( 226584 )  2024/10/26 16:19:17  
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自民党の選挙において、裏金や裏公認料の問題がクローズアップされている。

萩生田光一氏や西村康稔氏など、大物議員が問題に巻き込まれている。

自民党内でも議席の獲得が難しい状況で、公明党も20台後半の議席数と予測されている。

各候補には厳しい戦いが予想されており、裏金問題に関連して不信感が高まっている。

選挙の結果が政治の動向に影響を与える可能性がある。

(要約)

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(c) 現代ビジネス 

 

10月27日に投開票が迫った衆議院選挙では、裏金事件に加えて、直前に暴かれた非公認の候補者に対する「裏公認料」2000万円問題が襲い、自民党の「政治とカネ」の問題がさらにクローズアップされている。 

 

【図表】総選挙で「議員バッジ失う?」17人の大物議員リスト 

 

自民党の過半数割れだけでなく、大物議員までがバッジを外して議員資格を失う可能性が高まってきた。今回はそのギリギリのボーダーラインにいる17人にクローズアップしよう。 

 

「安倍派5人衆」として権勢を誇った萩生田光一氏は、「タダの人」になる可能性が高い筆頭だ。巨額の裏金2728万円で石破茂首相から非公認を突き付けられ、無所属での出馬を余儀なくされていた。 

 

ここにきて、10月16日に萩生田氏を含む、非公認8人の候補者の政党支部に、2000万円を入金して大炎上している。2000万円という金額は、衆議院選挙の自民公認候補者に支払われる公認料500万円、活動費1500万円と同額だ。 

 

石破首相は「裏公認料」とも思える2000万円について、 

 

「政党支部に出しておるので、非公認候補に出してるのではない」 

 

「選挙に使うカネじゃない」 

 

と反論している。しかし、森山幹事長名で出されている《支部政党交付金支給通知書》を「現代ビジネス」は入手した。 

 

ここにははっきりと、《選挙関係費⇒候補者への寄附として支出してください》と選挙費用である旨が記されているのだ。 

 

ある自民党の大臣経験者は、党幹部から直接こう聞いたという。 

 

「メディアで自民党の獲得議席が200前半という出ているところがいくつもある。裏公認料2000万円が明らかになって調査をかけたところさらに、減って190議席前後ではないかという絶望的な予測もあります」 

 

写真:現代ビジネス 

 

連立与党である公明党も、予測される議席数はよくても20台後半となっている。自公を足しても過半数の233議席に届かないという数字なのだ。 

 

「2000万円という金額は、公認候補と同等に扱うという意味に思えますね。選挙の情勢が厳しく、非公認候補が当選した場合、自民党に戻る椅子があるから、反石破などの変な行動をするなと釘を刺している意味があるのでしょう」(前出・自民党の大臣経験者) 

 

萩生田氏は自己のSNSで、こう反論している。 

 

「確認をしてはじめて支部の政党交付金専用口座に選挙公示後10月16日に振り込まれたことを確認。選挙には使っていない」 

 

「執行部批判を控え、選挙に専念してきた。しかし、選挙直前の非公認の基準、交付金の執行部の対応に首をかしげる。ありがた迷惑だ」 

 

だが、2000万円もの巨額のカネが振り込まれ、報道されるまで「知らなかった」というのは、裏金事件の延長であり、信じがたい。 

 

萩生田氏の東京24区は、元参議院議員の有田芳生氏(立民)と大接戦となっている。複数の調査が有田氏に軍配を上げているが、萩生田氏が上という報道もある。いずれにせよ差は数ポイントだ。 

 

「萩生田氏といえば裏金事件、旧統一教会問題、加計学園問題と悪評ばかり。負けたとしたら、裏公認料の2000万円でとどめを刺されたようなもの。演説でも動員以外で 

 

足を止めて聞いてくれる有権者はわずかだ」 

 

地元の市議はそう心配そうに話す。 

 

萩生田氏と同じく、安倍派5人衆だった西村康稔氏(兵庫9)。裏金事件で党員資格停止1年の処分を受け、自民党の政党支部がないため裏公認料はもらっていない。しかし、裏金事件への不信は根強い。 

 

 

西村氏は「裏金ではない、会計責任者のミス、不記載なんです」と懸命に釈明する。 

 

世論調査では、西村氏が橋本けいご氏(立民)に10ポイントほどリードというものが複数ある。しかし、裏金議員の西村氏を推薦した、公明党の地元支持者さえ、現代ビジネスの取材にこう答えるのである。 

 

「西村といえば裏金、そして態度のでかいヤツという印象しかない。裏金でなく不記載、それ言い訳や、反省していない。自民党が処分をしているグレーな男でもあるのに、なぜ創価学会が彼を応援しなきゃいかんのだ。クリーンな人を応援するべきで、いないなら自主投票でしょう、普通は!」 

 

簡単に「当確」とはいかない模様だ。 

 

福井2区の元国対委員長の高木毅氏も、苦戦が続く。高市早苗氏の夫である山本拓氏が、高木氏の非公認が決定後に突然、出馬表明したのだ。 

 

「高木氏の裏金などの悪評に加えて、山本氏の影響で保守票が2つに割れて、野党が漁夫の利とばかりに議席をとりそうだ。高木氏は血相を変えて必死だが、すでに時遅しの感だ」(高木氏の支援者) 

 

現職閣僚、元閣僚クラスも厳しい選挙戦となっている。 

 

大塚拓氏(埼玉9)と元五輪大臣の丸川珠代(東京7)の「裏金夫妻」は、どちらも比例重複立候補が認められず、小選挙区一本での出馬を余儀なくされた。 

 

大塚氏は立民の杉村慎治氏に僅差だがリードを許す。丸川氏は立民の松尾明弘氏に5ポイント前後、劣勢な情勢である。 

 

福岡11区は二階派の事務総長で、元総務大臣の武田良太氏が圧倒的に強い地盤だ。しかし、先週末から自民党全体の支持が急降下すると、新人の村上智信氏(維新)に数ポイント逆転された模様だ。 

 

「裏金1926万円で、二階派の会計責任者は有罪でしょう。武田氏は派閥の事務総長だったので本当なら責任をとり1回、選挙は出ずにやり直すべき。裏金事件への反省を語ることは少なく、自慢話ばかりを上から目線でやっとるよね」 

 

地元の自民党支援者はそう武田氏を突き放す。 

 

 

写真:現代ビジネス 

 

武田氏の劣勢を見て、地元の市長、地方議員らも村上氏の応援のために共闘を組みマイクを握っている。これまで圧勝続きの選挙だった武田氏から見れば信じがたい選挙戦だという。「大番狂わせ」があるのかもしれない。 

 

そして、現職閣僚で厳しい選挙戦となっているのは、牧原秀樹法務大臣(埼玉5)、伊藤忠彦復興大臣(愛知8)、小里泰弘農水大臣(鹿児島3)の3人だ。 

 

比例名簿には名前を連ねており、小選挙区で負けても復活当選の可能性はある。だが、選挙直前に旧統一教会との親密な関係が暴露された牧原氏の相手は前立憲民主党代表、枝野幸男氏だ。 

 

「これまで牧原氏は枝野氏に小選挙区で勝ったことがなく、過去5回、すべて比例復活。今回は、世論調査でもかなり差をつけられ比例にもかかりそうもない。石破政権は、発足1か月ほどで、現職の大臣落選で交代という恥ずかしい対応に迫られかねません」(前出・大臣経験者) 

 

早くも、石破首相は森山幹事長に、3人が落選した時の後釜探しを指示しているといるという。 

 

そんな中、意外に余裕なのが、裏金事件で離党勧告となった、世耕弘成氏。世論調査では二階俊博元幹事長の後継で三男の、伸康氏に20ポイント近くも差をつけており「午後8時当確」とみられる。 

 

「公明党が、伸康氏に最後まで推薦を出さなかったことが響いている。世耕氏は『裏約束』でもあるのか『比例は公明党さんに入れてあげてください』と当てこすりのように演説。公明党支持者から拍手喝采で、嬉しそうです」 

 

とは地元の県議。伸康氏が挽回するには、選挙戦最終日に父親の俊博氏が姿を見せるかどうかにかかっているという。 

 

一覧表のように、裏金議員、大物閣僚がピンチを迎えている衆議院選挙。世論調査のような数字が選挙結果に反映されるとたちまち「石破おろし」が吹き荒れそうだ。 

 

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現代ビジネス編集部 

 

 

 
 

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