( 220751 ) 2024/10/10 16:00:36 0 00 高市早苗前経済安保相
10月27日投開票の衆院選に向け、石破茂首相は自民党派閥のいわゆる裏金問題をめぐって、政治資金収支報告書に収入を記載せず「党員資格停止」の処分を受けた議員などを公認しない方針を明らかにした。加えて、不記載があった議員の比例代表の重複立候補を認めない方針も示され、党内からは賛否両論相半ばする状況のようだ。
【写真】「わぁ、こんなにきれいな人がこの世にいるのか!」 総裁選に勝利した石破総理は慶大時代、妻・佳子さんにひとめぼれしたという
結果、党内を二分する形となっているのだが、総裁選の決選投票を石破氏と争った高市早苗前経済安保相が総裁・首相になっていた場合、裏金議員の公認などはどうなっていたのだろうか。
「石破首相が打ち出した方針によって、党員資格停止の処分を受けた下村博文元文科相、西村康稔元経産相、高木毅元国対委員長と、1年にわたる党の役職停止の処分が継続していて、政治倫理審査会での説明を行なっていない萩生田光一元政調会長、平沢勝栄元復興相、三ツ林裕己衆院議員の6人が少なくとも非公認となる見通しです」
と、政治部デスク。
「公認されない議員については今後増える可能性があります。また、処分の有無にかかわらず収支報告書に記載していなかった議員は、小選挙区と比例代表との重複立候補を認めない予定です」(同)
国民の声に耳を傾ける姿勢をアピールして、今回のように裏金議員をできる限り排除するスタンスを打ち出すか、党内融和を尊重して裏金議員か否かに関係なく公認や重複立候補を認めるか。石破首相にはそのいずれかの選択しかなかったとされる。
「そうですね、もはや国民の声に耳を傾けるシナリオしかなかったと見られています。とにかく早期に解散総選挙に打って出て、裏金の記憶を払拭したいとの思いが政権幹部の間で共有されているようでした」(同)
決断のプロセスはさておき、この決断そのものは当事者以外からはそれなりに評価を得ているようにも見える。処分なしよりははるかにいい、というのは裏金と関係のない自民党議員の本音だろう。一方で、追加処分を受ける形となった、いわゆる「裏金議員」からすれば、酷い仕打ちとなる。両者が納得する落としどころは存在しないというのは衆目の一致するところだ。
では、「もし高市さんが総裁だったら」どんな対応をしたのだろうか。
「そういった指摘や疑問はそれなりに持ち上がっており、みな思い思いに語っているような状況ですね」(同)
高市氏をめぐっては推薦人20名のうち13名が裏金議員とされている。
その点を9月17日に放送された『News23』(TBS系)で突かれた高市氏は「裏金議員という言い方は正しくない」「不記載のあった方ということで、それぞれ事情があって、選挙区で説明を尽くされて、納得いただいている方もいらっしゃる。不記載分を派閥に返金された方もいると聞いている」「今は再発防止策をしっかりやることだと思っている。政策活動費は廃止。特定の幹部が使い道を決めるのではなく、最低限の政治活動ができるように公平に配分し、それをチェックする。そういう形を作っていきたい」などと述べた。
「さらに“どなたが推薦人になってくださったかは知りません”とまで話し、推薦人選びへの関与を否定しました。前もって突っ込まれることは想定していたと思いますが、多くが納得できる回答ではなかったですね。仮に首相・総裁になっていれば必ず突っ込まれたポイントだったでしょう」(同)
もともと「裏金問題」とはまったく関係がない石破首相ですら、「全員公認」という観測が出た時には猛烈な批判を浴びたのだから、「高市総裁」がそのような判断を下した時の反発の大きさは想像に難くない。
高市氏の人気は一部で非常に高い。しかし、過去の発言が問題になるという点では石破首相と同等、あるいはそれ以上ではという見方があるのだという。
「高市氏に関しては総裁選中に“いま利上げ、アホ”などといった発言がありました。本心であっても日銀を牽制するような発言はあまりに不用意だと言われていました。一部の議員が決選投票で投票を回避したとされる“靖国参拝発言”も同様で、現在、高市氏をめぐっては、“黙っていた方がいい、喋るのは良くない”といった指摘がなされていますね。本人もそのようにしているようです。仮に総裁選を勝ち抜いていれば、石破氏とは真逆のアプローチをしていたことでしょう。超早期の解散戦略には乗っていなかったかもしれませんし、世論の反応云々に関係なく、裏金問題に関与した議員の公認を否定せず、比例代表との重複立候補を認めていた可能性もあると見られています」(同)
周辺の助言があったか、いまのところ高市氏はさまざまな問題についてダンマリを決め込んでいるようだ。沈黙は金と考え、来るべきタイミングをうかがっているのかもしれない。
デイリー新潮編集部
新潮社
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