( 229866 ) 2024/11/04 01:26:10 0 00 ワタミ傘下に入ったサブウェイの今後の展開に注目(ワタミの渡辺美樹会長兼社長=右とサブウェイの首脳。時事通信フォト)
パンや野菜、トッピングなどをカスタマイズできるサンドイッチチェーン「サブウェイ」。2012年に400店舗を達成し、2014年には約480店舗に到達したものの、2024年の今では207店舗(10月28日現在)となっている。10年でほぼ半減したことになる。
【まとめ】「ハムアボカドで」「パンはウィートでトーストしないで」…サブウェイ公式が提示したこのまま伝えれば注文できるワード
そんなサブウェイが新たな局面を迎えている。10月25日、ワタミがサブウェイを運営する日本サブウェイ合同会社を買収し、完全子会社化を発表。ワタミはワタミファームの有機野菜を使用した商品開発を予定しており、野菜が売りのサブウェイとの「相乗効果」を期待する声も上がるが、“サブウェイ離れ”した人たちを再び呼び戻すことができるのか。そもそもサブウェイに行かなくなった人たちは何が理由だったのか、リアルな声を集めた。
IT企業勤務の30代女性・Aさんは、「定期的に通っていた時期がありましたが、今はそもそも近くに店がない」と語る。
「10年以上前、自宅の最寄りの駅の近くにできたので、ハマっていた時期はありました。普段370~450円くらいの商品が、曜日ごとの指定で290円になることがあって、お得感もありました。当時、好きだったのは『BLT』で、370円(現在は550円)でした。
サブウェイは野菜をたくさん摂取できるのでヘルシー感を感じられるのがよかったんですが、店が閉店。駅の近くには他のファストフード店も複数あるので、わざわざサブウェイに行くほどでもなく、足が遠のきました」
サブウェイの注文方法は独特だ。メニューをオーダーするだけでなく、パンの種類やトーストするか否か、トッピング選択、野菜の増減、ドレッシングを選ぶなどカスタマイズ性が高い。好みに合わせた楽しみ方ができる反面、煩わしさを感じる人もいるようだ。メーカー勤務の30代男性・Bさんは、「選ぶのは面倒くさい」というスタンスだ。
「サブウェイは注文の難易度が高く、慣れないうちは焦ったものです。本当はじっくりと選びたいけど、後ろが気になって『おまかせ』と頼んだこともありました。結局、注文の煩雑さを考えると、コンビニのサンドイッチでいいやという結論になってしまって……」(Bさん)
サブウェイは「子連れ客にとってハードルが高い」と指摘する声もあった。メーカー勤務の30代女性・Cさんは、「独身の頃は行っていましたが、子供が生まれて行かなくなりました」と語る。
「サブウェイのお店って、一人用という感じですよね。ファストフード店に入りたいと思った時、子供も一緒に食べるならマクドナルドになるし、コーヒーだけ飲もうという時もマクドナルドかモスですね。サブウェイはうちの子が食べない。小学生の頃、一度連れて行ったら生野菜が食べづらそうで、ボリュームも物足りなかったみたいです。以来、選択肢にはなかなか入らないです」
ワタミ傘下に入ったサブウェイが、足が遠のいたユーザーたちの本音をどう汲み取っていくのか注目したいが、そうしたなかで、復活の兆しも出ていることは見逃せない。2024年10月現在、既存店の売り上げが48カ月連続で増加しているのだ。国内出店も、2024年に約20店舗の出店を計画しており、この先5年間でさらに300店舗まで展開することを視野に入れているという。
新規出店だけでなく、過去に出店していた場所に再出店するケースも少なくない。直近では、11月1日オープンの「イオン千歳店」は7年ぶり、10月28日出店の「フォーリス府中店」は6年ぶり、9月18日開店の「浜松遠鉄店」は5年ぶり再出店に至っている。
オーダー方法の改善にも積極的だ。口頭による注文が苦手な人のために、タッチパネルの画面をガイダンスに従い操作し、自分のペースでカスタマイズできる「セルフオーダーシステム」の導入を進めている。
リベンジに燃えるサブウェイの今後の展開に注目したい。(了)
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