( 226559 )  2024/10/26 15:48:41  
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埼玉14区の公明党新代表である石井啓一氏が国民・鈴木義弘氏にリードされている状況でピンチに立たされている。

岸田文雄前首相や他の重要な政治家の応援も受けているが、裏金候補を推薦したことによる有権者の反発や逆風があり、選挙区内での最終活動日となる26日も激しい戦いが続いている。

一方で、石井氏のライバルである鈴木氏は中小企業支援や物価高対策の提案で支持を広げつつあり、国民民主党の追い風も受けている。

(要約)

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演説を行った岸田文雄前首相(左から2人目)と石井啓一氏(右)(撮影・塩野 遥寿) 

 

 埼玉14区で出馬した公明党の新代表・石井啓一氏がいきなりピンチに立たされている。各社の情勢調査では国民・鈴木義弘氏にリードされているとも報じられ、25日には草加市の松原団地西口公園で「本当に厳しい選挙戦。残り1日、どうか皆さまのお力で勝たせてください、逆転勝利をさせてください!」と声を張り上げた。 

 

 党代表として、本来は仲間の応援で全国を回りたいところだが、自身の選挙区を簡単には離れられない状況だ。しかも、この日は自民党の岸田文雄前首相の応援付き。岸田氏は「さまざまな分野で結果を出してきたのが自民党、公明党の連立政権。口先だけの野党とは違う」と自公連立政権の結束を強調した。 

 

 岸田氏だけでなく“重量級”の応援が続く。13日の街頭演説では就任後初の街頭演説となった石破茂首相、15日は東京都の小池百合子知事が隣に立ち、応援を受ける側となっている。戦後最速の超短期決戦となった選挙に対して「一番早いケースでもやれる態勢を準備している」と自信の表情だったのがウソのようだ。 

 

 15年間代表を務めた山口那津男氏に代わり、今年9月末に代表就任。93年の初当選以来、比例代表東京ブロックなどで当選を重ねてきたが、今回は小選挙区に初挑戦。「代表が重複をやると士気が下がる」と比例重複を辞退したため、落選すると後がない状態だ。 

 

 支持が伸びない要因に、自民が非公認とした兵庫9区・西村康稔氏、埼玉13区・三ツ林裕巳氏ら裏金候補を公明党として推薦したことへの有権者の反発もあると指摘される。埼玉14区は「10増10減」の新区割りで誕生し、かつては三ツ林氏が地盤とした三郷市と八潮市が含まれる。三ツ林氏が培ってきた自民票が欲しい石井陣営と、逆風の中で公明の推薦が欲しい三ツ林陣営の利害関係が一致した形だったが、裏目に出た面もある。 

 

 党代表の落選は極めてまれ。09年の衆院選では、当時の太田昭宏公明党代表が東京12区で、14年には民主党の海江田万里氏が東京1区で落選し、ともに代表を辞任している。 

 

 この日が選挙区内では最後の活動日。最終日の26日は北海道に入る。報道陣に「最後は一票でも多く、必ず勝つ」と、自らを奮い立たせるように話した。(塩野 遥寿) 

 

 ≪国民・鈴木氏に追い風≫石井氏と激しく競り合っている国民の鈴木義弘氏は、選挙区内をこまめに回っている。かつては自民党系の県議で保守層をまとめ、中小企業支援や物価高対策を示した国民民主全体への追い風もある。政権批判の受け皿も目指し、無党派層への浸透を図る。後を追う日本維新の会新人の加来武宜氏は「14区こそがしがらみの極致だ」と糾弾を強めている。 

 

 ≪自民・甘利元幹事長、現役閣僚も苦戦≫ 

 

逆風の自民党では、現役閣僚を含め落選危機にいる要職経験者や大物が少なくない。 

 

 閣僚では、埼玉5区の牧原秀樹法相、鹿児島3区の小里泰弘農相が小選挙区で厳しい戦いとなっている。両候補ともそもそも選挙に強くなく、牧原氏は立民元代表の枝野幸男氏に過去6回敗北。比例で復活してきたが、今回は旧統一教会のイベント出席なども明るみになり苦戦している。 

 

 また、大物議員では神奈川20区の甘利明元幹事長が党の「73歳定年制」により比例重複せず。小選挙区でも立民新人にリードされている。裏金問題で非公認となった候補は、皆、苦戦。東京11区の下村博文元文科相、同24区の萩生田光一元政調会長が立民候補と激しく競り合っている。 

 

 自民以外では、維新の音喜多駿政調会長が、東京1区で自民、立民候補の後塵(こうじん)を拝している。 

 

 

 
 

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