

 岡本のメジャー挑戦を巨人が今オフに容認するか。そして、その場合に巨人がどのような補強策に動くか。今年のオフは激動があるかもしれない。 

 

(今川秀悟) 

 

今川秀悟 

 

 

 
 

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