( 226686 ) 2024/10/26 18:07:34 0 00 “止まる車”と“止まらない車”の傾向は?
車が止まってくれず、なかなか渡れない信号機のない横断歩道。困り果てた小学6年生の男の子が思いついたのは、「横断歩道に立って、車が止まってくれるまでに何台通りすぎていったかを数える」ことでした。その目の付け所と行動力に驚きです。
手を上げて待っていても止まってくれない…
夕方5時を過ぎ、車がライトを付け始めたころ、岐阜県北方町にある信号機のない横断歩道を渡ろうとする男の子の姿がありました。
しかし、1台・2台・3台・4台…つぎつぎと車が通りすぎていき、なかなか渡ることができません。
ようやく渡ることができたのは、なんと11台もの車が通ったあとでした。
横断歩道を渡れず困っていた堀くん
「全然止まってくれへん」と怒りをあらわにするのは、小学6年生の堀煌太くん。塾に行くときに使うというこの横断歩道は、いつも車が止まってくれず、困っているといいます。
そこで堀くんは、横断歩道を渡ろうとしているのに止まらない車がどれほど多いのか、夏休みの自由研究として調べてみることにしたのです。
12日間にわたって調査
猛暑が多かった今年7月、朝7時半から夜7時まで30分おきに12日間調査したところ、最も止まらない車が多かった時間帯は、午前8時から8時半までの30分間で、この時間帯に通り過ぎた車の数は平均5.2台という結果に。通勤時間帯で交通量が多いときほど、車が止まってくれないことがわかりました。
“止まる車”と“止まらない車”について説明する堀くん
台数を数えるだけでなく、“止まる車”と“止まらない車”の傾向も分析。止まってくれる車と運転手の特徴は…?
小学6年生 堀煌太くん: 「やさしい顔のおじいちゃんは止まってくれて、トラックは止まってくれて、いかつい兄ちゃんは見た目のわりに止まってくれて」
研究の結果、止まってくれやすい車は「やさしい顔のおじいちゃん」「いかついお兄さん」「大きな車」となりました。
一方で、止まってくれない車には意外な傾向が…。
小学6年生 堀煌太くん: 「(スポーツカーのような)背が低い車が止まってくれなくて、おばあちゃんが止まってくれません。(おばあちゃんは優しそうに見えるけど)優しくないです」
止まってくれない車は「背の低い車」と「おばあちゃん」という結果になりました。 ※自由研究に基づく見解です。
反則金の合計も計算
さらに、お母さんから「一旦停止しなかったら反則金9000円とられる」と教えてもらった堀くんは、調査した車の反則金の合計も計算してみることに。
小学6年生 堀煌太くん: 「(調査中)638台止まらなくて、×9000円で574万2000円」
岐阜・北方警察署の村瀬義樹警部
この調査結果を夏休み明けに自由研究として提出しただけでなく、警察にも報告したのです。
岐阜・北方警察署 交通課長 村瀬義樹警部: 「やはり私たち大人の観点とは違う見方をしていて、こういう車が止まりにくい、こういう運転手は違反するんじゃないか、総合的な取り組みの参考となりました」
堀くんの分析を元に、北方警察署の西田美乃里署長が町民に交通安全を呼びかけるためのチラシを製作。時間帯別に色分けしたグラフの他、止まってくれやすい運転手と止まりにくい運転手の特徴も記載してあります。
警察署が製作したチラシを見る堀くん
チラシを見た堀くんは…。
小学6年生 堀煌太くん: 「すげ~! ここに書いてあるものが全部とはいかないですけど、いろいろまとめられていて分かりやすい。これで完全に止まるとは思っていないけれど、こういうのを見て少しでも止まる人が増えたらなと思います」
生活の中で不便だと感じていることを、そのままにしないできちんと調査した堀くん。その行動力には大人がハッとさせられます。堀くんの努力を無駄にしないためにも、ハンドルを握るドライバーは「歩行者がいたら止まる」を徹底しましょう。
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