( 225144 )  2024/10/22 17:31:44  
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2025年度から、防衛省は潜水艦に搭載できる水中発射型垂直発射装置の研究を開始する。

これにより、潜水艦が陸上施設を長距離ミサイルで攻撃できるようになる。

技術的課題があり、研究には模型やシミュレーターが使用される。

高水圧に耐えられる船殻の開発が重要で、研究費は約300億円ほどかかる見込み。

潜水艦は探知が難しく、攻撃時に残存することで相手国に対して脅威となる。

潜水艦にVLSを搭載する国は、米国、中国、ロシア、韓国、北朝鮮などである。

(要約)

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防衛省 

 

防衛省は2025年度から潜水艦に搭載できる水中発射型垂直発射装置の研究に着手する。現在の海上自衛隊の潜水艦は魚雷のように水上や水中の敵艦向けの兵器しか積んでいない。垂直発射装置を搭載すれば陸上施設を長距離ミサイルで攻撃できるようになる。発射プラットフォーム(基盤)を多様化し、戦力と抗堪(こうたん)性の向上につなげる。 

 

【写真】三菱重工が進水式、防衛省向け潜水艦「ちょうげい」 

 

垂直誘導弾発射システム(VLS)は海自のイージス艦などに搭載済みだが、潜水艦に搭載する場合は①誘導弾を海中から発射した際に船体の動揺を制御できるか②発射直前にハッチを開口した時に船殻(せんこく)が水圧に耐えられるか③船体が傾いた状態で発射しても誘導弾を垂直に飛ばせるか―など乗り越えるべき技術的課題が複数ある。 

 

ただ、「潜水艦の深度や海中の状態によっても条件は変わる」(防衛省)ことから、模型やシミュレーター装置を使って研究を進める方針だ。 

 

高水圧に耐えられる船殻の開発に向けて、合金技術や発射時に用いるガス制御技術などの研究がポイントとなる。現在の潜水艦を改装するだけでVLSを搭載可能なのか、あるいは新型潜水艦に搭載すべきかについても併せて研究する。29年度までの5カ年の研究で、研究費総額は約300億円を見込む。25年度予算の概算要求に相当額の300億円を計上した。 

 

潜水艦は海中深くを航行するため、宇宙衛星やレーダーを使った探知に見つかりにくいことが最大の強み。陸上基地や滑走路が先制攻撃で大規模な被害を受けても、潜水艦が残存していれば相手国には脅威となり、抑止力になり得る。VLSを搭載した潜水艦は現在、原子力潜水艦を含め、米国と中国、ロシア、韓国、北朝鮮などが建造している。 

 

 

 
 

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