( 226589 ) 2024/10/26 16:24:13 1 00 27日に行われた衆院選の注目テーマの1つは、「選択的夫婦別姓」の実現です。 |
( 226591 ) 2024/10/26 16:24:13 0 00 「選択的夫婦別姓」実現は
27日は衆院選の投開票日。注目されるテーマの1つが「選択的夫婦別姓」です。
結婚後、どちらかが姓を変えなければならない現状に対し、議論が高まっています。
弁護士・高木野衣さん
去年1年間で47万組、約95万人の男女が夫婦になっています。結婚をする際に、決めなければいけないのが結婚後の姓です。
民法では「夫婦は夫または妻の氏(姓)を称する」と規定されています。そのため、役所に届け出る婚姻届には、結婚後の姓を選択する欄があります。
一見、男女が平等に見えるこの制度ですが、実態は約95%の夫婦が夫の姓を選択しています。
仕事で旧姓を使用することで証明書の取得が必要な場面も
結婚後も仕事では旧姓を使っている弁護士の高木野衣さん。旧姓を使用することで直面する問題があるといいます。
(高木さん)「特に問題はないのかなと簡単に考えてしまっていたんですけども、実際に(旧姓を)使い始めるとやっぱり不便な部分というのは出てきました。財産管理とか意思決定支援の仕事を多くやっていて、金融機関には私の戸籍名が表示された本人確認書類を出します。そうすると、目の前に来ている私が、戸籍名の人と弁護士の高木が一緒なのかというのを証明しないといけなくて」
「『高木野衣という人物が京都弁護士会に所属しています』っていうのを弁護士会が証明してくれる(証明書)。(旧姓を使用すると)追加書類が必要になる。フリーランスの方は証明書を発行してくれる人が、対象がない。私の場合は弁護士会がある程度公的なものとして出してくれますけども、そういうものがない人にとってはかなり死活問題になるのかなと」
経団連 十倉雅和会長
2つの姓を抱えることで直面するこうした問題には、経済団体からも改善を求める声が上がっています。
(経団連 十倉雅和会長)「姓、名字の問題は当事者個人の問題として片づけることができない企業にとってビジネス上のリスクとなっております。そこで経団連では政府に対し、夫・妻それぞれが希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求めてまいります」
政府に対し、早期の実現を求めた「選択的夫婦別姓」とは、夫婦が望めば結婚した後もそれぞれの結婚前の姓を称することを戸籍上も認める制度です。
ANN世論調査 2023年
“姓の自由な選択”を法律で認めるこの制度に対し、街の声は…
(20代)「私はどっちかというと賛成。会社でも結婚したあとも今までの名前の方が働きやすい」 (70代)「別姓は反対。僕は昭和生まれやから、平成以降の人たちの考え方は別だけど。そこまでする必要ないやろって」
(40代女性)「(別姓でも)問題ないかなと思います。それぞれ環境が皆さん違うと思うので、ライフスタイルに合わせて。いろいろな選択肢があっていいのでは」
60代の元夫婦は… (男性)「どっちでもいい、会社とかみんな旧姓を使ってる。離婚してるんですよ」 (女性)「近所にいてるので良い感じで、子どもたちとも孫たちとも」
2023年のANN世論調査でも6割以上が「選択的夫婦別姓」に賛成しています。
「家族の一体感が薄れる」反発も
社会の要請が高まる中、なぜ法整備が進まないのか。その背景には保守派の強い反発があります。
ある団体の印刷物には「別姓家族の家では、家族全員の名前を表札に掲げる必要が出てきます」「日本はこんな社会になってよいのでしょうか?」とあります。
選択的夫婦別姓に反対する意見には、子どもと親の姓が異なることで、家族の一体感が損なわれるという声もあります。
(高木さん)「いわゆる保守層の方々の主張として、家族の一体感が薄れるとか、子どもがかわいそうという話があるのはよく耳にするんですけども、氏(姓)を変えた自分自身が、親と氏(姓)が違いますが、家族じゃなくなったかというとそうではないですし」
アメリカやイタリア、ドイツをはじめ国際社会では既に夫婦同姓制度の廃止が進んでいます。法務省によると、夫婦に同姓を強制している国は日本だけです。
そうした中、日本はこれまで3度にわたり、国連から夫婦同姓の現行制度を是正するよう勧告を受けています。先週の国連女性差別撤廃委員会でもー
(委員)「日本では女性の94.7%が男性の姓へと夫の姓へと変更しています。これは社会的な圧力によるものだと思いますが、これによって女性のアイデンティティー、プロフェッショナルライフ、そして雇用に負の影響が出ています」
こうした指摘に対し、日本政府の代表は従来の主張を繰り返しました。
(日本政府代表団)「選択的夫婦別氏制度を導入するかどうかについては、社会全体における家族のあり方にも関わる問題であることから、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えています」
高木さんが政治に望むことは…
いまの制度のもとで、2つの姓を使い分けることに難しさを感じているという高木さん。
今回の選挙で「政治に望むこと」とは…
(高木さん)「結婚も幸福追求の1つですし、これまで使い続けてきた氏名のまま一生を送りたいというのも、人の幸福追求の1つなので、1人1人の価値観の多様性を認めて、幸福追求を断念しなくていいような形で法改正をしてほしい」
(『newsおかえり』2024年10月25日放送分より)
|
![]() |