( 222244 ) 2024/10/14 15:45:20 1 00 自民党内の混乱が続く中、参院選に立候補する候補者や選挙区について注目されている。 |
( 222246 ) 2024/10/14 15:45:20 0 00 参院政倫審で質問に答える世耕弘成氏
石破茂首相は9日に“裏金議員”12人を非公認にすると発表し、自民党内は大きな混乱に見舞われている。15日の公示を間近に控え、事実上の選挙戦がスタートした。東海・近畿の注目選挙区について、政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に聞いた。
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【東海ブロック】
1日に名古屋市長の河村たかし氏が立候補を表明し、激震が走った愛知1区。河村氏は今回、作家の百田尚樹氏とともに代表を務める政治団体「日本保守党」から出馬する。
角谷氏は、「河村氏はもともと国会議員で、市長時代もたびたび『総理を狙う男』と公言してきた。いよいよ動き出したか」と河村氏は勢いそのままに国政に乗り込む未来を予想する。
河村氏といえば、表敬訪問を受けた五輪選手の金メダルを噛んだり、“愛知県知事リコール署名偽造事件”への関与が疑われたりと、たびたび物議をかもしてきた“お騒がせ市長”だ。それでも、野上氏によると、地元関係者からは「河村は侮れない」という声が聞こえてくるという。
「なんといっても話題性が抜群なんですよ。選挙では、その候補の名前がどれだけ浸透しているかが物を言う面がある。投票所の出口で有権者に取材すると、『良い悪いは分からないけれど馴染みのある名前を書いた』と話す人は少なからずいるものです」(角谷氏)
■維新と公明の接戦となる区はどこ?
【近畿ブロック】
前回の衆院選では、日本維新の会は「大阪都構想」の住民投票実現に向けて協力しあった公明党候補のいる6選挙区(大阪3区・5区・6区・16区と、兵庫2区・8区)には候補者を立てなかった。しかし、今回は「維新vs.公明」の初対決が実現。その行方に熱視線が送られる中、野上氏は、かつて「常勝関西」とまで称された公明の大敗を予想する。
「公明は一時、全敗説までささやかれていた。昨年は池田大作氏が亡くなり、今年は代表の山口那津男氏が退任。ただでさえ学会員の高齢化が叫ばれる中、リーダー二人がいなくなったことは士気に影響します。学会員は選挙のたび、非会員の友人知人に公明党への投票を呼びかけますが、今回は自民党への逆風もあって“F(フレンド)票”は伸び悩むでしょう。とはいえ、公明党発祥の地である大阪には根強い支持者がいるし、維新はかつての勢いを失い、地方選挙で負けが続いている。公明も意地を見せて、全敗はなんとか阻止するのではないか」
角谷氏も「大阪はほぼ維新一色。自民はぺんぺん草も生えないような惨敗」と予想するが、一部の選挙区では公明候補にもチャンスがあるという。
「大阪3区、5区、6区では維新と公明の接戦が予想されます。また、斎藤元彦・元兵庫県知事のパワハラ疑惑の追及で、維新は対応が後手に回って評価を下げたため、兵庫の維新候補は大阪の候補ほど楽はできないはず。対する公明は底力を見せられるか」(角谷氏)
一方、“裏金議員”のいる選挙区として注目されるのが、兵庫9区。自民党派閥のパーティー収入不記載事件をめぐり1年間の党員資格停止処分を受けた、前経済産業相の西村康稔氏の地元だ。
安部派5人衆の実力者は、4月4日の処分直後から地元でのお詫び行脚をスタートした。6日に兵庫県立明石公園で配ったビラには「猛反省し、裸一貫で再出発する覚悟」などとつづられていた。
「徹底したどぶ板選挙が功を奏し、地元では『西村さんは鼻持ちならない印象だったけど、ちゃんと反省するんだね』などと受け入れられているようです。汚名返上で8期連続当選の可能性は十分にあります」
野上氏は当初こう話していたが、10月9日、西村氏が裏金問題への関与により自民党の公認を得られず、無所属で出馬すると報じられると、当落評価を〇から▲に変更した。
「地元からすれば、すっかり威信が地に落ちて先が見えている人に、わざわざ票を入れないでしょう。一部の熱心な自民党支持者は応援してくれても、ある程度の票が維新に流れるかもしれない」
さらに角谷氏は、「前明石市長の泉房穂氏が、立憲候補である橋本慧悟氏の応援に回れば、橋本氏が勝つ可能性は十分ある」と分析する。
■世耕氏に「脱法的行為です」と憤る県連
和歌山2区は、保守分裂選挙の様相を呈している。“自民党のドン”こと二階俊博氏が絶対的な力を誇る“二階王国”では今回、二階氏の後継者として三男・伸康氏が自民党の公認を得て出馬する。その対抗馬として名乗りを上げたのが、自民党派閥の裏金事件をめぐる離党勧告処分を受け、党を去った前参院幹事長の世耕弘成氏だ。
無所属でのくら替え出馬という世耕氏の暴挙に、自民党和歌山県連の中村裕一幹事長は「当選したら復党するなどということは、党規をないがしろにする脱法的行為です」と厳しく批判する「談話」を発表。自民関係者の大反発を招いているが、野上氏によると、勝機があるのは世耕氏のほうだという。
「二階氏の体調不良が相次いで報じられ、地元での影響力は落ちてきている。二階離れが進む中、選挙区調整によって区割りも変わり、世耕氏は『今なら勝てる』と読んだのでしょう」
角谷氏も「二階氏は県連における実権を握ってはいるものの、息子の伸康氏のために選挙戦で動き回れるような状態ではない」と、世耕氏優勢の評価だ。
さらに世耕氏が伸康氏を下して当選したあかつきには、世耕氏は再び自民党に迎え入れられる可能性すらあるという。
「議席を少しでも上積みするため、世耕氏を自民党議員として公認する道を選ぶかもしれない。なんといっても、“最後は何でもあり”の自民党ですから」(角谷氏)
(AERA dot.編集部・上田耕司、大谷百合絵)
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