( 228594 )  2024/10/31 16:11:20  
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ソフトバンクの捕手である甲斐が新たな挑戦をする可能性がある。

昨季はチームを支える存在として活躍し、FA権を取得しており、ソフトバンク残留や巨人移籍などの選択肢がある。

巨人は捕手の補強を考えており、甲斐の獲得を検討しているとされる。

他球団もFA移籍した選手を獲得する可能性があり、捕手ポジションでの動きが注目されている。

(要約)

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甲斐は新たな挑戦をするのか 

 

 小久保裕紀監督が就任した今年、ソフトバンクは首位を独走して4年ぶりのV奪回。CSファイナルステージも日本ハムに3連勝と圧倒し、日本シリーズに進出した。最多勝に輝いた有原航平、最優秀防御率を獲得したモイネロ、首位打者と2年連続最高出塁率の近藤健介、移籍1年目で本塁打王、打点王の2冠を達成した山川穂高がフォーカスされる中で、縁の下の力持ちとしてチームを支えた甲斐の貢献度は高い。ソフトバンクは、昨季に規定投球回数に到達した投手がゼロだった。先発陣に不安を抱えていたが、好リードで能力を引き出していた。 

 

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 甲斐は今年4月に国内FA権を取得。昨オフに球団から提示された複数年契約を断り、推定年俸2億1000万円で単年契約を結んだため、今オフに権利を行使する可能性がある。 

 

■残留がベストだが… 

 

 スポーツ紙デスクはこう指摘する。 

 

「条件面や待遇を考えれば、ソフトバンク残留がベストでしょう。今年は119試合出場でほぼ全試合出場していた近年より20試合ほど少ないが、長いシーズンを見据えて負担がかからないようにという首脳陣の配慮です。絶大な信頼を置かれていることは間違いない。甲斐も居心地が良い環境だと思います。ただ、野球人生で新たな挑戦をしたいと考えた時にFA移籍という選択肢は考えられます」 

 

 甲斐がFA権を行使した時、獲得に乗り出す可能性が高いのが巨人だ。阿部慎之助監督が就任した今年は4年ぶりのリーグ優勝を飾った。CSファイナルステージでDeNAに敗れたが、その戦いぶりは十分に健闘したと言えるだろう。ただ、来季もリーグ連覇を狙うためにはプラスアルファが必要になる。補強ポイントの1つとして考えられるのが捕手だ。今年は岸田行倫がチーム最多の72試合先発でマスクをかぶり、小林誠司が36試合、大城卓三が34試合だった。それぞれの捕手が自身の持ち味を出していたが、絶対的な存在にはなれなかった。巨人は2019、20年と日本シリーズに出場したが、ソフトバンクに2年連続で4連敗を喫している。この時に、卓越したリードで巨人打線を翻弄した捕手が甲斐だった。 

 

■「事実上のトレード」 

 

「甲斐のすごさは日本シリーズで対戦した巨人の首脳陣、選手たちが肌で感じたでしょう。常勝軍団を築いたソフトバンクの扇の要として活躍し、17年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞しています。18年の日本シリーズ・広島戦では6度の盗塁をすべて阻止し、MVPを獲得しました。侍ジャパンの常連で活躍していますし、バッテリー強化の観点で最も欲しい選手でしょう」(民放のテレビ関係者) 

 

 ソフトバンクは甲斐の慰留に全力を注ぐだろう。だが、他球団にFA移籍となれば補強が必要になる。2番手捕手・海野隆司、若手の成長株・谷川原健太、ベテランの嶺井博希がいるが、軸になる捕手を考えると心許ない。球界関係者は「ソフトバンクは、今年FA権を取得した大城を高く評価しているという情報が入っています。甲斐が流出するようなら、大城の獲得に動くのでは。『事実上のトレード』ですね。可能性は十分にあると思います」と明かす。 

 

 

 確かに甲斐の巨人移籍が実現した場合、出場機会の減少が予想されるのが大城だ。昨年は打率.281、16本塁打、55打点と自己最高の成績をマークし、2度目のベストナインを受賞。「強打の捕手」で正捕手を務めていたが、今季は先発マスクの機会が激減した。強打を生かして一塁を守る機会が多かったが、不慣れな守備で苦戦する場面が目立った。今年9月に国内FA権を取得。捕手での出場にこだわるなら、他球団への移籍が現実味を帯びる。 

 

 セ・リーグ他球団のコーチは高い評価を口にする。 

 

「大城は守備面の物足りなさを指摘されるが、決してそうは感じないですね。盗塁阻止率が高いですし、リード面でも成長の跡を見せている。もちろん打撃も魅力で球界トップクラスの捕手だと思います。推定年俸1億3000万円は高いとは感じないですし、FA権を行使したら獲得に興味を示す球団は多いと思います」 

 

■「捕手大シャッフル」 

 

 試合に出場できる捕手は1枠しかないため、正捕手が他球団から移籍してくると、他の捕手が新天地に移るケースは珍しくない。西武の正捕手だった森友哉が22年オフにFA権を行使してオリックスに移籍した際は、同じタイミングでオリックスの伏見寅威が日本ハムにFA移籍している。 

 

 捕手の移籍がチームの命運を変えることもある。横浜(現DeNA)の正捕手として活躍していた谷繁元信が01年オフに中日にFA移籍すると、落合博満監督の下でリーグ優勝4度、07年の日本一に大きく貢献した。一方で谷繁が抜けた横浜は低迷期に突入。正捕手を固定できず、02年からの10年間で9度の最下位と苦しんだ。 

 

 今オフは甲斐、大城以外にも昨年阪神を38年ぶりの日本一に導いた坂本誠志郎、中日の木下拓哉が国内FA有資格者として公示された。球界全体を巻き込んだ「捕手大シャッフル」が起きるか。移籍劇がセ・パ両リーグの勢力図を塗り替える可能性があり、各選手の決断が注目される。 

 

(今川秀悟) 

 

今川秀悟 

 

 

 
 

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