( 230619 )  2024/11/06 03:08:18  
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国民民主党が提案した103万円の壁の撤廃について、議論が続いている。

平塚俊樹氏は103万円を年収が超えると所得税が課税されることや、社会保険の壁(106万円と130万円)について解説している。

そこで、専業主婦の立場からの視点も取り上げられており、専業主婦である冨山あかりさん(仮名・36歳)の意見が紹介されている。

彼女は専業主婦としての選択に家族からのプレッシャーや理解のなさを感じており、社会保険や年金の問題についても言及している。

今後の展開に注目が集まっている。

(要約)

( 230621 )  2024/11/06 03:08:18  
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FORZA STYLE 

 

国民民主党が掲げた103万円の壁の撤廃をめぐって様々な議論が起こっている。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 

 

「玉木代表は103万円の年収の壁を178万円へ引き上げるよう法案提出を急ぐ考えを示しています。103万を超えると何が起こるかといえば、所得税が課税されます。そのほか学生の場合は親が扶養控除を受けられなくなることもあり、働き控えが起きているというのです。確かにここ数年で最低賃金も上がっています。最近都内の飲食店で昼間の時間帯は1400円、夜中になると1700円を超える時給が表示されているのを見かけました。この金額となると103万円はあっという間に超えてしまいそうですよね」。 

 

そんな中、今さら議論になっているのが106万円、そして130万円の壁である。 

 

「こちらは社会保険の壁です。 106万円を超えており従業員が51人以上、 週の所定労働時間が20時間以上、 月額賃金が88,000円以上、2ヶ月を超える雇用の見込み、学生ではないとなると社会保険の加入が必要になります。130万円を超えれば条件なしに加入が必須です。この壁はかなり大きい。これに対してSNSでも広く議論がなされています」。 

 

X(旧Twitter)ではこの壁論争に合わせる形で専業主婦や第3号被保険者の是非が問われている。今回お話を聞いたのは、専業主婦として暮らしているある女性だ。 

 

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©︎GettyImages 

 

冨山あかりさん(仮名・36歳)は、幼稚園と小学生の娘をもつ母親だ。夫が単身赴任の多い会社だったこともあり、自身は出産とともに仕事を辞めて専業主婦になった。しかし、身内には専業主婦がいない。 

 

「私には姉と弟がいますが、どちらもバリバリ働いています。子もいて共働きです。夫にも兄がいますが、同様に共働き。夫の両親はすでに他界していますが、私の両親は健在。60を過ぎておりますがそちらも仕事をしています。自営業で米屋を営んでいます」。 

 

そんななかで専業主婦になる選択は、家族からチクリと言われたらしい。 

 

「働かざるもの食うべからず的なところがあってこれまでも風当たりはすごく冷たかったです。会うたびに仕事しないの?と聞かれます。私自身、仕事を辞めたかったわけではありません。単身赴任で完全ワンオペ。そして義父の介護があったこともあり、働くという選択肢はなかった。毎日が忙しくてそんな暇がないんです」。 

 

子供の世話にPTA、地域の係にもなっており、毎日が秒で過ぎていくと話す。しかし、その忙しさをわかってくれる人は誰もいない。 

 

「今や幼稚園や小学校でも働いていないママって本当に少数で、みんな何かしらパートをしている感じがしますね。PTAの役員決めでも…」。 

 

 

ー冨山さんお仕事してなかったよね? 

 

そう言われて断れず、今年も役員になってしまったと話す。 

 

「専業主婦は暇だっていう空気感があって、断ることはなかなかできません。特にパートママたちからの圧がすごい。そもそもバリキャリ組は役員決めにすら来ないケースがほとんどで結局は扶養されているもの同士で小競り合いをしている感じです」。 

 

平塚氏はこう話す。 

 

「第3号被保険者同士の戦いとでもいいましょうか。この制度は会社員や公務員などに扶養される配偶者が年金保険料を払わなくても老後の国民年金を受け取れる仕組みのこと。原則、年収130万円未満の配偶者が対象です。すなわち専業主婦以外のパート主婦も含まれます。厚生労働省の調べによると2021年度末時点で763万人。その98%が女性だそうです」。 

 

あかりさんは理解のない言葉にうんざりすると話す。 

 

「正直にいえば、私たちだって社会に貢献していると思うんです。保育園にもいかずに子供を育てた分、税金だって使っていない。それなのに働いている方が偉い、みたいに言われてしまうとなんだかなと思いますね」。 

 

【後編】では専業主婦を取り巻く環境についてさらに話を聞いていきたい。 

 

取材・文/橋本 千紗 

 

 

 
 

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