( 231149 ) 2024/11/07 17:03:45 1 00 記事では、若者や中高年の中で「静かな退職」と呼ばれる、最低限の仕事しかせずに会社への帰属意識が低い状態が広まっていることについて述べられています。 |
( 231151 ) 2024/11/07 17:03:45 0 00 20代で“最低限の仕事”しかしない部下。いわゆる「静かな退職」でしょうか? 同じように中高年で働かない社員もいますが、能力があり「出世」も見込めるのに、もったいないと感じてしまいます
「静かな退職」とはキャリアアップや昇進を目指さず、必要最低限の業務だけ淡々とこなす働き方のことです。元々はアメリカで広まった考えですが、Z世代の若者を中心に日本でも広まっているようです。
「静かな退職」で働いている人は、会議で発言しない、職場で孤立している、同僚や上司と最低限の会話しかしない、社内イベントに参加しないなどの兆候があります。
本記事では、「静かな退職」を選択した若者と中高年の働かない社員の違いや、日本で静かな退職が広まっている理由、同僚や会社に与える影響について考察します。
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「静かな退職」を選択している人は、実際に会社を退職しているわけではありませんが、会社への帰属意識をほとんど持たず、心理的には会社を去った人のような状態にあります。これは最低限しか働かない中高年社員と、どう違うのでしょうか?
「静かな退職」を選択した人は自らの意思で(能動的に)そうなることを決めています。一方、後者はこれまでの会社・人生経験から結果的に(受動的に)そうなった人が多く、若いときから最低限しか働かなかったという人は少ないのではないでしょうか。
それでは、能力もあり、出世も見込める若者たちになぜ「静かな退職」が広まっているのでしょうか?
日本の若者に「静かな退職」が増えている原因として、次のような背景が考えられます。
・ワークライフバランスの重視 ・働き方改革 ・終身雇用の崩壊
昨今の就活生の就職観としては、楽しく働くことや、ワークライフバランスを意識して仕事よりもプライベート(個人・趣味)を重視する傾向があります。近年の働き方改革で労働時間が減少し、プライベートの時間がより増えたことも要因だと考えられます。
また、終身雇用が崩壊しつつある現代では、若者の転職意識が高くなっています。そのため1つの会社で長期的なキャリアプランを考えている人は少なく、結果的に会社への帰属意識が低下しています。
日本では年功序列型の賃金カーブの会社が多く、一生懸命働いても、働かなくても給料は同じという賃金構造も若者が最低限の仕事しかしない「静かな退職」に繋がっていると考えられます。
「静かな退職」を選択した人からすれば、一生懸命働いても、最低限しか働かない場合でも給料が同じであれば、「最低限の仕事をする働き方のほうがコスパが良い」という考えもあるでしょう。
前述したように、若者はワークライフバランスを重視し、自分のプライベート時間を有意義に使いたいと考えています。そのため「静かな退職」を選択した人にとって、仕事を頑張ったり、出世のために努力したりすることのほうが時間の無駄でもったいないと考えているのではないでしょうか。
「静かな退職」状態にある人がチームワークを乱してしまうような場合、そのチームの雰囲気は悪化し、創造性や生産性は低下します。また仕事量にかたよりが生じてしまうと、ほかの社員が業務過多となりパフォーマンスが落ちるなどの影響があり、結果的に会社の業績にまで影響する可能性があります。
会社の業績に影響すれば、同じ仕事でも給料が減少したり、静かな退職者は社内評価が低いとリストラ候補になったりする可能性もあります。
「静かな退職」はワークライフバランスを重視する若者を中心に日本でも広まりつつあります。「静かな退職」を未然に防ぐのは難しいかもしれませんが、社内で積極的なコミュニケーションを取ったり、職務範囲を明確にしたりするなど、会社への帰属意識などを高める施策は必要なのではないでしょうか。
しかし、「静かな退職」はキャリアアップや出世よりも個人の幸福を目指す働き方でもあり、現代の価値観では、多様な働き方の1つとして定着するのは避けられないことなのかもしれません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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