( 224531 ) 2024/10/21 01:33:16 0 00 カフェでさくっと休憩しようと思っていたら…(イメージ)
相変わらず、海外からたくさんの観光客が溢れている東京の繁華街。休日ともなれば渋谷、新宿、池袋などは国内の買い物客と海外からの観光客とで大混雑になっている。そうしたなかで浮き彫りになっているのが、カフェなどの休憩場所が足りないという問題である。外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。
【写真】行列のできるラテアート専門店でチャンピオンバリスタが生み出す極上ラテの美しさ
「渋谷や新宿はカフェチェーンの店舗数も多く、休憩のためにお茶をする場所なんていくらでもあるように思えますが、休日はどのカフェもフルタイムで満席状態。注文カウンターの前に行列ができるのは当たり前ですし、空席を探して店内をウロウロと歩いている人も多い。ファミレスも入店を待つ行列が常にできている状態です」
都内に住む会社員のAさん(30代女性)は今年の夏のある土曜日のこと、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催されたコンサートに友人と一緒に行った際、カフェを求めてさまよう羽目になったという。
「コンサートの前に渋谷で友人とお茶でもしようということになり、開演1時間前くらいに私が先に渋谷公会堂近くのカフェに入って、そこで友人と待ち合わせをすることになったんです。ある程度覚悟はしていましたが、実際は想像以上でした……」
付近のカフェを何店か回ったAさんだったが、どこにも空席はない。数件目に訪れたカフェで偶然1組の客が退店の用意をしていたので、ひとまずその席を確保したが、今度は「オーダーがなかなか出てこない」という事態に見舞われる。
「そのカフェはセルフレジで注文して、ドリンクができたら番号が呼ばれてカウンターで受け取るというシステムでした。セルフレジには4人並んでいて、注文に時間はかからなかったんですが、そこからがたいへん。カフェオレ1杯を頼んだだけなのに、待てど暮らせど全然番号が呼ばれない。モニターに映された“お待ちのお客様の番号”を確認したら、なんと30組くらいが待っているんです。結局、私の番号が呼ばれたのは注文してから30分ほど経ったころでした。
あとから合流した友人も注文しましたが、やはりドリンクが出てくるまで30分くらい待ちました。延々とドリンクを待つ羽目になって、逆に全然ゆっくりできませんでした」
コンサートなどのイベントが行われている会場付近のカフェは、通常より混雑しやすい傾向がある。前出の小浦氏はこう話す。
「渋谷公会堂の近くには国立代々木競技場第一体育館もあり、ここでコンサートなどが行われていると、開場前に時間を潰すお客さんで昔から付近のカフェはかなり混雑します。さらに近年は海外からの観光客も増え、より混みやすくなっているのは確かでしょう。週末に関しては、明らかに需要に応えきれていない様子が見て取れます」
カフェチェーンだけでなく、喫茶店も混雑しているようだ。都内に住む会社員のBさん(50代男性)が話す。
「休日は時々妻といっしょに新宿で買い物をしたり映画を見たりしつつ、喫茶店で休憩するのが定番コースでした。でも、最近はどこの喫茶店も混んでいて、なかなか入れなくなったように思います。最初は仕事をしている人で混んでいるのかと思いましたが、必ずしもそういうわけではない。休憩のためにわざわざ並ぶのもバカバカしいので、最近は買い物を済ませたらすぐに帰るようになりました」
渋谷や新宿以上に、カフェが少ないのがお台場だ。前出の小浦氏はこう話す。
「お台場は、渋谷や新宿に比べて人が少ないとはいえ、カフェなどの休憩場所の数も圧倒的に少ない。各ショッピングモールに1店舗か2店舗ほどカフェがありますが、休日は常時満席状態ですね。ダイバーシティ東京 プラザにある比較的大きめなフードコートも大混雑です。2022年3月にヴィーナスフォートが閉館し、そこにあったカフェやファストフードがなくなった影響もあると思います。ちなみに、お台場のサイゼリヤも今年4月に閉店し、またひとつ手軽な休憩場所がなくなってしまいました。
お台場の場合、ショッピングモール内にレストランがあって、食事にはそこまで困らないんですが、カフェのような気軽に休める場所が足りていない印象です。もちろん、かつてほどお台場に人が集まらなくなってはいるものの、海外からの観光客も買い物客も多いですし、イベントも頻繁に開催されている。カフェのような休憩できる店舗への需要はかなり高いと思います」
コロナ禍では閉店する喫茶店もあったが、すっかり街なかに人が多くなった昨今。都心の繁華街ではカフェのニーズに対して、需要が追いついていない現状があるようだ。(了)
|
![]() |