( 222544 )  2024/10/15 15:23:36  
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15日に公示された衆院選挙で、立憲民主党の新人候補である有田芳生氏が東京24区に立候補した。

彼は元参院議員であり、前職である萩生田光一氏を党公認での立候補を見送った党派閥パーティー収入記載事件での汚名を返上するための〝刺客〟として挑む。

有田氏陣営は市民運動家らが主導する選挙戦を展開し、萩生田氏を「安倍政治」の残党として批判。

有田氏は萩生田氏への批判を展開し、党執行部も非公認とするなど、24区の選挙は政権交代を求める象徴と位置づけられている。

(要約)

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衆院選の候補者の街頭演説に駆け付けた聴衆=15日午前、東京都八王子市(桐原正道撮影) 

 

衆院選(27日投開票)が公示された15日、立憲民主党の元参院議員の新人、有田芳生氏(72)は東京24区に立候補した。自民党派閥パーティー収入記載事件で党公認が見送られた前職、萩生田光一元政調会長(61)への〝刺客〟となる。立民は野田佳彦代表が有田氏の第一声に駆け付けるなど「裏金政治文化を粉砕する象徴的選挙区」(野田氏)に位置づける。一方で、有田氏陣営は政党ではなく市民運動家らが主導する選挙戦を展開する構えだ。安倍晋三元首相の側近だった萩生田氏を「残党」として「安倍政治」の清算を掲げる。 

 

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■安倍氏死去に伴う山口4区補選も 

 

「裏金だけではなく、カルト教団にべったりの政治を、総選挙を通じて八王子から終わらせようではないか」 

 

有田氏は15日、JR八王子駅前で届け出後最初の街頭演説に臨み、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係と絡めながら萩生田氏への批判を展開した。 

 

萩生田氏は不記載事件を巡り、不記載の額が自民の前議員中3番目に多かった。党執行部は萩生田氏が衆院政治倫理審査会に出席していないことなどを指摘して、今回は非公認とした。立民は萩生田氏が自民の大物議員であることも踏まえ、枝野幸男元代表を14日に有田氏の応援に投入するなど、24区を政権交代を目指す上での象徴と位置づけ、特に力を注ぐ。 

 

有田氏はジャーナリストとしてオウム真理教の追及などで注目を集め、平成22年の参院選比例代表に民主党から立候補して初当選した。29年に結党した立民に入党したが、令和4年の参院選比例代表で落選した。その後、安倍氏の死去に伴う5年4月の衆院山口4区補欠選挙に出馬したが、自民の新人にダブルスコアで敗れている。 

 

浪人中の有田氏に東京24区出馬を口説き、有田氏が出馬を決断する決め手となったのが、八王子の市民運動家だったという。 

 

今月7日夜、市内のホールで開かれた有田氏の出馬会見。背後に数十人の市民らが控える独特な雰囲気の中、有田氏は国政選挙で野党連携を支援する「市民連合」と政策協定を交わすと、「日本全体を変える象徴として八王子で新しい政治の枠組みを作りたい」と強調した。 

 

八王子市には創価大学があり、公明党の支持母体、創価学会の影響力も一定程度あるとされる。有田氏は萩生田氏への推薦を見送った公明側に会見で秋波も送ったが、「市民が主体の新しい八王子モデル」の構築を主眼に据えるという。八王子の市民運動の歴史を振り返り、「立民が前面に出て目立つような選挙にするつもりは全くない」と述べると、後方から拍手が沸いた。 

 

 

ただ、市民運動家が主導する集会での言動は、過激な面も否めない。 

 

■萩生田氏事務所前でデモ隊が挑発 

 

12日午後。八王子市の中心部で「裏金カルト議員はいらないアクション」と銘打ったデモ活動が行われた。集まった70人はのぼりやプラカードを手に「コール」を繰り返していく。 

 

「萩生田議員を落選させよう」「裏金カルトの議員は要らない」 

 

萩生田氏の落選運動の様相を呈すデモ活動は、萩生田氏の選挙事務所前に差し掛かると、ボルテージも上がった。「出てこーい」「出てこいよ」など挑発的な言葉が飛び交った。 

 

解散場所であいさつした有田氏は「物価は上がり、賃金は下がりっぱなしのアベノミクス。全国で差別の扇動も行われた。すべての問題で安倍政権が国民を苦しめた。総決算しないといけない」と安倍氏にも矛先を向けた。出席した市民運動家は「八王子市民以外の皆さんも集まったが、雰囲気はとても良く、これだけ声援を受けたのは久々だ」と手ごたえを語った。 

 

翌13日には法政大名誉教授の田中優子氏を市内の会館に招き、有田氏とのパネルディスカッションが開かれた。多くの支援者が駆け付け、当初用意した椅子では足りず、立ち見や座り見も出るほどの盛況ぶりだった。 

 

有田氏は萩生田氏について、自身が追及したオウム真理教や旧統一教会、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)を挙げて、「その延長として今度は八王子市で〝やばい人〟というように因縁みたいなものだ」と萩生田氏をくさすと、会場は笑いで応えた。 

 

田中氏は先の自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が決選投票に残ったことについて、「まずいと思った。日本の歴史に残る最初の女性総理…恥ずかしい」と述べ、「安倍晋三が女装して現れた。女性がどういう歴史を歩み、政治がそれに対して何をしないといけないのか、一度も考えたことない」と切り捨てる。 

 

一方、有田氏の陣営の選挙手法に対して冷ややかな見方もある。 

 

24区に出馬した候補の1人は「(有田氏陣営の)革新系の選挙手法に疑問を持っている有権者は少なくない」と述べた上で、萩生田氏への落選運動を念頭に「選挙区荒しは有権者に対し失礼だ」と突き放した。 

 

東京24区には有田、萩生田両氏のほか、参政党新人の与倉さゆり氏(40)、無所属新人の畑尻文夫氏(69)、国民民主党新人の浦川祐輔氏(31)、日本維新の会の新人の佐藤由美氏(52)も立候補した。(奥原慎平) 

 

 

 
 

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