( 225309 )  2024/10/23 01:56:57  
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漫画家の弘兼憲史氏が原作となる『社外取締役 島耕作』が描いた沖縄・辺野古埋め立て工事をめぐる描写が物議を醸している。

描写が事実でないとして謝罪が行われ、さらに弘兼氏が防衛省の広報アドバイザーに就任していたことも問題となっている。

一連の騒動に対しては厳しい意見も出ており、フィクション作品であっても抗議活動をしている人たちを傷つける内容には問題があるとの指摘もされている。

(要約)

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弘兼憲史氏(写真・時事通信) 

 

「弘兼憲史 画業50周年!」 

 

 そんなキャッチとともに、島耕作のイラストが表紙を飾った漫画雑誌『モーニング』の10月17日発売号。この号における弘兼氏原作の『社外取締役 島耕作』での、沖縄・辺野古埋め立て工事をめぐる描写が問題となっている。 

 

【写真あり】辺野古基地の建設をめぐり、いまも続く攻防 

 

「主人公の島耕作が沖縄を訪れた際、辺野古近くで現地の女性らと会話するシーンです。女性は、島たちに辺野古の埋め立て地や、海上に浮かぶ船について『あれは反対派の抗議船が来ないか監視しているアルバイトの漁船です』と説明。そんなアルバイトがあるのかと驚く島に、女性は『抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ 私も一日いくらの日当で雇われたことがありました』と語りました。 

 

 このセリフに対し、SNS上で『デマだ』『沖縄へのヘイトだ』といった指摘が殺到。『モーニング』編集部と弘兼氏は10月21日、『モーニング』の公式サイトに連名で謝罪文を発表しました」(社会部記者) 

 

 公式サイトは「モーニング46号(2024年10月17日発売)『社外取締役 島耕作』に関するお詫びとお知らせ」と題して、 

 

《本作執筆にあたり作者・担当編集者が沖縄へ赴き、ストーリー制作上必要な観光業を中心とした取材活動をいたしました。その過程で、「新基地建設反対派のアルバイトがある」という話を複数の県民の方から聞き作品に反映させました》 

 

 と経緯を説明。 

 

《しかし、あくまでこれは当事者からは確認の取れていない伝聞でした。にもかかわらず断定的な描写で描いたこと、登場キャラクターのセリフとして言わせたこと、編集部としてそれをそのまま掲載したことは、フィクション作品とはいえ軽率な判断だったと言わざるを得ません》 

 

 とし、さらに 

 

《編集部と作者の協議の上、単行本掲載時には内容の修正をいたします》 

 

 と結んだ。 

 

「しかし、今度は弘兼氏が防衛省の広報アドバイザーに就いていたことが指摘され、問題が再燃しています。弘兼氏は2023年8月、女優の志田音々さん、登山家の野口健さん、お笑いコンビ『ペナルティ』のヒデさんら7人とともに、防衛省の広報に協力する『広報アドバイザー』に就任しました。 

 

 また東京新聞によれば、米海兵隊岩国基地がある山口県岩国市出身の弘兼氏は、過去に安倍晋三元首相との対談のなかで、『私みたいな“基地歓迎派”の意見は無視されてしまいます』と語ったことがあるそうです」(前出・社会部記者) 

 

 これら一連の騒動に、Xでは、 

 

《島耕作の作者、防衛省の広報アドバイザーとか。完全なる確信犯だな》 

 

《「島耕作」のデマは防衛省が書かせたのですか?それとも弘兼憲史の独断ですか?》 

 

《日当もらってるアルバイトは弘兼氏の方だったというオチ》 

 

 など、弘兼氏に対する厳しい意見が複数、並んでいる。 

 

「少なくとも“日当デマ”については、これまでに何度も問題視されてきた内容なので、裏取りもなくそのまま掲載するのは、あまりに安易な判断でした。ただ、一部のファンからは『フィクションなのだから問題視するな』といった声も出ています。しかしいくらフィクションとはいえ、実際に抗議活動をしている人たちを傷つける内容に、問題があることは変わらないでしょう」(前出・社会部記者) 

 

 現地の人たちの思いは、いかばかりか。 

 

 

 
 

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